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スポギョミ隊長に就任した
さかなクンもびっくり。
海の大変化にギョギョギョ!

さかなクン
魚の豊富な知識と経験に裏付けされた軽快なトークでお馴染み。2015年3月東京海洋大学名誉博士を授与された。魚の情報や正しい知識、美味しい食べ方や環境問題、漁業従事者とともに明日の漁業を考えてもらおうと、講演会を行っている。2010年には絶滅したと思われていたクニマスの生息確認に貢献。さらに海洋に関する普及・啓発活動の功績が認められ、「海洋立国推進功労者」として内閣総理大臣賞を受賞している。東京都出身、館山市在住。
さかなクン

毎日のように海に出て、水中を見ている
東京海洋大学客員教授のさかなクン。
海の心配と、海の希望についてうかがいました。

さかなクンが小学生だった頃の海と、
今の海とでは、どんなちがいがありますか?

幼いころからよく通っている房総半島、相模湾、東京湾では、海藻がすギョく減っている印象があります。水温が上がったり海の栄養が乏しくなったりすると、海苔さん本来の色が出にくくなる、とききます。いっぽう、房総の海ではサンゴが多く見られるようになりました。シュノーケルで海の中を見渡すと、ギョギョ!大きなテーブルサンゴが!とびっくり。海水温が大きな影響を及ぼしているのです。

さかなクンが小学生だった頃の海と、今の海とでは、どんなちがいがありますか?

海水温の上昇によって、
お魚にはどんな影響がありますか?

海苔の養殖が盛んな千葉県の富津では「最近はね、クロダイが海苔の味を覚えちゃって、いっぱい食べちゃうんです」と、漁師さんの悩みをうかがいました。昔の富津の海は、冬になると水温が9度くらいまで下がったそうです。成長する海苔さんには適温!! いっぽう、クロダイちゃんにとっては寒すぎて活動できません。ところが海水温が上昇して、冬の海苔をたくさん食べてしまうようになったのだそうです。それから漁師さんたちは海苔を食べないように特別な網を張るなどの対策をしていますが、クロダイちゃんはかしこいため、なかなか完全には防げないそうです。

海水温の上昇によって、お魚にはどんな影響がありますか?

季節ごとに獲れていたお魚の種類にも
変化があるのでしょうか?

はい。地元の館山の海は、冬になると産卵期を迎えるスズキちゃんが定置網にいっぱい入ってきて「冬だなあ!」と。春になればクロダイちゃん、それからアジちゃん、イサキちゃんというように魚種が変わって、季節のめぐりを実感してきました。ところが数年前から春になってもクロダイちゃんがあまり獲れなくて、そのかわり、昔は夏の終わりから秋に定置網に入ってきた汐子(カンパチちゃんの幼魚)がいっぱい獲れたりするんです。
最近は東京湾でも、沖縄の県魚、グルクンちゃんがたくさん獲れることがあります。暖かい黒潮の流れにのって一匹、二匹と迷いこんでくることはありましたけど、まとまって獲れるようになりギョギョッとびっくり! 関東ではなじみがないお魚ですが、グルクンちゃんは唐揚げとか南蛮漬けとかでいただくと、すギョくおいしいので、しっかりと食用として流通していただきたいです。

サンマの漁獲量が減ってしまったのも
海水温が原因なのでしょうか?

はい! 適した水温を求め回遊ルートがこれまでよりもだいぶ沖のほうに移って、獲りにくくなってしまったようです。サンマちゃんの旬は秋!! ところが、今では春夏秋冬通じてサンマちゃんがお店に並びます。みんな大好きですから、冷凍保存され、いつのまにか一年中食べられるようになったのですね。
日本ではおよそ4000種もお魚ちゃんが知られているのですが、私たちがふだんいただくのはその内の20〜30種にすぎないといわれています。好みのお魚が集中しちゃっているのですね。日本にはおいしいお魚ちゃんはたーくさんいますので、獲れたお魚はしっかり、フードロスにならないようにするのも、旬のサンマちゃんをおいしく食べつづけられることにつながると思います。1つの魚種に集中して、獲りすぎ食べすぎると、枯渇につながってしまいます。

さかなクン

湖や川のお魚ちゃんは
減ったりしていないでしょうか?

はい、湖や川の規模にもよるのですけれど、絶滅の危険に直面しやすいのは、海のお魚よりも淡水魚のほうが多いと思います。兵庫県や京都府の湧水が湧いているところに、トゲウオ科のミナミトミヨという5、6センチのお魚ちゃんが生息していましたが、1960年代以降、絶滅したとされています。
やはり小さな環境に生息しているお魚ちゃんは、なにかのきっかけで、すぐに手を打たないと絶滅してしまう危険性が高いんです。日本の海のお魚ちゃんでは、アオギスちゃんのように東京湾や大阪湾など各地で見られなくなったといわれるお魚がいますが、絶滅した種があるという報告はないんです。海の包容力はすギョいです!

身近でご覧になっている海や川のゴミは、昔より増えていると思いますか?

強い風が吹いた次の日とか、台風シーズンにはギョミの漂着する量がすギョくなりますね。そのギョミをよく見てみると、時に海外からはるばるやってきたプラギョミさんもあって驚きます。でも小さい頃にも海辺や川辺などにたくさんギョミはありました。今は日本中、世界中で深刻な環境問題として考えるようになって、学校の授業でも勉強しますし、目につくギョミが一層増えたかもしれませんね。みんなでギョミ問題を真剣に考えるようになれば、対策や取り組みもいろいろ増えて、きっといい循環が生まれてくるはずです!

どこから手をつけていいのかわからない、という人もいるかもしれませんね。

まずは実際に、海や川などに出かけて、楽しく過ギョすのが一番でギョざいます♪ 自然ならではの光景を見たり、おいしい空気を吸ったり、たくさんの生き物に出会って感動するのが、何より素晴らしいと思います。うれしい、楽しい、気持ちいい、そういう経験があれば、この自然をこれ以上壊さない、これ以上汚さない、という気持ちがおのずと生まれてきます。自然を守ろうという考えや意識も、すギョく大切ですが、それより先に、本来の自然の素晴らしさをしっかり意識していただきたいです。

海に流れこんだストローがウミガメの
鼻に
入ってしまった報道もありました。

ウミガメちゃん、とってもいたかったでしょうね。かわいそうですね。ストローさんだって、お外に捨てられるために生まれたんじゃないんです。おいしい飲み物をいただいたあとは、ストローさん、ありがとうね!という気持ちで、しかるべきところに運びたいですね。身の周りの一つ一つのモノは、私たちの暮らしのために生まれたもの、作っていただいたものです。これがあったからうれしい、楽しい、快適! ありがとう、という思いがモノに対しての礼儀だと思うんです。感謝の気持ちで、レッツ・ギョー!!

海に流れこんだストローがウミガメの鼻に入ってしまった報道もありました。

お魚ちゃんがプラギョミを知らずに
食べてしまうこともあるようですね。

お魚も、私たちと同じでおなかが減ります。とくにおなかが減っていると、プラギョミも食べ物に見えちゃうのでしょう。プラギョミは自然のものではないので、食べてしまうと、つっかかって食道などにギュウギュウにつまってしまいます。また、5mmより小さく砕けたマイクロプラスチックが漂っていると、小魚ちゃんたちはプランクトンちゃんと区別できずに食べちゃうんです。ジンベエザメちゃんやミズウオちゃんなどの魚や、カモメちゃんなどの水鳥さん、ウミガメさん、イルカさん、クジラさんたちは、海に漂うプラスチックギョミを間違って食べてしまって、胃や腸のなかにたまってしまう例もたくさん見つかっています。

さかなクン

今回、スポギョミ隊長になってくださる
意気込みをお聞かせください。

皆々さま!お魚ちゃんたち!そして、大自然!!ありがとうギョざいます。
感謝の気持ちいーっぱい!明るく元気にレッツ・ギョー!!