PREPARING CLOTHES
FOR AN EMERGENCY
DISASTER
緊急災害への服の備え
ユニクロは20年に渡って、世界中で発生した緊急災害時に服を通じた被災者への支援活動を行なってきました。その取り組みを通じて学んだこと。それは、多くの方々が災害に対して服の備えをされていなかったということでした。
一般生活者と全国自治体への
ヒアリング調査
近年、多くの災害が私たちの生活をおびやかしています。防災に対する意識は高まりを見せている中、災害時の服の備えについて考えたことのある人は29.4%。実際に服の備えを行なっている人は、わずか14.7%。「服の備え」についての重要性はまだまだ浸透していない現状が、独自の調査でわかってきました。
全国の自治体の数字を見ても、食料や毛布の備えは進んでいるものの、災害に備えてマスクを除く衣類の備蓄をしている自治体は18.2%にとどまっています。様々な災害のリスクが高まる中、非常時の備えに服を加えてほしい。私たちはそう考えます。
※服の備えの定義:いつどこで起きるかわからない災害に向けて、
安全性・衛生面・暑さや寒さ・動きやすさなどを考慮した衣類を用意しておくこと
※独自調査「災害時の備えに関する実態調査」
一般生活者と全国自治体への
ヒアリング調査
近年、多くの災害が私たちの生活をおびやかしています。防災に対する意識は高まりを見せている中、災害時の服の備えについて考えたことのある人は29.4%。実際に服の備えを行なっている人は、わずか14.7%。「服の備え」についての重要性はまだまだ浸透していない現状が、独自の調査でわかってきました。
全国の自治体の数字を見ても、食料や毛布の備えは進んでいるものの、災害に備えてマスクを除く衣類の備蓄をしている自治体は18.2%にとどまっています。様々な災害のリスクが高まる中、非常時の備えに服を加えてほしい。私たちはそう考えます。
※服の備えの定義:いつどこで起きるかわからない災害に向けて、
安全性・衛生面・暑さや寒さ・動きやすさなどを考慮した衣類を用意しておくこと
※独自調査「災害時の備えに関する実態調査」
災害と向き合ってきた
ユニクロだから
見えてきたこと。
いざというとき本当に
必要とされるのは、
どんな服?
絶対に欠かすことができないのが、下着類と靴下。毎日替える必要があるので、3日分は用意しましょう。動きやすいジャージの上下と、外出時にはおるアウター類。そしてルームシューズとマスク。避難所などで過度に目立たない、ベーシックな色合いを選んでください。
動きやすさやサイズ調整を考えて、ストレッチ性能に富んだもの。軽量かつコンパクトにしまえるもの。抗菌・消臭といった機能があるものもおすすめです。雨で濡れた場合や洗濯することも考え、乾きにくい綿100%は避け、速乾性に優れたものを選びましょう。
災害は季節を問わずやってきます。どんな状況にもフレキシブルに対応できる通年対応のアイテムを選ぶことが大切です。ユニクロの考える、災害時に本当に必要な服のリストを一覧表にまとめました。
男性向け
女性向け
子ども向け
※( )内はユニクロで該当する主な商品
「服の備え」チェックリスト
万が一のために備えておくべき衣類を、しっかりとご確認いただくために。自治体・有識者・被災経験者の声を幅広く集めながら、最低限必要なアイテムの種類と数をチェックリストにまとめました。ご家族みんなでご活用ください。
内田教授に聞く「命を守る服」
災害発生後、避難生活の中で起こりがちな服の問題と、衣類の備えに対する心構えについて、
高崎健康福祉大学 内田教授にお話を伺いました。
内田 幸子 教授監修
高崎健康福祉大学 健康福祉学部 教授
文化女子大学大学院生活環境学研究科博士後期課程修了博士(被服環境学)
主な著書/不織布の最新動向,分担執筆,シーエムシー出版,2021、アパレルと健康,日本家政学会被服衛生部会編,分担執筆,井上書院,2012、衣服の百科事典,分担執筆,丸善出版株式会社,2015
所属学会/日本家政学会 日本衣服学会 日本繊維製品消費科学会
主な著書/不織布の最新動向,分担執筆,シーエムシー出版,2021、アパレルと健康,日本家政学会被服衛生部会編,分担執筆,井上書院,2012、衣服の百科事典,分担執筆,丸善出版株式会社,2015
所属学会/日本家政学会 日本衣服学会 日本繊維製品消費科学会
UPDATED / 2024.08.28
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避難時に必要となる「服の備え」について
・地震や台風、集中豪雨など災害に見舞われ避難しなくてはならなくなった時のために、防災グッズに「服の備え」を加えましょう。
・衣類は被災時に緊急に必要とされる生活必需物資であるにもかかわらず、自治体では食料、毛布等は準備されていますが、備蓄用衣類の検討は、十分になされているとはいえません。災害に備えて、自分にあった衣類を用意しておくと安心です。軍手、頭部を守る防災頭巾や帽子、履きなれた底の厚い運動靴も役に立ちます。
・避難所においては、支援物資の衣類が到着するまで3日程度かかるといわれています。少なくとも3日分の下着セットと、靴下、マスク、動きやすい上着セット(スウェット上下など)を準備しておきましょう1)。加えて、外出時に羽織れるアウター、避難所内で使えるルームシューズがあると便利です。衣類はかさばるので、軽量・コンパクトに収納できるものを選ぶと良いと思います。
気候・季節の変化に備えて
雨や寒さに備えて
・災害はいつどこで起きるかわかりません。雨や風を防ぐために、ウィンドブレーカーやレインウェアのような防水性のある衣類で雨風や寒さを防ぐ対策が必要となります2)。
寒い時期の避難
・寒い時期の避難生活で最も注意しなくてはならないのは体温の保持です。着替えがなく、濡れた服は体温を奪うため危険で、低体温症への注意が必要です。乾いた衣類に着替えて毛布などにくるまって体温を保つことが重要です。
・寒さ対策の着方としては、衿元、袖口、裾などの開口部を閉じて、重ね着をすることで、からだの表面の温かい空気を逃がさない工夫が大切です。また、保温性を高めるには、静止した空気を多く含むダウンジャケットや中綿ジャケットなどの着用が効果的です。
・冬の寒さ対策にはタオルケットや毛布など体を包めるものも役に立ちます2)。
・避難所などで急場の寒さをしのぐには、エアキャップ、新聞紙を服の間にはさむだけでも、寒さをやわらげるのに有効です2)。
暑い時期の避難
・高温多湿な夏の避難所内では、服装だけでの調節は困難で、室内の冷房と温度管理が不可欠です。避難所内の冷房設備が不十分で適切な室温が保てない場合には、熱中症への注意が必要です。
・暑い時は、汗をかいても早く乾く吸水速乾素材の服を着用することで、蒸れなどの不快感を軽減させ、服に残った汗による冷えを防ぐことができます。また、暑さ対策の着方としては、衿元、袖口、裾の開口部を開け適度なゆとりを設けて、服の中に風を通して熱を逃がす工夫が大切です。
避難所(自治体)で用意可能な
「服の備え」について
・1995阪神淡路大震災、2004新潟県中越地震の時に段ボールで送られてきた支援物資の中には衣類もかなりありましたが、衣類を分けて分配するという作業が難しく80%以上が残りました。このことから、災害時の衣類は、アイテムやサイズが表示された規格パッケージの形で補給される方が良いのではないかと考えられるようになりました1)。
・数日間を健康に過ごすための必要最低限の通年対応可能な「服の備え」を避難所に用意し、季節に応じて、寒冷時対応のパッケージ、暑熱時対応のパッケージを加えていくと良いと考えています。
・避難所に用意可能な「服の備え」で難しい点は、サイズ別・性別・年齢別・対象別(乳幼児、妊婦、高齢者)のパッケージをどこまで展開するかがあげられると思います。どう備蓄するのか、避難所での配布方法についても課題はあると思います。
・ユニクロには、各自治体に備蓄用衣類として「服の備え」を提案し、生活者・自治体へのヒアリングを重ねてニーズに合うよう検討いただけたらと考えています。
参考資料
1)小柴朋子,災害に備えるために―備蓄用衣料のあり方について考える―,日本衣服学会誌,55-1,15-18,2012
2)一般社団法人日本家政学会編, 家政学からの提言 震災にそなえて,2012