100とは

ドライシアサッカーシャツ(半袖)

ドライシアサッカーシャツ(半袖)

ジャックのシャツ

ブロンクス動物園での、不思議な再会を喜んだアシャとヘイリーさん。二人は連絡先を教えあい、あらためて会う約束をした。

「ヘイリーさんは私と仕事をしたいって言ってくれた。ずっと忘れずに憶えていてくれたのが嬉しいわ……。編集者だった経験を活かして、アーティストのマネージメントをしたいんですって。私の作る服を一度見てもらって、これからのことを一緒に考えてもらおうと思うの」

「よかったね。アシャが服を作ることに専念できて、ヘイリーさんが広めてくれるんだったら、そんな嬉しいことはない。感謝だね」

アシャは「うん。ほんとうに感謝……」とうなずいた。

こんなふうに、時が過ぎても、磁石のように引き寄せあう人と人の不思議な関係がある。それを感じた時は、思い切って何かを始めたほうがいい。

「そういえば、ジャックから久しぶりに連絡があったんだ。大きな仕事があるのでちょっと手伝って欲しいんだって。アシャがそうだったように、こんなふうに自分を思い出してくれるってほんとに嬉しいな。ジャックとまた会えるっていうだけで最高だ」

しばらく会っていなかったジャックと再び一緒に仕事ができるのはほんとうに嬉しいことだった。僕にとって彼こそ磁石を感じる人だった。

数日後、僕とジャックは、イーストヴィレッジの老舗コーヒースタンドで待ち合わせをした。ジャックは、ここ数年間、ニューヨークを離れ、ポートランドでブックハンターの仕事をしていた。

「久しぶりだね。元気そうでなによりだ。しかし、ニューヨークは何もかもせわしいね。みんな歩くの速すぎだよ。歩いていても、どんどん人に追い抜かれていくよ」

生粋のニューヨーカーだったジャックだが、今ではすっかりポートランドのゆったりしたライフスタイルが身についていた。

「実は、ポートランドにある、老舗の書店から仕事を依頼されたんだ。僕らが最も得意とする、希少本のコーナーを店内に作りたいらしい。その品揃えとセレクト、空間作りをやってくれと。まあ、喜んで引き受けたんだけど、ポートランドに、なかなかいいパートナーがいなくてさ。単に値段の高い古い本を集めるのではなく、自分のセンスで見つけた本を集めたいんだ。そこで君を思い出したんだ。どう思う?」

ジャックは、ドーナツを四分の一に手でちぎって口に放り込み、コーヒーを一口飲んだ。彼のこのスタイルはひとつも変わっていなかった。

ジャックのシャツ ストーリーイメージ

「ところで、相変わらずトラッドな服を着てるんだね。シアサッカーのシャツか。若い頃、夏といえば、毎日シアサッカーのシャツが好きでよく着ていたよ」とジャックは言った。

「ジャック、これは君が僕にくれたシャツだよ。忘れたのかい?君がアパートに残した服だよ」

「え!そうだったか。どこかで見たことあるシャツだなと思ったんだ。なるほど、そうか。君はまだ僕の服を持っていてくれてるのか。それはよかった……。実は着替えがなくて困っているんだ。服を少し調達させてもらっていいかな」

ジャックは僕の着ているシアサッカーのシャツをしげしげと見て「うん、いいシャツだ」と何度もうなずいて「ニューヨークってボタンダウンが似合うな」と言った。

ドライシアサッカー(半袖)

夏を涼しく

夏のカジュアルスタイルにぴったりなドライシアサッカーシャツです。今季は素材をアップデート。生地に凹凸を入れて肌に当たる部分を減らし、さらりとした肌ざわりを追求。ふっくらと軽やかに、爽やかな着心地を実現しました。

さらに汗をかいても乾きやすいドライ機能をプラス。お洗濯後の乾きが早いのも魅力です。そしてチェック、ストライプなどトラディショナルな柄バリエーションを豊富にご用意。夏の着こなしの幅を広げてくれるLifeWearです。

ドライシアサッカーシャツ(半袖)

さらに汗をかいても乾きやすいドライ機能をプラス。お洗濯後の乾きが早いのも魅力です。そしてチェック、ストライプなどトラディショナルな柄バリエーションを豊富にご用意。夏の着こなしの幅を広げてくれるLifeWearです。

ドライシアサッカー(半袖)

ジャックの夢

アメリカン・クラシックともいえる、トラディショナルな服の着こなしはジャックから教わった。

「いいかい。きれいで清潔感のある服を、カジュアルに着崩すんだ。自分でアイロンをぴしっとかけたシャツを、Tシャツとショートパンツのスタイルに、ボタンを外してジャケットのように着るとかね。必ず袖はまくる……」

「どんなスタイルでも、靴には気を使うといい。靴にはその人の暮らし方が表れるんだ。クルマのホイールと一緒だよ。クルマっていうのは、ホイールがピカピカだと大事に乗っているのがわかるし、どんなクルマでもすてきに見える。ホイールが傷だらけだったりオイルで汚れていると、どんなにいいクルマでも、いいクルマに見えないんだ。それと一緒。だから靴は大事……」

「カジュアルなパンツは、とにかくロールアップするといい。足首がほんの少し見えるくらいがすっきりしていいんだ。ショートパンツでも僕はロールアップする。だから、カジュアルパンツは少し大きめのサイズを選ぶといい……」

こんなふうに僕は、ジャック直伝のアメリカン・クラシックを会得していった。

「で、どうだい? 仕事のためにしばらくポートランドに来ないかい? 暮らすところはいくらでもあるから心配しなくてもいい。一ヶ月くらいでいいと思う。アシャとニコも一緒で」

「今、ロサンゼルスやサンフランシスコのクリエーターやアーティストが、どんどんポートランドに移住しているんだ。家賃も安くて広いからね。とにかく住みやすいよ。きっと気にいると思う」

ジャックは僕ら家族をポートランドに誘った。

「これはまだ僕のアイデアだけど、希少本ルームは、店というよりも、あたかも家のリビングのようなインテリアにしたいんだ。クラシックなね。壁一面に本棚があって、大きなソファがあって、そこでは最高においしいコーヒーや紅茶があって、ゆっくりと本を楽しめるというような……一時間10ドルの入場料をもらうんだ。で、本を購入してくれた人には、本の代金から10ドルは引いてあげる、とか……」

ジャックは、いつかこんな本屋をという夢のかたちを、そこで実現させようとしていた。

ジャックの夢 ストーリーイメージ

「すごくいい。本を売るだけでなく、その場所での心地よい体験、時間を売るってことだね。本が買えないとしても、一時間、店の人からもてなしを受けながらセレクトされた本の品揃えを学べたり、希少な本をゆっくりと楽しむだけでも価値はあると思う。作り上げるのは、本を愛する人のためのパラダイスだね」

「うん、そのとおり。僕はインターネットで体験できない豊かな時間を生み出したいんだ。ぜひ君に手伝ってほしい。君がいないと、きっとこれは出来ないんだ」

ジャックはドーナツをもうひとつ口に放り込んで、コーヒーをごくりと飲んで僕の肩に手を回し、「やっぱりシアサッカーは気持ちいいな」と言った。

ジャックは目をキラキラと輝かせていた。

ドライシアサッカー(半袖)

夏の日常着

シルエットはトレンドを加味したリラックスフィット。着る人を選ばないサイズバランスが自慢です。ショートパンツと合わせて夏のリラックスウェアとして、リネンパンツをロールアップしてカジュアルスタイルを楽しむのもおすすめです。

ボタンダウン仕様の小さめ襟のデザインは、クールビズにもお使いいただけます。ご親族の記念日や父の日のギフトにも是非。洗いざらしをさらりと羽織って涼しく過ごす。夏の日常着としてワードーローブに加えたい1着です。

ドライシアサッカーシャツ(半袖)
ドライシアサッカーシャツ(半袖)

ボタンダウン仕様の小さめ襟のデザインは、クールビズにもお使いいただけます。ご親族の記念日や父の日のギフトにも是非。洗いざらしをさらりと羽織って涼しく過ごす。夏の日常着としてワードーローブに加えたい1着です。

カジュアルだけど、
キチッとしてる、
毎日着たい、
夏のシアサッカー。

松浦弥太郎
ドライシアサッカーシャツ(半袖)
093 MENドライシアサッカー
チェックシャツ
(ボタンダウン・半袖)
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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