LifeWear Story 100 責任監修 松浦弥太郎

100とはスーピマコットンクルーネックT(半袖)
スーピマコットンクルーネックT(半袖)
旅のはじまり

父も母も大好きだったけれど、いつか家を出ようと思っていた。それは大海原で浮き輪から手を離して泳ぎ出すような無謀なことだとわかっていた。けれども、大人へのあこがれと、自分はもう一人で生きていけるんだということを世界に証明したかった。

サンフランシスコに着いた日の夜、公衆電話に鎖でつながれた電話帳から、ホテルを探して電話をかけた。英語が通じなくて電話は切られた。マーケット・ストリートを歩くと、いくつかホテルの看板を見つけたが、ドアマンがいるようなホテルに泊まるお金は、僕にはなかった。

いつしか強い雨が降ってきた。鮮やかな色をしたネオン管に24時間と書いてあったドーナツ屋に入り、コーヒーとシナモンドーナツを注文し、カウンターに座って食べた。

ジーンズのポケットから小さなノートを出して、「エクスキューズミー」と言ってから、ホテル、安い、探している、と単語を書いて、それをひとつひとつ指差しながら、カウンターの中にいた、カーディガンを着たウエイトレスの女性に見せた。

女性は最初、手であしらうような仕草をしたが、小さな声で、僕が「プリーズ」と言うと、足を止め、両手を腰に当てため息をついて、床に置いた僕の大きなダッフルバッグをじっと見つめた。

女性は僕の手からペンを取り、ノートの余白に、$20? $50? $100? と書いた。僕は$20に丸をした。女性は、天井を見て「うーん」と顔をしかめた。

壁に掛けてあった時計を見ると、夜の10時を過ぎていた。シナモンドーナツをひとくち食べた。泣きたくなるくらいにおいしかった。

スーピマコットンクルーネックT(半袖)
極上の着心地を

光を受けてつやつやと輝く表地、しっとりと肌に馴染む肌さわりは、まるでシルクのよう。使われているのは、コットンの中でも最上級の素材「スーピマコットン」。繊維が長いほど上質とされるコットンの定義の中で、繊維長35mm以上という超長維綿だ。

スーピマコットンクルーネックT(半袖)

繊維の細さがもたらしてくれるのは、極めて少ない肌摩擦。洗いをかけていくほどに、コットンの風合いは増していき、さらなる、しなやかさと柔らかさを肌で感じることができるはず。白の風合いの良さはもちろんのこと、カラーバリエーションの発色にもこだわりが現れている。極上の着心地だけでなく、カジュアル、ドレスアップに対応できる淡麗さも魅力。着ればわかる、いわゆるTシャツを超えたTシャツの進化形。

スーピマコットンクルーネックT(半袖)
真新しいTシャツ

ドーナツ屋のドアが開くと、大きな体をした警官がゆったりと入ってきた。警官は、女性に親しげに声をかけた。女性は「ちょうどいい時にやってきた」と言わんばかりに喜んで笑顔を見せた。そしてすぐに僕のことを警官に説明しはじめた。警官は微笑みながら話を聞き、僕のことをちらちらと見た。警官は大きな声で「オーケー」と言うと、僕の目を見て「パスポート」と言った。僕が自分のパスポートを渡すと、「今日着いたんですね。ホテルの予約ナシで」と言って、首をかしげて笑った。

「今日はソファーでいいかい?」と、僕がわかるようにゆっくりと言った。「オーケー」と答えると、大きくうなずいて、「じゃあ行こう」と言って、僕を外に連れ出した。警官は僕をパトカーの後部座席に乗せ、「サンフランシスコにようこそ」と言った。まるで映画のワンシーンのようだった。

そこがどこかもわからないまま、僕は一軒の小さなホテルに連れていかれ、そのホテルのロビーにあったソファーに座らされた。

警官と話し終わったホテルの主人らしき男がやってきて、「明日チェックイン」と言ってから一枚の毛布を僕に渡し、「グッドナイト」と僕の膝を手で叩いた。警官は僕のためにと、一袋のドーナツを置いていつしか去っていた。

ホテルの主人は、僕の着ているTシャツが、濡れているのを見て、困った顔をし、どこかから新しい真っ白のTシャツを持ってきた。「ほら、これに着替えなさい」と言った。

僕は言われるがまま、Tシャツを着替え、毛布をかぶって、ソファーで猫のように丸くなった。真新しいTシャツの乾いた肌ざわりが嬉しかった。なぜかその時、 母親の顔が思い浮かんだ。

小さな声で「サンキュー」とつぶやくのが精一杯だった。目をつむると涙が溢れ出た。けれども、明日の朝が来るのが待ち遠しかった。

僕の旅がはじまった。

スーピマコットンクルーネックT(半袖)
上質の更新を

変わりゆくファッションのトレンドと、アイテム展開の潮流を考えながら、数ミリ単位の仕様の改善点に作り手の姿勢が見えてくる。首回りのリブ幅を変更、袖周りをすっきりと動きやすく、裾と袖口のステッチ幅を細くして、スーピマコットンの上質さを最大限に活かしたTシャツだ。

スーピマコットンクルーネックT(半袖)
スーピマコットンクルーネックT(半袖)

ジャストサイズでの着用がおすすめ。男性ならジャケットをさらりと羽織ったり、女性ならカーディガンと、首元にストールを巻いてもいい。きめ細やかな光沢が上質さを担保してくれるから、コーディネートを、より品のあるスタイルに仕上げてくれる。決してキメすぎず、でもカジュアルになりすぎない“ちょうどいい”バランス演出が、「スーピマコットンTシャツ」の底力。

洗い立てを着て、ネックを指でぐっと一度伸ばして、首元にゆとりを作る。こうすると一気に着こなしが洗練される。お試しあれ。

松浦弥太郎
001MENスーピマコットンクルーネックT(半袖)¥1,000 +消費税
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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