100とは

パジャマ(半袖)

パジャマ(半袖)

ヘイリーさんのパリ

人生とは、晴れの日だけでなく、雨の日も、どしゃぶりの日も、寒い日もある。そしてまた、雨の日やどしゃぶりの日や寒い日にだって、晴れの日に負けない美しさがある。どんなに悲しい日にでも、明日という希望がある。

アシャは幼い頃に、父親から聞かされたこんな話しを、パリからニューヨークへと向かう飛行機で、隣に座ったヘイリーさんに話した。

長いフライト中、ヘイリーさんはアシャに自分のことをポツリポツリと話した。

自分は有名な女性雑誌の編集者で、パリに暮らす一人の作家にラブレターを書いた。すると、作家からすぐに返事が届き、ヘイリーさんの聡明な文章を褒め、あなたは編集者よりも作家になるべきだと勧められ、パリに呼ばれた。夢を抱いてパリに移ったヘイリーさんは、作家とすぐに恋仲となり、二人で暮らすようになった。それが五年前のこと。

ヘイリーさんは、女性に必要な成功術を、ストーリー仕立てにした本を書いた。するとそれが世界的ベストセラーとなった。

アシャはその本のタイトルを聞き、自分も読者の一人だとわかった。そんな有名な本の作家が、今、自分の隣に座っていて、こうして話をしていることが不思議で仕方がなかった。

ヘイリーさんは話を続けた。自分の書いた本がベストセラーになったことで、収入が増え、有名になり、暮らしが変わった。いつしか抱いていた夢を忘れ、自分は特別な人間だと勘違いし、うぬぼれるようになった。どんな仕事もお金になると思って引き受けた。二冊目の本を出版したところ、まったく売れなかった。三冊目の本はもっと売れなかった。ヘイリーさんは、自分が世間から飽きられてしまったことに気がついた。すでに、自分のことを作家と呼ぶ人は誰もいなかった。

ヘイリーさんは自分が何のために仕事をしてきたかと自問した。そして、作家になるという夢よりも、有名になりたい。お金が欲しいという気持ちが強かった自分を恥じた。しかし、時は遅く、自分の華やかな暮らしから生まれたバッシングや、世間から貼られたレッテルをはがすことはできなかった。恋人の作家も去っていった。そうしてパリに別れを告げ、ニューヨークに帰ることにしたという。

ヘイリーさんのパリ ストーリーイメージ

アシャは、ヘイリーさんのパリでの出来事を聞き、自分の五年間と重ね合わせた。そして、仕事とは何か。夢とは何か。一番大切なことは何かとあらためて自問し、自分が感じるその断片を、ヘイリーさんに話し始めた。

パジャマ(半袖)

極上の着心地

肌にサラリと心地よく、リラックス感たっぷりのパジャマです。生地は、清涼感があるコットンリネン素材を使用。リラックスタイムや睡眠タイムに極上の着心地を約束します。

すっきりと見せるシルエットながらも、身体の動きがある部分には適度なゆとりを持たせた独特のフィット、なるべく肌に縫い目が当たらないように考え抜いたステッチワークも自慢です。

パジャマ(半袖)
パジャマ(半袖)

すっきりと見せるシルエットながらも、身体の動きがある部分には適度なゆとりを持たせた独特のフィット、なるべく肌に縫い目が当たらないように考え抜いたステッチワークも自慢です。

パジャマ(半袖)

ご褒美パジャマ

アシャは、自分が過ごしたパリでの日々に思いを馳せた。

「私もパリという場所に夢を抱いた一人でした。パリが私の夢を叶えてくれると思いこんでいたんです。けれども、それは大きな間違いでした。服の勉強のためにやってきましたが、人間関係や環境の変化に悩み、仕事も思うようにいかず、毎日毎日、もうやめてニューヨークに帰ろうかと思っていたんです」

「そんな時、私をパリに連れてきてくれた恩人がこんなふうに諭してくれたんです。『チャンスやラッキーというのは、求めたり、待っていても一生やってこないのよ。チャンスやラッキーというのは、いつだって試練や困難の先にあるもの。試練や困難を乗り越えた人にこそ与えられるの。だから今、自分が苦しいのなら、その先には必ずチャンスがある、と思って頑張るのよ』と」

「その時から私はこう思うようになりました。これからはチャンスやラッキーは自分から取りに行く。それは試練や困難を避けずに挑むってことってね。そう思ったら、なんだか楽しくなってきたんです。仕事も日々の暮らしも。だって、この試練の先にはチャンスが待っているんですから……」

アシャはヘイリーさんの目をじっと見つめて話した。

「そうね。あなたの言う通り。私は試練と困難から逃げてばかりいたわ。だから、チャンスもラッキーも離れていってしまったのよ、きっと」

「でも、ヘイリーさんはニューヨークに帰って、これから心機一転、再スタートできますよ。これも父が私に話してくれたことですが、何度でもやり直せばいいんだと。何度やり直してもいい。振り出しに戻ることは、いいことなんだと」

「そうなの? 本当?」とヘイリーさんは言った。

「はい。何度でもやり直す。その先にもチャンスやラッキーはあるんですよ、きっと。私ね。苦しい時に自分にプレゼントするんです。何だと思います? パジャマです。今日一日よく頑張ったというご褒美。新しいパジャマを着て眠るって、とってもしあわせな気持ちになるんですよ。ぜひ、ヘイリーさんも試してみてください。実は私パジャマを何着も持っているんですよ。彼氏とお揃いのもあるわ……」

アシャが笑いながら話すと、ヘイリーさんも笑った。

ご褒美パジャマ ストーリーイメージ

「私、ニューヨークに着いたら、まずはパジャマを買うわ。それと、試練と困難の先にチャンスがあるって、私も信じる。あとは、何度でもやり直す。このふたつの大切なことを忘れずに頑張るわ。ありがとう」

ヘイリーさんはそう言って、アシャにハグをした。

窓にはニューヨークの摩天楼が広がっていた。

パジャマ(半袖)

オンでもオフでも

スリープウエアとしての快適性と、コーディネートウエアとしてのファッション性を両立したデザインが魅力です。さらにボタニカルやドット、ギンガムチェックやストライプなど、トレンドを意識した色柄を豊富にご用意。

セットアップで着用すればご自宅での楽しいリラックスタイムを、シャツ感覚でボトムスをEZYシリーズやウルトラストレッチ系パンツにはきかえれば、そのまま外出も可能です。旅先へのお供としてもオススメしたいLifeWearです。

パジャマ(半袖)

セットアップで着用すればご自宅での楽しいリラックスタイムを、シャツ感覚でボトムスをEZYシリーズやウルトラストレッチ系パンツにはきかえれば、そのまま外出も可能です。旅先へのお供としてもオススメしたいLifeWearです。

パジャマって、
最高の贈り物。
特に自分への。

松浦弥太郎
092 WOMENコットンリネン
パジャマ
(チェック・半袖)
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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