シャツは、毎週日曜に一週間分アイロンをかける。
持論であるが、シャツの良し悪しは、アイロンがかけやすいかどうか。アイロンをかけた時の仕上がりがどうかで大体が判断できる。
アイロンをかけていると、生地の質感と同時に、シワの伸び方やカットの妙、普段気がつかないシャツの細かな仕様やディテールが、否が応でも目に入る。
エクストラファインコットンシャツは、アイロンがけが実に楽しいシャツである。さっとかけただけで、びっくりするくらいピシッと伸びる生地で、使っている糸のきらっとした輝きと、そのステッチの美しさ、気づかいされた細かな仕様など、アイロンをかければかけるほどに感動の発見がある。
シャツのチェックポイントにボタンつけのクオリティがある。着ていくうちにボタンの糸がほつれるシャツが多々ある中で、これでもかと丈夫にボタンがつけられている。こういうこだわりも好きだ。
とにかく、シャツが好きな人が作ったシャツだとよく分かるのだ。そんなふうに、そのもののところどころに、作り手の愛情と気づかいをいちいち感じるから、毎日のように着たくなるのだろう。きっと。
![LifeWearとは ストーリーイメージ](./images/story_20/story02_b.jpg)
白いシャツも好きだが、僕の定番は、ブルーのストライプのボタンダウンシャツだ。ストライプの幅は太くもなく、細くもない、このくらいが上品でいい。
ボタンダウンシャツの上に、ネイビーのメリノウールセーターを着る。ブルーのストライプとネイビーという組み合わせが、ひとつも飽きることなく僕は本当に好きなのだ。
メリノウールセーターはクルーネックを選ぶ。メリノウールのうんちくは、語らずしもわかるので、あえて書かないが、着はじめて一カ月くらい経った頃の、なんとも言えない馴染み具合に驚いた。今まで質の良さに満足して着ていたメリノウールよりも上を行っている。
ボトムにはデニムを選ぶ。レギュラーフィットで、色の濃いリジットデニムをロールアップして履く。
僕は昔、いわゆるヴィンテージデニムに深く傾倒したことがある。今でも好きであることは変わらない。だから断言する。このユニクロのデニムはいい。このまま履いていたら、どこがどんなふうに色落ちしていくのだろう。それが楽しみだ、と。
こんなふうに、好きで選んだボタンダウンシャツもメリノウールセーターもデニムも、毎日のように着続けると、必ず「あっ」と何かがわかる瞬間がある。
それは、服が自分の身体の一部のように馴染む心地よさであったり、先に書いた、作り手の愛情と気づかいを感じることであったりと、これまで体験したことのない、服と自分の新しい関係性(ストーリー)の発見だ。
そう考えるのは、もしかしたら僕一人かもしれないが、それこそがLifeWearのエッセンシャルであり、「LifeWear Story 100」で僕が表現したいと思っていることだ。
今日も僕は、ブルーのストライプのボタンダウンシャツと、ネイビーのメリノウールセーターとデニムを着て、仕事を楽しみ、心地よく暮らしている。
明日着る服が決まっているのは、ほんとうに嬉しい。そして元気が出る。