100とは

シームレスダウンパーカ

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得意なことを

自分がやったほうが、きっとうまくいく。もっとよくなることを見つける。誰かの役に立つために……。

それがいわゆる、他人から見て、すてきなことではなくとも、ひとつやふたつは、こんな僕でも、きっとあるだろう。

思いつくことがある。

それは、自慢できることではないかもしれないが、掃除と片付けだ。子どもの頃から、掃除をしたり、散らかしたものを片付けるのが得意だった。

なぜそんなことに気づいたかわからないが、掃除であれば、目に見える場所だけでなく、たとえば、隠れているところというような、目に見えない場所こそが、実は汚れていて、そういうところをしっかりきれいにすると、掃除後のきれいさが違う。目に見えない場所だからこそ、きれいにすれば、なぜかその場の空気が変わるという、魔法のような不思議を小さい頃から感じていた。

片付けに関していうと、散らかった状態から、何をどのような順序で片付けていったらよいかを考えるのが好きというか、おそらく人よりも早く判断できた。いわばパズルを完成させるような感じで。

だから、掃除と片付けを苦と思ったことはなく、どちらかというと好きなほうだ。何が好きなのかというと、整理され、きれいになった時の達成感が嬉しかった。

だから、時たまこう思うのだ。潔癖症というわけではないけれど、僕が掃除したり、片付けをしたりしたほうが、もっときれいになるのに、と。

あともうひとつ、こんなこともある。

どんなものでも、それが人であっても、いいところを、すぐに見つけるのが得意だった。子どもの頃から、いつも思っていたのは、なぜみんなは、こういうすてきなところに気づかないのだろう、と思うことが多かった。もしかしたら、僕の価値観がみんなと違っているのかもしれないが、結局いつも遠回りして、僕が先に見つけたいいところにたどり着く。「ほら、やっぱり」と思うのだった。

ヨーイ、ドン、で、目の前に置かれたもののいいところを見つける競争があれば、かんたんに優勝できるのにな、と自惚れる自分もいた。

得意なことを ストーリーイメージ

とにかく、自分がやったほうが、きっとうまくいく。もっとよくなることを見つける、という意識を、あらためて与えてくれたジャックに、僕は感謝をした。

ほんの少しだけど、先の未来に明るい希望が灯った。真っ暗闇ではなくなった。

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全天候型の頼もしさ

ダウンジャケットの特徴であるキルティング加工のステッチ部分を圧着仕様にした未来思考のデザイン。縫い目をなくすことで風や雨の侵入を防ぎ、内側から羽毛が吹き出るのも防止。

表地には軽量かつ耐久性の高いリップストップ生地を採用し、スポーティな印象ながらマットに仕上げることで上質さを加味。生地表面には撥水剤をしっかりと固着させることで、撥水効果も格段にアップ。インナーが薄着でも、余裕のあたたかさ、高い機能性と軽さ。真冬の強い味方です。

シームレスダウンパーカ
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表地には軽量かつ耐久性の高いリップストップ生地を採用し、スポーティな印象ながらマットに仕上げることで上質さを加味。生地表面には撥水剤をしっかりと固着させることで、撥水効果も格段にアップ。インナーが薄着でも、余裕のあたたかさ、高い機能性と軽さ。真冬の強い味方です。

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もっとよく見よう

あ、そうだ!と、もうひとつ気がついた。

自分がやったほうがきっとうまくいく何か。もっとよくなる何かを見つけるという、いわば、自分のいいところを見つけるということは、同時に自分の苦手なこと、うまくできないこと、わからないことを見つけることでもあるんだ、と。

僕は、いろいろな物事のいいところを見つけるのが好きで、得意だけれど、実を言うと、よくないところも同時にしっかり見つけていて、けれども、それは意識的に言葉にしてこなかったと思い出した。

「どんなものにも必ず、いいところもあるし、そうでないところもある。どちらも大切なことだ」。

昔、父が僕にこんなふうに言っていた。

苦手なことや、できないことに、あまりこだわる必要はないかもしれないが、自分は何が苦手で、何ができないのかを、しっかりと知っておくべきことが大切だろう。

夜空を見上げると、摩天楼の上に大きくてまんまるな月が浮かんでいた。道行く人は皆、寒そうに歩いている。

僕は誰ともなしに呟いた。

こんなふうにいろいろと考えているけれど、結局どうやって自分を社会に役立てたらいいか、ということ。だから、もっと世の中を観察しよう。もっと見て、見て、見尽くそう。

今、僕が着ている服にしても、自分が作ったほうがもっといいものができるという、誰かの情熱と仕事によって作られたものなんだ。

もしかしたら、あそこに自分がやったほうがうまくいくことがあるかもしれないし、それは目の前かもしれない。そうやっていつも外の世界を、よく観察しよう。

そして、もっと、困っている人を見つけよう。その人たちが、何に困っているのかを知ろう。この世の中には、困っていることは無限にあるだろう。無限にあるからこそ、そのうちのひとつかふたつは、きっと自分が役に立てることがあるはず。

もっとよく見よう ストーリーイメージ

歩いていると、ユニオン・スクエア・パークの脇で、偶然、友人のセスと道で会った。

セスとは、しょっちゅう会っているから、驚きはしなかったが、こんなふうに偶然に道端で会うのは、ニューヨークらしいといえばそうだ。

セスは、ふわっとしたダウンジャケットを着て、ストライプのマフラーを巻いて、あたたかそうだった。

「こんばんは。そのダウン、あったかそうだね、セス」と僕が言うと、「やあ。ニューヨークはこれからもっと寒くなる。君もダウンを着るといいよ。朝が来るたびに、ダウンに袖を通すのが、僕はほんとに楽しみなんだ」とセスは言った。そして、ジムに行くからと足早に去っていった。

僕は、部屋のクローゼットに、ジャックのダウンジャケットがあることを思い出した。

明日の朝はダウンを着よう。

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「着る・使う」機能を集約

被っていない時やファスナーが開いた状態でもしっかりとしたボリュームと立体的な形状を保てるように、フードのパターンや構造を設計しました。フード内側と裾のドローコードアジャスタは外から見えない位置に設置してミニマルな印象に。

首元のインナー襟とリブ付きの内袖が風の侵入を防ぎ、外ポケットの裏地はフリース仕様。あたたかさを保ちます。右側腰部には雑誌も入る収納力を誇る内ポケットを、左側胸部にはイヤホンホールを設置。スタイリッシュで機能的。LifeWearの哲学を凝縮しました。

シームレスダウンパーカ
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首元のインナー襟とリブ付きの内袖が風の侵入を防ぎ、外ポケットの裏地はフリース仕様。あたたかさを保ちます。右側腰部には雑誌も入る収納力を誇る内ポケットを、左側胸部にはイヤホンホールを設置。スタイリッシュで機能的。LifeWearの哲学を凝縮しました。

冬がいやでなくなり、
楽しい季節になった。
もっと寒くても、大丈夫さ。
ダウンが助けてくれる。

松浦弥太郎
シームレスダウンパーカ
017 MENシームレスダウンパーカ
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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