100とは

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

ロウェナからの電話

「お父さんとお母さんはどうやって結婚したの?」

ピンクや黄色のチューリップが咲いた公園の花壇の前で、六歳になった娘が僕にこう聞いた。

「結婚?」と聞き返すと「そう、結婚よ」といった。

娘は「リトルマーメード」の絵本が大好きだった。きっと物語の結末にある結婚に惹かれたのだろうと思った。

「アメリカのニューヨークという街で出会ったんだよ。そして、仲良くなって結婚したんだよ」

「ふーん。お母さんを好きだったの?」

「もちろん大好きだから結婚したんだよ」

突然、娘にそんなことを聞かれた僕は、ぼんやりとあの頃の二人のことを思い出しては、僕らの結婚にはほんとうに不思議なことが重なって起きたなとつくづく思った。

不思議なもので、子どもの素朴な問いに素直に答えようとすると、その度にいつかの自分を思い出す。

僕とアシャはニューヨークで出会い、夢を分かち合い、付き合うようになった。しかし、一年後、服作りを学ぶチャンスを生かすために、彼女はパリで暮らすことになり、五年後にもう一度会おうと約束して別れた。

五年経った約束の日、僕は二人で決めた場所へと向かった。しかし彼女は現れなかった。僕は落胆し、その気持ちを晴らすために無我夢中になって、ニューヨークと日本において本屋の仕事に励んだ。

そんなある日のこと、二人の共通の友人であるロウェナから、ニューヨークの仕事場に電話があった。

「ああ、よかった……。やっと電話がつながったわ。ねえ、アシャがあなたを探しているの知ってる?」

ロウェナの口からアシャの名が出たことに驚いた。しかも、僕を探しているってどういうことだろう?

ロウェナからの電話 ストーリーイメージ

「アシャはあなたとの約束を守ろうと、あなたに会うためにパリからニューヨークに向かうつもりだったの。けれど、ずっと具合が悪かったお母さんの病気が急に悪化して、看病のために、急遽、実家のエチオピアに帰ることになったの。残念なことにおかあさんは亡くなってしまったんだけど、そんな悲しいことがあったせいで、あなたとの約束を守ることができなくて、アシャはそのことを悔やんでいるの。それで、来週ニューヨークに来るらしいんだけど、あなたの居場所を知らないかと私に連絡があったの。あなたの連絡先を調べるのに何軒もの古本屋に聞いてまわったのよ……」

ロウェナは、ほっと安心したような口調でいった。

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

究極の素材

ユニクロジーンズの中で一番の細身シルエットとストレッチ性を誇るウルトラストレッチジーンズです。最大のポイントは本格的な質感と究極のはき心地を同時に追求した革新的なジーンズ素材。世界最高峰の品質と技術を誇るカイハラ社製のデニムを原料から共同開発。特殊なポリエステル糸をヨコ糸に使用することで、伸縮率40パーセント、回復率80パーセントという驚異のストレッチ性が実現しました。

本物の表情を持ちながら肌あたりはなめらか、細身なのにやわらかなはき心地の新感覚デニムです。

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ
ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

本物の表情を持ちながら肌あたりはなめらか、細身なのにやわらかなはき心地の新感覚デニムです。

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

約束の日のこと

「とにかくアシャに電話してあげて」といって、ロウェナはエチオピアのアシャの電話番号を僕に告げた。

あの日、約束の場所に現れなかったアシャにそんな悲しい出来事があったなんて……。

約束のことよりも、彼女があんなに大好きだったおかあさんが亡くなってしまったことに、僕は胸が張り裂けそうな気持ちになった。

ずっと前、おかあさんがニューヨークを訪れた時、言葉が通じない僕に気遣い、片言の日本語で話しかけてくれたことや、一緒にセントラルパークを散歩したこと、ヨガのクラスに通ったことなど楽しい思い出がたくさんあった。

アシャのおかあさんをなにひとつ喜ばせる事ができなかったことに涙がこぼれた。

とにかく、アシャに電話をしなければいけない。しかし、エチオピアとニューヨークには時差が八時間ある。僕は一度手に取った受話器を静かに置いた。

部屋にいると気持ちが落ち着かず、僕は街へと繰り出した。夕暮れの空はまだ明るかった。

アシャとよく歩いたハドソンストリートを南に歩くと、小さなブティックに明かりが灯っていたのが見えた。この店でアシャは、細いジーンズを買ったのだ。

店の中を覗くと、店主の女性が小さなテーブルでカードを並べていた。僕の視線に気づいた女性はニコッと微笑んで「ハロー」と言った。

「覚えてますか?」と聞くと「うーん、ごめんなさい。覚えてないわ」と女性は言った。

「僕の彼女がここでジーンズを買ったんです」というと「あー!覚えてるわ。細いジーンズがとっても似合っていたあの子ね」と女性はいった。

女性がテーブルに並べていたのはタロットカードだった。

「タロットカードは毎日触っていないとだめなのよ。占いも仕事なの」といった。

「あの子、かわいかったわ。細い足にスリムのジーンズがほんとにすてきだったわ。ふわっとした大きめのニットと合わせてたよね。どうしてるの? 元気?」

「はい。元気ですが、あの後、パリに移って、今は実家のエチオピアにいます。今度またニューヨークに戻ってくる予定です」

「そうなのね。またぜひ会いたいわ。よろしく言っておいてね。せっかくだからあなたを占ってあげるわ」

約束の日のこと ストーリーイメージ

女性はカードをカットして、その中から僕に二枚のカードを選ばせた。

カードをめくると、そこにあった意味は「世界」と「審判」だった。

「ワオ!とてもいいカードよ。何か新しい成功が待っているみたい」と女性はいった。

僕は早くアシャの声が聞きたいと思った。

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

こだわりの凝縮

完璧なデニム素材には、ユニクロが誇るジーンズイノベーションセンターの最先端技術とジーンズ加工のスペシャリストが独自の本格ユーズド加工を行いました。ストレッチが強い生地に対してダメージをつくること自体が難しく、何度も研究開発を重ねてたどり着いた自慢の表情です。

シルエットは股下から裾にかけてフィットするテーパード。筋肉が張ったタイプのふくらはぎのお客様、さらに靴サイズの大きなお客様の足が通る裾幅を徹底的に検証した上でベストバランスを探しました。超細身なのにストレスフリー、加工の表情によってオフィスからカジュアルまで着こなせるLifeWearです。

ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ

シルエットは股下から裾にかけてフィットするテーパード。筋肉が張ったタイプのふくらはぎのお客様、さらに靴サイズの大きなお客様の足が通る裾幅を徹底的に検証した上でベストバランスを探しました。超細身なのにストレスフリー、加工の表情によってオフィスからカジュアルまで着こなせるLifeWearです。

動きやすくて、
肌ざわりもよく、
きれいな完璧ジーンズ。

松浦弥太郎
ウルトラストレッチスキニーフィットジーンズ
078 MENウルトラストレッチ
スキニーフィット
ジーンズ
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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