

コロンビア大学の3年生で20歳のローレン—同大学の有名な建築プログラムを履修しながら、「クールハンティング」で週に3日インターンをして1年になる。「学校で学ぶことは面白い。でも学問の世界以外にも、自分の好きなことを探求したかったの」と彼女はインターンを始めた理由を語る。
インターン中はこれといって決まった仕事をするのではなく、取材から編集レイアウトの手伝い、撮影まで幅広くこなす。最近では記事まで書かせてもらい同僚たちからも称賛を浴びたローレン。だが、彼女はその詳細に満足することなく、仕事仲間のなかでどうしたらもっと注目される存在になれるのかと日々考えている。
「見た目でも仕事でも注目される存在になりたい」と彼女は素直に語る。
インターンとして幅広い仕事をこなすローレンは、仕事のTPOに応じて柔軟に着こなす。
「スクープの取材に急いでいく時にも会議に立ち寄った大物ゲストに挨拶するときだろうが、いつでも準備OKよ」と語るローレン。
人目を引く素敵な装いを武器に彼女のインターンとしての将来は明るい。

ビジネスと楽しみをごちゃまぜにすることはあまりよくないことだというのが世間の考えだが、自由で楽しいことが大好きな営業担当役員のリックの場合は、それこそが成果をもたらす戦略だと言う。オフィスの場ではシャープに見える装いをして周囲から敬意を集める必要がある一方で、重要顧客の大切な夜の接待となると適度に堅苦しくない服装になる必要がある。「最近一番流行っているレストランやラウンジに案内することが多いが、その時はその場にふさわしい服装が必要ですからね」とリックは言う。
ふだんは落ち着いたグレーとブラックの組み合わせを着ることが多いが、毎日着る服装の場合でも、ちょっとしたアクセントを加えることを忘れたくないと言う。
「明るい色が嫌いなわけじゃないが、いつも着慣れたダーク系のコーディネートを離れて、いろいろな色を試すのは楽しい。」とリックは語る。
そして実際に明るい色の服を着てみたリック—新しい色が自身のクローゼットに加わったこと、また、うまい具合に服を組み合わせて快適な重ね着を作るスキルが自分にあることを新たに発見したと言う。
着心地も「どれ1つとっても、厚すぎず、薄すぎず、きつすぎる感じがない」と言う。
街路樹の葉が色付く頃になると、リックの服装も彼の日々の楽しみに合わせて色づいていく。

ジョアン・ヘンドリックス・料理本書店—19世紀初頭に建てられたニューヨークの家の1階に店を構えるこの店のような場所は、どこを探してもまずないだろう。棚にずらっと並んだ古書から隅の至るところに置かれたユニークな装飾アートまで。「本やすてきなもので埋め尽くされた場所というのは、なにか特別なものがありますよね。私の店は、私の好みそのものです。」とジョアンは言う。
床から天井までを彩るのは、いろいろな模様や生地、珍しいモダンアートの気まぐれとも思える組み合わせだ。ジョアンの店から伺えることは、鑑賞や収集はするが、捨てることはめったにないだろうということ。
この場所は、ジョアンの個性というぬくもりの恩恵を受ける一方で建物の老朽化とリバーサイドという立地のためもあって、冬のすきま風に寒い思いをさせられることもまれではない。「この家はいつも寒いのよ。だからいつも暖かい服装をしているの」とジョアンは言う。暖かいという条件を満たしたうえで、このユニークな店にふさわしいユニークさをもった服装をしなければならない、これこそが服装に関するジョアンの悩みなのだ。そんなジョアンだが、このふたつの条件を満たした新しい服をみつけた、と言う。「この服だと寒くないうえに、お家の色合いにもぴったりなのよ。壁紙、台所、庭の野菜…」そう言って、彼女が差したモノすべてが、このユニークで際立った個性の主にとって居心地の良い、でもステキにみえる冬の生活そのものなのである。