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映画、難民に出会う。
~ 服のチカラ 28号 ~

Jun 13, 2025
LifeWear
6月13日(金)から国内のユニクロ全店で配布中の小冊子『服のチカラ28号』のテーマは「映画、難民に出会う」。2025年1月に設立され、ユニクロが創立パートナーとして参画した「難民映画基金」をはじめ、映画の力で、難民と社会をつなぐ取り組みを紹介します。


報道され、社会問題視されるのではない、人そのものを描いて、観る者を動かす。難民の未来をひらくのは、映画だ。



映画『希望のかなた』公開時、アキ・カウリスマキ監督は、「私がこの映画で目指したのは、難民のことを哀れな犠牲者か、さもなければ社会に侵入しては仕事や妻や家や車をかすめ取る、ずうずうしい経済移民だと決めつけるヨーロッパの風潮を打ち砕くことです」とメッセージを発表しました。映画にも、難民にできることがあるはず──。
オランダのロッテルダムで開催される「ロッテルダム国際映画祭」では去る1月、「難民映画基金」のプロジェクトが発表されました。
ユニクロはこの「難民映画基金」を全面的に支援することを決めました。


自分のことを「見えない存在」と感じている彼らの物語を、どうすればより可視化できるのか



ロッテルダム国際映画祭(IFFR)はオランダで開催されるヨーロッパ屈指の国際映画祭です。その会期中に「難民映画基金」が発表され、プロジェクトの関係者、映画監督が集まってパネルディスカッションが行われました。パネリストの発言のハイライトをご紹介します。

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「難民映画基金のプログラムでは5名の映画制作者が支援を受けることになります。困難な環境のなかで、革新的な作品を生み出す映画制作者を支援する基金の、運営パートナーとなることを光栄に思います。
ロッテルダム国際映画祭(IFFR)にとっても、大きな達成です。今年の映画祭で上映される約450本の作品のうち、半数以上が短編または中編作品のプレミア上映です。短編映画の制作資金を提供できる機会を得たことは、IFFRにとってたいへん大きな前進です」

──ヴァーニャ・カルヤチチ(IFFRフェスティバル・ディレクター)

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「難民映画基金のプログラムは、故郷を離れざるを得なかった映画制作者や、そうした人々の経験を真摯なストーリーとして描いてきた実績のある映画制作者を支援し、その作品を世に送り出すことを目的としています。緊急性の高い取り組みであると認識しています。
2023年12月にUNHCR主催のグローバル難民フォーラムで関係者が集まったときから、この取り組みの原動力となってきたケイト・ブランシェットさんのリーダーシップに敬意を表します。また、創設メンバーの一人である柳井康治さんにも心から感謝申し上げます」

──クレア・スチュワート(IFFR委員長)

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「現在、世界では67人に1人が強制的に故郷を追われています。この衝撃的な数字の背後には、一人ひとりの物語があります。希望の物語、逆境に耐え抜く力の物語、喪失の物語。私たちは皆、こうした物語を広め、声を持たない人々の声を届けるうえで、映画が極めて重要な役割を果たすと信じています」

──ウズマ・ハサン(パネルディスカッション司会者。映画プロデューサー)

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「状況は、非常に切迫しています。私たち全員が感じていることだと思いますが、問題がこれほど広域で、深刻で、そして差し迫っているにもかかわらず、これらの物語が主流のメディアに十分に取り上げられていないことに戸惑っています。私はUNHCRの親善大使として約10年活動してきました。その間、UNHCRとともに現地を訪れ、難民、庇護希望者、無国籍者、そして避難を余儀なくされた人々と直接会い、その物語に耳を傾ける機会を与えられてきました。彼らが生きてきた経験は、私にとって大きなインスピレーションとなっています。彼らの強さ、勇気、不屈の精神には深く心を打たれます。どれも、信じがたいような物語です。彼らは困難な状況の中にあっても、すばらしいユーモアや寛大さをもって接してくれました。私たちは、難民や庇護希望者、避難を余儀なくされた人々がしばしば自分のことを「見えない存在」と感じていること、そして彼らの物語をどうすればより可視化できるのかについて話し合ってきました。この基金の目的は、避難中の彼らを支援するだけでなく、それらの物語を「特別扱い」せず、主流に届けることにあるのです。」

──ケイト・ブランシェット(俳優・UNHCR親善大使)

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「IFFRのヒューバート・バルス基金は映画のインフラがない地域、あるいは脆弱な地域、そして表現の自由が大きく制限されている地域において、30年以上にわたって活動してきました。難民映画基金はこれまでの使命をさらに拡大させることであり、この問題の緊急性をあらためて示すことにもつながっています。
短編映画という形式はIFFRが長年、力を入れてきた分野です。あらゆる形やスタイルの短編映画を讃える場でもあります。資金面や戦略的な協力関係だけでなく、創造的な側面においても、より広い観客に届くプロジェクトになってゆくだろうと期待しています」

──タマラ・タチシビリ(運営パートナー、ヒューバートバルス基金代表)

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「私たちユニクロは20年以上にわたり、難民支援に貢献し続けてきました。当時の世界の難民は3000万から4000万人でしたが、今ではその3倍以上にあたる1億2000万人を超えています。難民支援の方法もより革新的なものにしていかなければなりません。私たちは力を合わせ、連携し、多角的な視点からこの問題に取り組む必要があります。難民映画基金は純粋に支援を目的にしたものであり、避難を余儀なくされた人々の声を届け、彼らを表舞台へと押し上げることが使命だと思います」

──柳井康治(ユニクロ)

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シリア・アレッポで恋に落ち、娘サマを出産したワアド・アルカティーブが、自身の生きた証を記した映画『娘は戦場で生まれた』。第72回(2019年)カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞受賞。



「『娘は戦場で生まれた』を制作したとき、最初に直面したのは誰もこの話を聞きたがらないということでした。人々はすでに避難民や難民の話にうんざりしてしまっているのです。映画館に行ってまで同じような話を見たいとは思わないというのが現実でした。
人々に理解してほしかったし、自分が生き延びるためにも、起こったことを受け入れるためにも、映画をつくる必要があったのです。映画が公開されたとき、映画を見たことで人々の心や考え方が本当に変わるのを感じました。私自身がより「見える存在」になったのです。
クリエイティブな作業を進めるためには、時間とサポートが必要です」

──ワアド・アル=カテブ(映画制作者・ジャーナリスト)

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「私が難民の友人、アミンに出会ったのは15歳のときでした。『FLEE』というアニメーション映画は外部の視点から難民のドキュメンタリーを撮ろうとしたわけではありません。友人であるアミンという人物に興味を持ったのです。こうした物語を伝えるうえで大事なのは、根本的な人間としての関心です。ワアドさんの映画が感動的なのは、単に戦争の恐怖を描くだけでなく、愛や母性についても語られているからです。
『FLEE』は難民が描かれる物語に触れる機会がない多くの人にも扉をひらくことができました。この基金で支援を受ける映画制作者のみなさんには、創造性を発揮していただき、ぜひ単なる「難民の物語」ではなく、人間としての物語を通じて、驚かせ、ワクワクさせてほしいですね」

──ヨナス・ポヘール・ラスムセン(映画監督)

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(左から)クレア・スチュワート、タマラ・タチシビリ、ヴァーニャ・カルヤチチ、ワアド・アル=カテブ、ウズマ・ハサン、ヨナス・ポヘール・ラスムセン、ケイト・ブランシェット、柳井康治



国境や言語をやすやすと超えて、遥か遠くにまで届くのが映画。


柳井康治/株式会社ファーストリテイリング取締役。サステナビリティおよびマーケティング担当。渋谷区内の17カ所の公共トイレを新しくするプロジェクト「THE TOKYO TOILET」やヴィム・ヴェンダース監督の『PERFECT DAYS』のプロデュースも手掛けている。



「グローバル難民フォーラム」で出会った映画関係者やアフガニスタン難民の学生などとアイデアを具体化していった舞台裏。

Q1 難民映画基金の創設にユニクロが関わることになった経緯を教えてください。

難民問題への貢献を話し合う「グローバル難民フォーラム」が、4年に一度ひらかれています。UNHCRが中心となって、政府や民間企業の代表、難民当事者、一般市民の代表などが集まるフォーラムです。
2023年は日本が共同議長国で、民間企業の代表としてユニクロがスピーチすることになり、私が出席しました。

その前夜、会食しながらテーブルごとに具体的な貢献案を考える場が設けられました。キー・ホイ・クァンさん(アカデミー賞助演男優賞受賞の難民の背景を持つ俳優)など、映画関係者も同じテーブルでした。アフガニスタン難民で今はベルリンの学生だという女性、中東で難民支援をしている企業オーナーなどの参加者もいたのですが、そこで話題になったのは、難民といえばどうしてもつらい、苦しい状況ばかりが伝えられがちだけれど、難民の魅力的な物語が描けたら、共感と理解が広がる可能性があるはず、ということでした。

キー・ホイ・クァンさんも難民だったように、俳優や映画監督、脚本家だった人が難民になる場合もあります。私たちはつい「難民」とひとくくりにしますが、故郷ではなにかの専門家であった人も多いのです。こうした人たちをサポートして、映画をつくることもできる──私たちのテーブルでは、映画によって難民問題に貢献したいというコミットメントがまとまりました。それからは時差をやりくりしてリモートミーティングを続け、ロッテルダム国際映画祭のサポートも得られることになって、難民映画基金が具体化したのです。

Q2 これまでのユニクロの多様な難民支援とは異なる支援になるのでしょうか?

ユニクロは、緊急支援、衣料支援、自立支援、雇用支援の4つの柱で難民支援に取り組んできました。その根本には、難民を「難民」とカギ括弧に入れて特別扱いするのではなく、私たちと同じ人格、尊厳を持った人間であり、それぞれにおかれた状況から、やむなく故郷を離れた人たちであると理解し、その可能性と未来につながる支援に努めてきたんですね。

バングラデシュ・コックスバザールの難民キャンプでは、ロヒンギャ難民として暮らしながらその現状を伝えるドキュメンタリー写真家と語り合った。


難民を特別なものにしない、という意味において、難民映画基金もこれまでの取り組みと共通しています。魅力ある映画は、国境や言語をやすやすと超えて、遥か遠くにまで届くものです。難民に積極的な関心を持てなかった人も巻き込むことができるかもしれない。そうした驚きを起こすのが、映画の力だと信じています。


Q3 これまでに公開されている「難民映画」でお薦めの作品を教えてください。

難民映画基金の委員会のメンバーでもある映画監督、ヨナス・ポへール・ラスムセンの『FLEE』は、アニメーションでアフガニスタン難民の青年を描いています。ヨナスも「難民」をカギ括弧に入れず、人としての尊厳を持つ存在として描いているからこそ、多くの人の共感を得られたのだと思います。

『FLEE』 2021年アカデミー賞3部門ノミネート(国際長編映画賞/長編ドキュメンタリー賞/長編アニメーション賞)。サンダンス映画祭グランプリ受賞。© Jonas Poher Rasmussen


ケン・ローチ監督の『The Old Oak』もお薦めです。イギリス北部の廃坑になった町にシリア難民が集まってきて、寂れたバーを中心に共同体ができてゆく話です。社会的弱者をしっかり見届ける視線がすばらしいですね。
ワーウィック・ロス&ロバート・コー監督のちょっと笑えるおもしろいドキュメンタリー映画『チーム・ジンバブエのソムリエたち』もいいですよ。ジンバブエ難民の4人が南アフリカでソムリエの修業をして世界大会に挑戦するのですが、ジャマイカのチームが冬季オリンピックのボブスレーに挑戦した話にもどこか似て、可能性に賭ける明るさは、誰をも励ますものだと思います。

『チーム・ジンバブエのソムリエたち』 ジンバブエ難民が南アフリカの有名レストランでヘッドソムリエとなり、ブラインドテイスティングの世界大会に挑戦するドキュメンタリー。©2020 Third Man Films Pty Ltd /発売:アルバトロス



ユニクロは「難民映画基金」の創設パートナーとなりました。


ユニクロは、「難民映画基金(Displacement Film Fund)」に対し、創設パートナーとして10万ユーロ(約1600万円)を拠出しました。難民の思い・体験を作品を通して伝える映画制作者を支援し、ユニクロの「Made for All」の理念と、言葉や国境を超えて届く映画の力を融合させ、より多くの人々が難民・避難民への関心を高めるきかっけとなる、あらたな活動の場を創出していきます。

難民映画基金は、住まいや故郷を追われた映画制作者を、あるいは、これまでに難民の体験をリアルな物語として伝えてきた、実績ある映画制作者の作品を支援するために設立されました。俳優であり、UNHCR親善大使を務めるケイト・ブランシェットの呼びかけに応え、創設パートナーのマスターマインド、ドローム・エン・ダード財団、タマーファミリー財団、アマホロ連合、ユニクロと、運営パートナーのヒューバート・バルス基金、戦略パートナーのUNHCRが連携し、今年のロッテルダム国際映画祭(IFFR)で助成制度をスタートさせました。その第一歩として5名に対し、短編映画の制作費として10万ユーロずつ援助し、2026年のロッテルダム映画祭での上映機会を設けます。

この難民映画基金を通して、作品をつくる手段や機会が失われた才能ある制作者を支援し、また、難民・避難民の埋もれた声を映画によって表現し、多くの人々の心に深く届く作品の誕生を支えていきます。
今回、支援を受ける映画制作者は、マリナ・エル・ゴルバチ氏(ウクライナ出身)、モ・ハラウェ氏(ソマリア出身)、ハサン・カッタン氏(シリア出身)、モハンマド・ラスロフ氏(イラン出身)、シャフルバヌ・サダト氏(アフガニスタン出身)に決定しました。

(左から)ハサン・カッタン、マリナ・エル・ゴルバチ(撮影:Rafal Nowak)、モハンマド・ラスロフ、シャフルバヌ・サダト、モ・ハラウェ



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