雨をはじいて快適、しかも安全なLifeWear。

October 2024 No.27

The Power of Clothing

雨をはじいて快適、しかも安全なLifeWear。

ハスの葉はコロコロと水をはじきます。「永遠の化学物質」と呼ばれるPFAS(ピーファス)を使用しないLifeWearは、その仕組みにも学んで、つくられています。

Illustrations by Tatsuro Kiuchi

ユニクロのアウターや折りたたみ傘など雨をはじく機能(=撥水加工)のあるすべての商品に
PFAS(有機フッ素化合物)は使われていません。

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  • PFASってなに?

  • 世界で広まる
    使用の制限

  • 撥水・撥油機能が
    高いPFAS

  • 2013年に
    アクションを開始

  • 2017年に
    使用廃絶を達成

  • PFASってなに?

    PFASってなに?

    PFASとは有機フッ素化合物の総称です。服の生地の表面にPFASを含んだ撥水剤を塗布すれば、雨や雪の水分をはじく撥水効果が生まれます。ところがPFASは自然界でほとんど分解されません。たとえば土壌に流れ込んで浸透し、地下水が汚染されてしまうと、それを摂取した人に健康被害をもたらす可能性がある、と国際的な研究機関*により指摘されています。

    *Agents Classified by the IARC Monographs, Volumes 1–136

  • 世界で広まる使用の制限

    世界で広まる使用の制限

    人や環境へのPFASの有害性が指摘されてから、その使用禁止や使用制限が世界各地で進み、たとえば、アメリカのカリフォルニア州では、2025年1月からPFASを含む繊維製品の製造・流通・販売が禁止されることが決まっています。

  • 撥水・撥油機能が高いPFAS

    撥水・撥油機能が高いPFAS

    PFASがこれまでに使われてきたのは、水や油をはじく機能が必要とされるもので、防水コートの他、フライパン、ペンキ塗料、泡の消火器など。工場排水にも含まれている場合があります。

  • 2013年にアクションを開始

    2013年にアクションを開始

    ユニクロでは2013年、PFASを廃絶すべき物質と位置づけ、生産工程のあらゆる段階でPFASを使わない目標を定めました。以来、繊維メーカー、薬剤メーカー、縫製工場などと連携し、PFASを使わない撥水商品開発を進めてきました。満足のいく商品ができるまで、試行錯誤を重ねました。撥水性を高めるため撥水剤の量を増やすと、生地の風合いが硬くなったり、擦れたような傷ができてしまったりしました。撥水剤にとどまらず糸や生地までさかのぼって検討し、何百回ものサンプル製作を繰り返す日々が続きました。

  • 2017年に使用廃絶を達成

    2017年に使用廃絶を達成

    ユニクロでは2017年秋冬シーズンに、すべてのPFASの使用廃絶を達成しました。撥水加工が施されている代表的な商品は、羽毛や中綿を使用した冬物アウター、ブロックテックパーカやポケッタブルパーカなどの機能性アウター、ギアショーツや暖パンなどのボトムス商品、ヒートテックグローブ・ラウンドミニショルダーバッグ・バックパック・折りたたみ傘・帽子など多岐にわたります。

  • PFASってなに?

    PFASってなに?

    PFASとは有機フッ素化合物の総称です。服の生地の表面にPFASを含んだ撥水剤を塗布すれば、雨や雪の水分をはじく撥水効果が生まれます。ところがPFASは自然界でほとんど分解されません。たとえば土壌に流れ込んで浸透し、地下水が汚染されてしまうと、それを摂取した人に健康被害をもたらす可能性がある、と国際的な研究機関*により指摘されています。

    *Agents Classified by the IARC Monographs, Volumes 1–136

  • 世界で広まる使用の制限

    世界で広まる使用の制限

    人や環境へのPFASの有害性が指摘されてから、その使用禁止や使用制限が世界各地で進み、たとえば、アメリカのカリフォルニア州では、2025年1月からPFASを含む繊維製品の製造・流通・販売が禁止されることが決まっています。

  • 撥水・撥油機能が高いPFAS

    撥水・撥油機能が高いPFAS

    PFASがこれまでに使われてきたのは、水や油をはじく機能が必要とされるもので、防水コートの他、フライパン、ペンキ塗料、泡の消火器など。工場排水にも含まれている場合があります。

  • 2013年にアクションを開始

    2013年にアクションを開始

    ユニクロでは2013年、PFASを廃絶すべき物質と位置づけ、生産工程のあらゆる段階でPFASを使わない目標を定めました。以来、繊維メーカー、薬剤メーカー、縫製工場などと連携し、PFASを使わない撥水商品開発を進めてきました。満足のいく商品ができるまで、試行錯誤を重ねました。撥水性を高めるため撥水剤の量を増やすと、生地の風合いが硬くなったり、擦れたような傷ができてしまったりしました。撥水剤にとどまらず糸や生地までさかのぼって検討し、何百回ものサンプル製作を繰り返す日々が続きました。

  • 2017年に使用廃絶を達成

    2017年に使用廃絶を達成

    ユニクロでは2017年秋冬シーズンに、すべてのPFASの使用廃絶を達成しました。撥水加工が施されている代表的な商品は、羽毛や中綿を使用した冬物アウター、ブロックテックパーカやポケッタブルパーカなどの機能性アウター、ギアショーツや暖パンなどのボトムス商品、ヒートテックグローブ・ラウンドミニショルダーバッグ・バックパック・折りたたみ傘・帽子など多岐にわたります。

ハスの葉がきれいに水をはじくのは、どういう仕組みなのでしょう?

ハスの葉の表面には撥水性のあるワックスのような成分が含まれています。さらに、すべすべに見える葉を顕微鏡で観察すると、約100分の1ミリほどの小さな突起がびっしりと並んでおり、デコボコしているのがわかります。この小さな突起があることで、水滴と葉との接地面が小さくなり、突起の谷間にある空気が下から水滴を支えようとします。水滴は玉のようになり、葉のわずかな傾斜や振動とともに、コロコロと転がり落ちてしまいます。

ハスの葉がきれいに水をはじくのは、どういう仕組みなのでしょう?

高い撥水性をもつ、最新のシームレスダウンにご注目ください。

PFASを使用しない撥水技術は、今でも進化を続けています。
2024年に発売するシームレスダウンは、日常生活で急な雨に降られても、高い撥水性をもつ生地が雨滴をコロコロとはじいてくれます。
どのような新素材が高い撥水性を発揮しているのか。
最新のシームレスダウンをより深くご案内します。

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2015年の発売開始以来、刻々と進化するシームレスダウン。
一般的なダウンコートと、どこが違うのでしょう?

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  • 1

    羽毛を入れるブロックは、ステッチを使わず、テープを使った熱圧着によって羽毛を閉じ込めています。縫い目を最小限にとどめることで、冷気や水分が入り込みにくくなり、羽毛が飛び出してしまうこともほとんどありません。

  • 2

    シームレスダウンは、アウトドア用途だけでなく、タウンユースとして日常的に着ていただき、スーツやドレスにも合わせられる高級感を出すため、色の深みや風合い、着心地にもこだわり、スマートな見た目を追求しています。

  • 3

    ユニクロは、水鳥に配慮した方法で育てられ採取された羽毛を使用するよう取り組みを進めています。2019年末時点で、ダウン商品の生産に携わるすべての取引先縫製工場がRDS(Responsible Down Standard)認証を取得しています。

  • 4

    羽毛のかさ高(=保温性)を表す目安であるフィルパワーは、数値が大きいほど空気を多く含み、保温性の高い良質なダウンを意味します。シームレスダウンは750フィルパワーを実現。さらに、暖かさを最大限引き出すため、ダウン90%、フェザー10%の黄金比率を採用しています。

  • 5

    小雨程度の水をはじく撥水加工は、PFASを使用していません。長年にわたる開発から生まれた特殊な糸で織られた生地に、撥水剤を固着させているため効果が長持ちしますが、加工は永久的ではありません。

  • 6

    将来、新しい商品に買い替える際には、ユニクロ店頭でお引き取りします。お引き取りしたダウン商品は必要としている方へと届けられたり、羽毛を取り出し再生し、新たな商品に生まれ変わらせたりします。

PFASを使わずに、撥水機能をもつ生地をつくる。
ハスの葉の構造にも似た新素材の生地の秘密は、一本の糸にまで、さかのぼります。

化学繊維の糸は、天然素材がもつ多様な機能性や風合いなどに着目しながら、進化を続けています。
異なる成分を含む糸の形を、製造工程で超精密にコントロールすることにより、ハスの葉のような細かなデコボコのある生地が生まれます。

  •  原料となる樹脂から、特殊な技術によって紡ぎ出されるシームレスダウン(ウィメンズ)の繊維。一本のように見えますが、断面を拡大してみると、伸縮性が異なる2つの成分があり、片方の成分がもう片方の成分を包み込んでいるのがわかります。
    ➊

    原料となる樹脂から、特殊な技術によって紡ぎ出されるシームレスダウン(ウィメンズ)の繊維。一本のように見えますが、断面を拡大してみると、伸縮性が異なる2つの成分があり、片方の成分がもう片方の成分を包み込んでいるのがわかります。

  •  複数の繊維を束ねた糸を加熱加工することで、糸は縮んで巻いたようになり、パーマをかけたような状態になります。これにより糸のふくらみや伸縮性が生まれるだけでなく、この糸で織られた生地の表面には微細なデコボコができることになります。
    ➋

    複数の繊維を束ねた糸を加熱加工することで、糸は縮んで巻いたようになり、パーマをかけたような状態になります。これにより糸のふくらみや伸縮性が生まれるだけでなく、この糸で織られた生地の表面には微細なデコボコができることになります。

  • 生地の拡大俯瞰図。新しく開発された糸によって織られた生地には微細なデコボコが生まれ、ハスの葉のように生地の撥水性を高めます。
    ➌

    生地の拡大俯瞰図。新しく開発された糸によって織られた生地には微細なデコボコが生まれ、ハスの葉のように生地の撥水性を高めます。

  • 生地を撥水剤に漬ける工程。縮んで巻いた細い糸でつくられた生地は、微細なデコボコが生まれ、表面積も増えます。このため撥水剤がつく面積も増え、撥水性を高めることが可能になります。
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    生地を撥水剤に漬ける工程。縮んで巻いた細い糸でつくられた生地は、微細なデコボコが生まれ、表面積も増えます。このため撥水剤がつく面積も増え、撥水性を高めることが可能になります。

  • 生地表面の微細なデコボコと、しっかり固着した撥水剤のダブル効果で、水滴と生地の接点に空気の層が生まれ、丸い水玉を下から支えます。さっと払えば、水滴は転がり落ちていきます。
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    生地表面の微細なデコボコと、しっかり固着した撥水剤のダブル効果で、水滴と生地の接点に空気の層が生まれ、丸い水玉を下から支えます。さっと払えば、水滴は転がり落ちていきます。

  • シームレスダウンの生地にのった水滴の様子(写真)。水滴が玉のようになり、生地と水滴の間に空気の層があるのがわかります。
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    シームレスダウンの生地にのった水滴の様子(写真)。水滴が玉のようになり、生地と水滴の間に空気の層があるのがわかります。

シームレスダウンは、ユニクロのアウター生産を長年支えている取引先工場で発売当初からつくられています。労働環境、工場の最新設備、技術の核心部分など、現地で取材しました。

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  • シームレスダウンの生産を担当する工場では、最新の技術や設備を導入して、働く人たちの健康、安全を守っています。

    シームレスダウンを生産している中国の取引先工場を訪問しました。
    李海驕副社長、働き手の方々のお話をご紹介します。

    Photographs by Shinsuke Kamioka

  • Photographs by Shinsuke Kamioka
  • 吉雪峰(ジー・シェーフン)さん 華利達服装集団有限公司

    入社19年。ダウン製品の製造工程のすべてを熟知し、自動化技術による品質向上、従業員の負担軽減を図っています。

  • 吉雪峰(ジー・シェーフン)さん
    華利達服装集団有限公司

    工場に最新の技術と設備を導入したことで、生産効率や品質が向上して、働き手の心身の負担も軽減されました。労働環境への満足度が高まれば、働く場への愛着も生まれてきます。床には糸くず一本落ちていない、落ちていたら誰に言われなくても拾う──こうした当たり前のことは、私たちの満足度の証しだと思っています。満足できる仕事をして、週末には家族とゆっくり過ごす。どちらも私の人生において、とても大切な時間です。

  • 吉雪峰(ジー・シェーフン)さん 華利達服装集団有限公司

    入社19年。ダウン製品の製造工程のすべてを熟知し、自動化技術による品質向上、従業員の負担軽減を図っています。

    吉雪峰(ジー・シェーフン)さん
    華利達服装集団有限公司

  • 工場に最新の技術と設備を導入したことで、生産効率や品質が向上して、働き手の心身の負担も軽減されました。労働環境への満足度が高まれば、働く場への愛着も生まれてきます。床には糸くず一本落ちていない、落ちていたら誰に言われなくても拾う──こうした当たり前のことは、私たちの満足度の証しだと思っています。満足できる仕事をして、週末には家族とゆっくり過ごす。どちらも私の人生において、とても大切な時間です。

  • 工場内は明るく清潔。つねに整然としている。

    工場内は明るく清潔。つねに整然としている。

  • 吊り下げられた服は自動で次の工程に向かう。

    吊り下げられた服は自動で次の工程に向かう。

  • 精密な縫製も自動化し、働き手の負担を軽減した。

    精密な縫製も自動化し、働き手の負担を軽減した。

  • 羽毛の充填作業も、最新設備で飛躍的に精度が向上。

    羽毛の充填作業も、最新設備で飛躍的に精度が向上。

  • 人力だった工場内の服の運搬が自動になり、負担が解消した。

    人力だった工場内の服の運搬が自動になり、負担が解消した。

  • 自動で縫製するミシン。人の手がそのサポートを行う。

    自動で縫製するミシン。人の手がそのサポートを行う。

  • 工場内は明るく清潔。つねに整然としている。

    工場内は明るく清潔。つねに整然としている。
  • 吊り下げられた服は自動で次の工程に向かう。

    吊り下げられた服は自動で次の工程に向かう。
  • 精密な縫製も自動化し、働き手の負担を軽減した。

    精密な縫製も自動化し、働き手の負担を軽減した。
  • 羽毛の充填作業も、最新設備で飛躍的に精度が向上。

    羽毛の充填作業も、最新設備で飛躍的に精度が向上。

  • 人力だった工場内の服の運搬が自動になり、負担が解消した。

    人力だった工場内の服の運搬が自動になり、負担が解消した。

  • 自動で縫製するミシン。人の手がそのサポートを行う。

    自動で縫製するミシン。人の手がそのサポートを行う。

  • 生産の機械化と人間の手作業の協働が高品質なシームレスダウンをつくります。

    李海驕(リー・ハイジャオ)さん 華利達服装集団有限公司 副社長
  • 李海驕(リー・ハイジャオ)さん
    華利達服装集団有限公司 副社長

    Tシャツの縫製の工程が約50あるとすると、シームレスダウンの工程は約200あります。工程が多いばかりでなく、高度な技術も必要です。

    私たちはこれまでにユニクロのウルトラライトダウンの生産も行ってきましたし、2015年からはシームレスダウンの生産を始めましたので、アウターについての知識や経験、技術の蓄積が豊富にあります。それでもまだ改善の余地はあるはずだと信じて、働き手の提案や声にも耳を傾けながら、日々新たな目で工程を見直し、品質の向上を目指しています。

    当社は人の命にかかわる車のエアバッグも生産しており、品質と精密さ、耐久性の高さなど、アパレル業界内にとどまらない高い評価をいただいています。

  • 生産の機械化と人間の手作業の協働が高品質なシームレスダウンをつくります。

    李海驕(リー・ハイジャオ)さん
    華利達服装集団有限公司 副社長

    李海驕(リー・ハイジャオ)さん 華利達服装集団有限公司 副社長
  • Tシャツの縫製の工程が約50あるとすると、シームレスダウンの工程は約200あります。工程が多いばかりでなく、高度な技術も必要です。

    私たちはこれまでにユニクロのウルトラライトダウンの生産も行ってきましたし、2015年からはシームレスダウンの生産を始めましたので、アウターについての知識や経験、技術の蓄積が豊富にあります。それでもまだ改善の余地はあるはずだと信じて、働き手の提案や声にも耳を傾けながら、日々新たな目で工程を見直し、品質の向上を目指しています。

    当社は人の命にかかわる車のエアバッグも生産しており、品質と精密さ、耐久性の高さなど、アパレル業界内にとどまらない高い評価をいただいています。

  • 最新技術の導入と労働環境の向上

    ユニクロの商品の生産工程は、すべてサステナビリティへの寄与が大前提になっています。労働環境の改善、CO2の排出量削減、リサイクル素材の活用など、具体的な目標を設定し、それを共有しながら、毎年のように細かな改善を重ねてきました。

    働き手の負担を減らし、効率を向上させる取り組みのひとつが、最新技術を取り入れた設備の導入です。たとえば、デジタル制御の自動裁断機は設計図をスキャンするだけで、必要となる生地を無駄なく正確に裁断します。この作業は以前、すべて手作業でした。

    羽毛を充填するのも15年ほど前までは手作業で、一日の終わりには働き手が羽毛だらけになっていたものですが、充填専用の機械を開発、導入することで、効率と正確さを高め、労働環境の向上にもつながりました。一着あたりの充填量の誤差は、約0.01グラム以下です。機械はつねに改良し、最新のものへと切り替えています。

    安定した雇用も生み出す

    アパレル業界に特有の課題として、シーズンによる閑散期と繁忙期の差があります。私たちのようなアウターを主力とする工場は、春夏商品の生産期が閑散期になりかねません。年間を通した安定的な受発注の実現は、長年の課題です。

    最新の技術や設備の導入は、そうした課題にも有益です。機械が働き手に代わって高度な技術を担うことで、アウター以外の製品への切り替え生産が可能になるからです。このように、年間を通して安定した雇用を生み出すことにも取り組んでいます。

  • シームレスダウン用のミシン

    フッ素を使わない撥水加工は、油を嫌います。羽毛が収納される、熱圧着によってつくられたブロックには縫い目がありませんが、シームレスダウンにもミシンでの縫い合わせが必要な工程もあります。

    そのときミシン用の潤滑油が生地に飛ばないよう、油をほとんど使わない特別な機種のミシンだけで作業を行っています。糸も、シームレスダウン用に独自で開発してもらっています。

    働き手は私たちの宝

    ユニクロの商品は世界中で買われています。目の前のお客様が手にされた一着のシームレスダウンと、全世界の店舗に並ぶシームレスダウンの品質は同じでなければなりません。ばらつきがあってはならないのです。品質の統一性はグローバルブランドの生命線だと思います。

    最初に申し上げたようにシームレスダウンには200ほどの縫製工程があり、たとえば熱圧着に入る前の準備段階で、人間の目と手先で整えるべき大事なポイントがあります。つまり、品質を保つために、働き手の目と感覚が重要になる場面がまだまだたくさんあるんですね。検品作業も今のところ人間の目には敵いません。

    すべてを自動化すればいいわけではなく、人間が最終的に品質を担保する。私たちが自分たちの仕事に誇りをもっているのは、こんなところでもある、と考えています。

    働き手は私たちの宝。このことを胸に、これからも進化し続ける工場であるために、改善と向上を続けてまいります。

着る人も、つくる人も──あらゆる人の暮らしがいきいきと豊かなものになるために。

ユニクロの服は、アジアを中心とした取引先工場でつくられています。働き手の健康、安全、人権が守られているか、商品の品質に問題がないか、また、発注する側のさまざまな検討課題についても、緊密なコミュニケーションをとりあっています。多様な人々がいきいきと働くことのできる環境を整え、「よい服」をつくる。「よい服」とは、シンプルで、上質で、安全で、長く使える性能をもち、あらゆる人の暮らしを豊かにできる服。私たちは服のビジネスを通じ、社会の持続的な発展に寄与できるよう、つねに課題を探りながら新たな基準をつくり、服づくりの質の向上に努めています。

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「服のチカラ」へのご意見・ご感想のほか、ユニクロのサステナビリティ活動について、ぜひ皆さまのお声をお聞かせください。

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