雨をはじいて快適、しかも安全なLifeWear。
Nov 29, 2024
NEWS
現在、国内のユニクロ全店で配布中の小冊子『服のチカラ』より、最新の撥水技術の秘密をご紹介します。
PFAS(ピーファス)とは?
PFASとは「有機フッ素化合物」の総称です。服の生地の表面にPFASを含んだ撥水剤を塗布すれば、雨や雪の水分をはじく撥水効果が生まれます。ところがPFASは自然界でほとんど分解されないため、「永遠の化学物質」と呼ばれています。たとえば土壌に流れ込んで浸透し、地下水が汚染されてしまうと、それを摂取した人に健康被害をもたらす可能性がある、と国際的な研究機関により指摘されています*。
ユニクロでは2013年、PFASを廃絶すべき物質と位置づけ、生産工程のあらゆる段階でPFASを使わない目標を定めました。以来、繊維メーカー、薬剤メーカー、縫製工場などと連携し、PFASを使わない撥水商品開発を進めてきました。
2017年に使用廃絶を達成。きっかけとなった意外な着想源とは?
満足のいく商品を開発するまで何百回ものサンプル製作を繰り返し、試行錯誤を重ねた結果、ユニクロは2017年秋冬シーズンに、すべてのPFASの使用廃絶を達成しました。撥水加工が施されている代表的な商品は、羽毛や中綿を使用した冬物アウター、ブロックテックパーカやポケッタブルパーカなどの機能性アウター、ギアショーツや暖パンなどのボトムス商品、ヒートテックグローブ・ラウンドミニショルダーバッグ・バックパック・折りたたみ傘・帽子など多岐にわたります。
PFASを使用しない商品開発のため、着想源としたのは意外にも「ハスの葉」の仕組みでした。ハスの葉はコロコロと水をはじきます。これは、ハスの葉の表面に撥水性のあるワックスのような成分が含まれているからです。さらに、すべすべに見える葉を顕微鏡で観察すると、約100分の1ミリほどの小さな突起がびっしりと並んでおり、デコボコしているのがわかります。この小さな突起があることで、水滴と葉との接地面が小さくなり、突起の谷間にある空気が下から水滴を支えようとします。水滴は玉のようになり、葉のわずかな傾斜や振動とともに、コロコロと転がり落ちてしまいます。この自然の仕組みが、高い撥水技術のヒントとなったのです。
Illustrations by Tatsuro Kiuchi
最新のシームレスダウンにご注目ください
PFASを使用しない撥水技術は、今でも進化を続けています。2024年発売のシームレスダウンは、日常生活で急な雨に降られても、高い撥水性をもつ生地が雨滴をコロコロとはじいてくれます。『服のチカラ』最新号では、どのような新素材が高い撥水性を発揮しているのか詳しく図解しています。
(左)WOMEN’S シームレスダウンパーカ
(右)MEN’Sシームレスダウンパーカ
また、特集では、シームレスダウンの生産を長年支えている中国の工場、「華利達服装集団有限公司」を訪問。労働環境、工場の最新設備、技術の核心部分など、現地で取材しました。人と機械が協働して商品が出来上がる様子は動画でも紹介しています。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/power-of-clothing/
PFAS(ピーファス)とは?
PFASとは「有機フッ素化合物」の総称です。服の生地の表面にPFASを含んだ撥水剤を塗布すれば、雨や雪の水分をはじく撥水効果が生まれます。ところがPFASは自然界でほとんど分解されないため、「永遠の化学物質」と呼ばれています。たとえば土壌に流れ込んで浸透し、地下水が汚染されてしまうと、それを摂取した人に健康被害をもたらす可能性がある、と国際的な研究機関により指摘されています*。
*Agents Classified by the IARC Monographs, Volumes 1–136
ユニクロでは2013年、PFASを廃絶すべき物質と位置づけ、生産工程のあらゆる段階でPFASを使わない目標を定めました。以来、繊維メーカー、薬剤メーカー、縫製工場などと連携し、PFASを使わない撥水商品開発を進めてきました。
2017年に使用廃絶を達成。きっかけとなった意外な着想源とは?
満足のいく商品を開発するまで何百回ものサンプル製作を繰り返し、試行錯誤を重ねた結果、ユニクロは2017年秋冬シーズンに、すべてのPFASの使用廃絶を達成しました。撥水加工が施されている代表的な商品は、羽毛や中綿を使用した冬物アウター、ブロックテックパーカやポケッタブルパーカなどの機能性アウター、ギアショーツや暖パンなどのボトムス商品、ヒートテックグローブ・ラウンドミニショルダーバッグ・バックパック・折りたたみ傘・帽子など多岐にわたります。
PFASを使用しない商品開発のため、着想源としたのは意外にも「ハスの葉」の仕組みでした。ハスの葉はコロコロと水をはじきます。これは、ハスの葉の表面に撥水性のあるワックスのような成分が含まれているからです。さらに、すべすべに見える葉を顕微鏡で観察すると、約100分の1ミリほどの小さな突起がびっしりと並んでおり、デコボコしているのがわかります。この小さな突起があることで、水滴と葉との接地面が小さくなり、突起の谷間にある空気が下から水滴を支えようとします。水滴は玉のようになり、葉のわずかな傾斜や振動とともに、コロコロと転がり落ちてしまいます。この自然の仕組みが、高い撥水技術のヒントとなったのです。
最新のシームレスダウンにご注目ください
PFASを使用しない撥水技術は、今でも進化を続けています。2024年発売のシームレスダウンは、日常生活で急な雨に降られても、高い撥水性をもつ生地が雨滴をコロコロとはじいてくれます。『服のチカラ』最新号では、どのような新素材が高い撥水性を発揮しているのか詳しく図解しています。
(右)MEN’Sシームレスダウンパーカ
また、特集では、シームレスダウンの生産を長年支えている中国の工場、「華利達服装集団有限公司」を訪問。労働環境、工場の最新設備、技術の核心部分など、現地で取材しました。人と機械が協働して商品が出来上がる様子は動画でも紹介しています。
https://www.uniqlo.com/jp/ja/contents/power-of-clothing/