Unique
Clothing

  • Episode :

    03

  • Item :

    Recycled Fleece Jacket

Text by UNIQLO

ユニークな服は常識を変える。常識が変わると生活が変わる。ユニクロが作り続けてきた、マスターピースのストーリー。

Fluffy Yarn Fleece Jackets

メンズ、ウィメンズ、キッズそれぞれに100%リサイクルペットボトル原料のボディ生地を採用。

The Ingredient

ボディ生地の原料となる使用済みペットボトル。集められ、洗浄や粉砕などの過程を経ることで、服に生まれ変わり新たな役目を果たす。

Photography by Yoshio Kato

ユニクロにおいて、最もクラシックな商品とは何か? その答えのひとつはフリースジャケットだといえる。1994年に発売、’98年には当時まだ明治通り沿いにあったユニクロ原宿店を起点にブームを起こし、スポンジフリースのジャケットはブランドの看板商品のひとつとなった。2003年には兄弟分のファーリーフリースが発売。より柔らかく、毛足立った気持ちのいい肌触りでヒット商品となる。

その歴史の中で、微細な改良が毎年幾度となく加えられ、完成形であり続けるために心血を注いできた。そして時は流れ2022年、ユニクロのフリースはほぼ“リニューアル”と呼ぶにふさわしい大きな転換期を迎えた。それが、原料にペットボトルを中心としたリサイクル素材を100%使用する、という大きな命題への挑戦である。看板商品が、これからのクラシックになるための進化の物語がここに始まった。

The Ongoing Pursuit of Perfection

完成形の次に求められるもの

そもそも、ユニクロが目指している「100%リサイクル素材」というのは何を意味するのか。ボディの生地はもちろんとして、ファスナーや微細なパーツにまで限りなくリサイクル素材を使用するのか——答えはイエス、限りなくすべてをリサイクルに変えることだ。今回、その対象に選ばれたのは、最もクラシックなメンズのフルジップフリースジャケット、メンズ、ウィメンズのファーリーフリースジャケットの3型 (「Recycled Fleece Collection」参照。キッズは生地のみ)。20年以上にわたり研究され、完成した形。それらをスタンダードとして作り続けられるように、品質を保ちながら素材をアップデートする。家でいえば建屋はそのままに、基礎の部分だけを作り変えるような作業。シンプルにして、過去いちばん難しい変更であることに間違いはなかった。

本当に信頼できるパートナーと取り組む

リサイクルフリースの生産過程は大まかに以下のような段階を踏む。まず回収したペットボトル原料を砕いて洗浄、溶かしたのち、真っ白な再生ポリエステルの原料チップにする。それをさらに溶かし、細い糸状にして紡糸する。そこから生地を編み、縫製し製品の形にするというプロセスだ。そしてリサイクル素材の肝はその初めの段階、原料回収から紡糸、生地の作成にあると言える。

まず最初の課題は、“トレーサビリティ”の確保にあった。どこで回収した、どんなペットボトルがどれくらい使われているのか。そこに責任を負わないままでは、そもそもリサイクルをする意義が失われてしまう。原料工場の中から、基準を満たす工場を絞り込むと、信頼のおけるパートナーが世界に何社か見つかり、取り組みを進めることになった。中国をはじめアジアの工場の昨今の発展は凄まじいものがある。例えば下にある写真のような壮大な設備を有する、中国は福建省にある賽隆力(サイクロン)社。回収からペレット化、紡糸まで自社設備で一貫生産をしているため、生産の過程の透明性が極めて高い。そして、今回のプロジェクトで最大の原料供給量を占めるのが、上海に隣接する蘇州市の盛虹(シェンフォン)グループ。先端設備と、傘下に信頼できる会社を多数擁するグループの力で、クリアな生産背景を担保することができる。確かな実績に裏打ちされたパートナーをグローバルで見つけ、まず最初の道は拓けていった。

賽隆力 CycloneChina

中国国内で回収された大量のペットボトルはコンベアに乗せられる。

分別し、砕かれ、洗浄を経て、再生チップに姿を変える。

再生チップを溶かし、細い糸状になって出てくる紡糸工程の一部。

本当に信頼できるパートナーと取り組む

リサイクルフリースの生産過程は大まかに以下のような段階を踏む。まず回収したペットボトル原料を砕いて洗浄、溶かしたのち、真っ白な再生ポリエステルの原料チップにする。それをさらに溶かし、細い糸状にして紡糸する。そこから生地を編み、縫製し製品の形にするというプロセスだ。そしてリサイクル素材の肝はその初めの段階、原料回収から紡糸、生地の作成にあると言える。

まず最初の課題は、“トレーサビリティ”の確保にあった。どこで回収した、どんなペットボトルがどれくらい使われているのか。そこに責任を負わないままでは、そもそもリサイクルをする意義が失われてしまう。原料工場の中から、基準を満たす工場を絞り込むと、信頼のおけるパートナーが世界に何社か見つかり、取り組みを進めることになった。中国をはじめアジアの工場の昨今の発展は凄まじいものがある。例えば下にある写真のような壮大な設備を有する、中国は福建省にある賽隆力(サイクロン)社。回収からペレット化、紡糸まで自社設備で一貫生産をしているため、生産の過程の透明性が極めて高い。そして、今回のプロジェクトで最大の原料供給量を占めるのが、上海に隣接する蘇州市の盛虹(シェンフォン)グループ。先端設備と、傘下に信頼できる会社を多数擁するグループの力で、クリアな生産背景を担保することができる。確かな実績に裏打ちされたパートナーをグローバルで見つけ、まず最初の道は拓けていった。

盛虹 ShenghongChina

自動化が進んだ工場内の糸を撚る工程。常にクリーンな環境が保たれている。

機械の内部。

紡糸工程の設備。再生チップから姿を変えた糸が精密に巻き取られていく。

完成した再生ポリエステル糸ロール。

Endlessly Reaching for 100%

限りなく100%に近づけていくこと

Photography by Yoshio Kato

生地のもととなる糸は確保できた。そこからは編んだファブリックの質感を、バージンポリエステル製のそれにひたすら近づけていく作業の繰り返しが待っていた。ファーリーフリースの一部は、昨シーズンから30%分のリサイクル素材を使用していたが、それは肌に触れない編み生地のベース部分の話。今回は肌触りを左右する起毛部分まで新素材で開発しなければならない。スポンジフリースに関しては0からのスタート。いくら質の高い素材でも、その特性上どうしてもバージンより少し硬い印象になってしまう。ただ、フリースに求められる気持ち良さだけは絶対に失ってはならないと、目付を増やしたり、風合いを何度も検証し、やっと納得のいく質感にたどり着く。

小さなパーツまで 
こだわり抜くという美学

それと並行してもうひとつ立ちはだかったのがファスナーの開発だった。市場を見回してもここまでリサイクル素材を使用している製品はまだ少ない。しかし、100%に限りなく近づけるには避けては通れぬ道。メーカーに半ば断られかけながらも、何度も交渉を重ねて誕生したのが、メンズのフルジップフリース、メンズとウィメンズのファーリーフリースに使用した全く新しいリサイクルファスナーだ。例えばテープや、ジップの歯の部分、スライダーと呼ばれる開閉のために動かす金属部分にも再生素材を使用している。こうして、その他いくつかの小さなパーツを除き、限りなく100%に近いリサイクル素材使用のファスナーが完成した。一方、今回リサイクル化を達成できなかった部分も残されている。そのひとつが各パーツを縫い合わせる縫製糸だ。長く着てもらえるような強度を満たす素材の開発がどうしても間に合わなかったこういったパーツが、今後の挑戦への課題となっていく。

満を持して、リサイクルフリースは世に出ていく。ぜひ店頭で実物を触ってみてほしい。そこで抱くのは「去年とあまり変わらない気がする」という感想かもしれない。しかしそれはきっと今回は最大の褒め言葉である。ケアラベルにひっそり追加された“RECYCLED POLYESTER”の文言。言わなければ気づかないようなことを愚直にひとつずつ、いい方向に変えていく。それが作り手が持つべき、これからのクラシックを生み出すための条件ではないだろうか。

100%リサイクル素材のファーリーフリースの生地。柔らかな肌触りと鮮やかな発色を両立。

メンズのフルジップフリースに使用しているコイルファスナー。プーラーの持ち手には廃材を利用したTPU素材を使用。

メンズのフルジップフリースジャケットのケアラベル。リサイクルフリースの証であるこのラベル自体も、100%リサイクルポリエステル素材でできている。

Recycled Fleece Collection

2022年のリサイクルフリース

Photography by Yoshio Kato

Fleece Full-Zip
Long Sleeve Jacket

通称スポンジフリースと呼ばれる生地を使用した、最もクラシックなスタイルのジャケット。パイピングやタグのような小さなパーツにもリサイクル素材を使用。今季はレトロなカラーリングで展開。

Fluffy Yarn Fleece Jackets

長い毛足による抜群の肌触りと柔らかさを備え、保温性の高いミッドレイヤーとしても、家でくつろぐためのウェアとしても真価を発揮する。彩りのポップさも魅力。

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