Unique Clothing

Photography by Yoshiio Kato
Text by UNIQLO

Episode

01

Ultra Light Down

ユニークな服は常識を変える。常識が変わると生活が変わる。
ユニクロが作り続けてきた、マスターピースのストーリー。

2009 First Edition

初代、2009年当時のULD。今よりシャイニーでキルト幅が太いが現行に引けを取らぬ軽さ。

「そこにエベレストがあるから (Because it’s there. )」。

世界的登山家ジョージ・マロリーがエベレストに登る理由を問われ、こう答えたのはあまりにも有名な話であるが、彼が深く信頼していたもう一人のジョージ、ジョージ・フィンチという男を知っているだろうか。彼こそが山の寒さから体を守るため、1922年に世界で初めてダウン入りのジャケットを着たとされている人物である。

そこから約100年の月日が過ぎ、いまやダウンジャケットは、都市生活に欠かせない現代のエッセンシャルに進化を遂げた。軽く、暖かく、動きやすく。そのすべてを兼ね備えるべく、羽毛を包む“ダウンパック”を限界まで排除した新しいアウターとして2009年に登場したウルトラライトダウン、通称“ULD”。

アウトドアの道具を、誰もが手に取れる今日のLifeWearへと変えた、ユニークであり続けるための服づくりとは。

2021 Latest Edition

ミリタリーのライナーに着想を得たウェーブキルトの最新作。スナップボタン、ミニマルなサイドポケットを採用。

Testing the Limits of
Lightness and Comfort

ダウンジャケットはどこまで軽く、
快適になれるのか。

「ダウンをコートの中に着る? それはありなのかな……」

2009年、初代ULD(当時はプレミアムダウン ウルトラライト)を発売し、その次なる改良を目論むユニクロ社内では、そんな会話がされていたはずである。抜群に軽い新世代のダウンとして好評を得た初代。その軽さと薄さはそのままに、キルト幅を細めて薄く仕上げれば、アウターの中にも着られるはず、そう考えたのだ。当時、軽量ダウンやインナーダウンという考えはまだまだ一般的でなく、一部の本格派アウトドアブランドが提案する前衛的なものという認識が強かった。しかしユニークな視点をもち、そこに暮らしを豊かにするチャンスを見出したのだ。2010年に発売した、インナーとしても着られる細いキルトのULDは、時代を切り拓き続ける進化の第一歩であった。

“抜け目”なきダウンジャケットを
追い求め続ける。

そもそもULDという規格には、明確な定義がある。

「極細20Dの原糸を織った生地を使うこと。ダウンパックの不使用。ダウン90%、フェザー10%の混率であること」

通常ダウンジャケットは羽を閉じ込めた小さな内袋“ダウンパック”がボディのキルティングに収納される二重構造であるが、ULDはその内袋を排除。生地量そのものを減らし、さらに毛髪の10分の1の極細糸からなる、超ライトな生地を使用することで、圧倒的な軽さを実現している。

しかし、包んでいた袋をなくせば、ダウンは生地の目の間を抜けて逃げ出してしまう。せっかく高品質で暖かな羽毛を詰めても、それが飛び出すようでは快適な服とは呼べない。そこで生地の織り目をより密にする、熱と圧による特殊加工を施した。それに飽き足らず、生地の原糸をより密に編める形状へ変更したり、直近では羽毛が飛び出す原因の一つである静電気対策として、静電防止裏地をほとんどのモデルに使用するなど、目に見えない部分が今も磨かれ続けている。

2020年には、回収したULDの羽毛を再利用したリサイクルダウンを発売、サステナブルな物語も動き出した。そして今年、3Dカットやウェーブキルトをはじめ、見た目にも大幅な進化を遂げたULD。なぜこうもアップデートし続けるのか。理由を問われれば、その答えはきっとこうであろう。

「そこにULDで豊かにできる生活があるから」

1. 2010年のULDジャケット。上の2009年モデルに比べ、キルティングがかなり細い。 2. キルトの断面。ダウンパックがないため、表地と裏地の間に直接640フィルパワーの羽毛が入っている。 3. 生地に使われている極細20D原糸の断面

2021 Fall & Winter
ULD Collection

最新のULDコレクション

1. Ultra Light Down Jacket (3D cut)

2. Ultra Light Down Vest

3. W’s Ultra Light Down Long Vest
(UNIQLO × Theory)

4. W’s Ultra Light Down Parka

5. W’s Ultra Light Down Relaxed Jacket

1. 従来のセットインスリーブではなく、肩回りからアームホールに3Dカットを採用。腕回りの可動性が上がり、よりアクティブに。 2. 幅広キルトでダウン分量を増やした、アウターとして着やすいボリューミーなモデル。 3. Theoryとのコラボレーション(10月発売予定)。ウェーブキルト、サイドスリットなどディテールに凝ったモデル。 4. キルト幅を下に向かい徐々に広げることで、視覚効果によりウエストやバックスタイルが美しく見える。 5. ダイヤ風キルトを、ULD史上最も薄く柔らかな生地で仕立てたリラックスフィットの一着。

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