Edinburgh:
Old City,
New Style
石畳、旧市街、城、歴史ある大学。クラシックな景観のすぐそばには、インディペンデントなショップ、そしてスコットランド初となる、ユニクロの店。今季、コレクションの着想源のひとつになったエディンバラの街と、そこに暮らす人々が着こなす秋のLifeWear。
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Katie Lambertケイティ・ランバート
Owner, The Coffee Cabinet
Finnan McLeanフィナン・マクリーン
Founder, Spaceboy Coffee
Darren Wilkieダレン・ウィルキー
Founder, flam Homewares
Hugo Macdonald & James Stevensヒューゴ・マクドナルド&ジェームス・スティーブンス
Co-founders, Bard
Rita Garciaリタ・ガルシア
Student
Grace Dempseyグレース・デンプシー
Musician, Model, Youth Worker
Sarah Walkerサラ・ウォーカー
Florist, Co-founder of Ochre
Cameron Angusキャメロン・アンガス
Graphic Designer, Assai Records Staff
Life in Edinburgh
人々を魅了する天気と光
Text by Hugo Macdonald
悪天候の多い旅先でよく言われる言葉がある。「悪天候というものはない。ただ服装が間違っているだけなのだ」。エディンバラもそんな場所のひとつだ。そして、ストイックでロマンチックな住民である私たちは、その天候がもたらす筋書きのひねりやロール、パンチに夢中になっている。この地を訪ねる人は「1日のうちに4つの季節があるのかい?」と果敢に問いかけるが、私たちは「1時間ごとに違う季節がやってくるよ」と答える。どんな事態にも対応できるように、一枚多く着込んでおくんだよ、と。
エディンバラで生活していると、都市生活の4つ目の次元である風雨を乗り切る術をすぐに学ぶことができる。その結果、私たちは豊富なワードローブを持っていて、ユニクロが街にできたことは興奮と安堵の中で受け入れられた。夏の日はたいてい、霧に包まれて始まる。フォース湾からやってくる霧で、私たちが「The Haar(海霧)」と呼んでいるものだ。8月に冬用コートに身を包んだ通勤客を見かけることも珍しくない。でもみんなが職場に着くときにはその「The Haar」がすっかり吹き飛ぶ、というのがエディンバラの天気の神様のユーモアなのだ。肌寒い雲が蒸発すると、気温は数分のうちに10度も上昇する。エディンバラのローカルたちは、こんな劇のような状況に対応するため、厚着し、それをどんどん脱いでいく。家、オフィス、公共スペースなど、私たちが過ごす場所のいたるところに服が置いたままになる。そのため、私たちのワードローブは行ったり来たり混ざり合い、ときにカルマのように、借りては返すという終わりのないゲームに巻き込まれている。サイズが合えばだが……。
この街の光は、住民や観光客を魅了してやまない。それは、フォース湾に挟まれ、7つの丘にまたがって広がる地形の複雑さ、そして北半球の緯度に起因する。彩度も温度も冷たい光だ。積乱雲を貫き、水面に跳ね返り、ミルキーなオーラを放ちながら街に降り注ぐ。そのことはエディンバラに不思議と映画のような雰囲気を与え、人々はまるでセットや舞台の上にいるかのように振る舞い、いつもクローズアップされる姿勢をとっている。そこで見られ、賞賛され、写真に撮られ、撮影されるために服を選んでいるのだ。
ストリートライフは活気にあふれている。8月いっぱいと、その4ヵ月後にはホグマネイ(大みそか)と新年を祝う、世界で最も有名な2つのフェスティバルがある。そして、人々が楽しみを分かち合おうとドアをノックしてこない時期は、私たちは思い思いに通りや庭、山や浜辺を楽しんでいる。パブやバーやレストランの外では、互いに自慢し合ったり、見せびらかしたり、着飾ってみたり。それに、エディンバラには至る所に美容室がある。良くも悪くも、私たちは身だしなみにとても気を使うし、季節ごとのイメチェンが大好きなのだ。
冬は全然日が出ないように感じたり、夏はずっと暗くならないように感じたり。ここにエディンバラの魅力がある。暗さと明るさ、古さと先進性、チャーミングさと生意気さ、騒々しさと優しさ。比較的小さな首都でありながら、世界の中で大きな存在感を示しているのは、雨の日も晴れの日も、あるいはその間のどんな天候であっても、私たちが人生を、ジャケットのラペルを正すかのようにつかみ、上手に楽しんでいるからなのだ。
Hugo Macdonaldヒューゴ・マクドナルド
co-founder of Bard
上で出演してくれたヒューゴはエディンバラに住んで3年目。デザイン評論家、キュレーター、コンサルタントとして活動しながら「Bard」を営む。以前は『Monocle』誌のデザイン・エディターを務め、『Wallpaper*』や『Apartamento』『Kinfolk』などの雑誌に寄稿も。
Illustration by Harper Ouk
- Photography by Kohei Kawashima
- Styling by Mitsuru Kurosawa
- Hair & Makeup by Karen Shields
- Coordination by Tatsuo Hino, Keita Hiraoka
- Film by Amin Shaikh
- Text by UNIQLO
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