
ニッチに置かれた花瓶
ヤン・ ファン・ハイスム
作者ヤン・ ファン・ハイスムは、花の静物画の伝統的なモチーフを使用しているが、愉快なアシンメトリーと鮮やかな彩色により、さらに豪華で装飾性あるものに昇華させている。様々な種類の花が見せる開花期最後の姿が、自然の本物らしさを再現しようとする入念さをもって描かれている。この作品は、この世の無常の観念を表していると考えることもできる。これらの花の美しさはやがて終わりを迎え、露が生命の儚さを象徴し、蠅たちが、いずれ訪れる腐敗を予兆している。
Vase of Flowers in a Niche / Jan van HUYSUM
© RMN-Grand Palais (Musée du Louvre) / Tony Querrec