
2021年秋冬コレクションのインスピレーション源やコンセプトへの想いを黒河内真衣子にインタビューしました。
今回のコレクションで表現したいこと、コレクションのカラーパレットの考え方について教えてください。
このコラボレーションにおいて、ベーシックな色味を使うことをひとつの大切な柱と考えています。冬のシーズンに着用できて、あたたかみを感じるウォームグレーを基調としたカラーパレットは、シンプルなアイテムを際立たせる色だと考えました。

素材選びなど、冬に身に着ける下着を作る上で意識したことはありますか?
外気と暖房の気温差がある現代の私たちの生活を意識し、重ね着することによって汗ばむ冬でも快適に着用できるものをユニクロのエアリズムコットン素材で追求しました。また、ユニクロが有する3Dニットの技術を用いて、身体のラインに立体的に沿うシンプルなタートルネックニットのデザインを試すことができたのは良い経験でした。
「下着と洋服をボーダレスにする」というコンセプトは、冬のコレクションではどのように反映されていますか?
厚着をするシーズンの中で、例えば暖房の効いた室内では厚手のセーターでじっとりと汗ばむ。そのような時に、ニットを脱いでもインナーの恥ずかしさを感じさせないもの、インナーウェア自体が美しくあることを意識してコレクションを作りました。カッティングに工夫を加えたセーターは自信を持って着ることができ、上に着るアウターの選択肢をインナーウェアによって広げることができるのがこのコレクションの意図であり、ボーダーレスの考え方です。

今回の大きなチャレンジはどういうところにありましたか?
タートルネックの開発にはとても時間をかけました。タートルネックのセーターは私にとっても、おそらく皆さまにとっても冬の定番なのではないかと思います。ベーシックな形でありながら、3Dニットにより身体を立体的に美しく見せること。カーディガンについても言えることですが、「シンプル」であることのアップデートを試みました。
また、洋服のカッティングと、それにより際立つ女性の体そのものの美しさを捉えながら、自然界に存在する柔らかな曲線と共に礼賛すること。そして世界中の人々へ本コレクションを届けることを常に意識しています。

春夏コレクションで大きな反響がありました。改めてユニクロとのコラボレーションで考えたこと、感じたことをお聞かせください。
女性の日常の中で、最も身近な下着からライフスタイルを担えるのはとても幸福なことです。美しく、より快適なコレクションで女性の背中を押すために、細かなアップデートや微調整を繰り返すことで、より強度のあるコレクションを作ることがとても大切だと感じています。