
コレクションのインスピレーション源やお気に入りのアイテムをジョナサン・アンダーソンにインタビューしました。
デザイナー ジョナサン・アンダーソン インタビュー
今回のコレクションのインスピレーションはどのようなものですか?お客様に伝えたいメッセージは?
ロックダウンが始まったころ、私は幸運なことに、ロンドンの自宅の庭など屋外で時間を過ごせる環境にありました。今回のコレクションは、新たな始まり、そして春がもたらす再生がインスピレーションになっています。当時、SNSに花の写真をバックにこんな言葉を投稿したことがありました。「Keep Looking Up(上を見上げていよう)」。それが、私がお客様に伝えたいメッセージです。
今回のコレクションのカラーはどのように作り上げたのですか?全体的なムードは、どのようなものでしょうか。
カラーは、自然や大地を感じさせるもの、かつ、軽やかさがあり控えめなものにしました。春という季節や前向きな心を連想させる、穏やかなムードです。気持ちがほっとするような心地よい色になっていると思います。
今シーズン、刺繍に注目したのはなぜですか?
私は、工芸や手仕事といったものをこれからも大切にしていかなければいけないと考えています。今回も、コレクションを通してその考えを表現する方法を探っていました。ブランケットステッチは、まるで何世代も前のだれかが手仕事で作ったもののような雰囲気を作り出してくれますし、刺繍はおばあちゃんがひと針ひと針縫ったもののように感じられます。実直で、安定した心地よさがあるのです。ロックダウンが始まって、手作りに興味を持つ人が増えたと思います。刺繍をコレクションに取り入れることで、そのような変化を反映できるのではないかと考えました。
ワンピースやオーバーサイズシャツなど、本当に素敵なアイテムがたくさんあります。シルエットは、どのように決めたのですか?
今シーズンはとにかく、カラーとの調和、そして穏やかで心地のよいワードローブでありながら、同時にJW ANDERSONらしいエッジの効いた個性を失わないようにすることを考えて、シルエットを決めていきました。シルエットは、JW ANDERSONというブランドにとって重要なDNAの一部です。それを、コラボレーションを通してユニクロとシェアしていきたいという思いがあります。
今回のコレクションを着るお客様に、何を感じてほしいですか?
これから引き続き家の中で過ごす人もいれば、以前のような生活に戻っていく人もいるでしょう。いずれの場合でも、これまで以上に服を着ることで前向きな気分になってほしいと願っています。どんなコーディネートでも、ジェンダーや個々の価値観に関係なく、服を着ることで自信を感じてほしい。心地よく、ハッピーで、堂々とした気分になっていただきたいです。
今回のコレクションで、お気に入りの一枚はどれですか?
私はユニクロのTシャツが大好きなんです。毎日ユニクロのTシャツとニットばかり着ているくらい。今回のコレクションでは、ブランケットステッチのTシャツがすごく気に入っています。定番としての安定感があるし、汎用性が高い点も私にとっては大きなポイントです。ファッションの仕事が大好きで、毎日洋服とデザインのことばかり考えているので、せめて自分が着る物については、何というか、あまり考えすぎずにいたいんです。