100とは

エクストラファインコットンワンピース

エクストラファインコットンワンピース

似ている二人

六歳の娘の名前はニコ。彼女はとてもシャイで友だち作りが苦手だ。けれども、一度心が打ち解けると、どんなことでも思うままに話してくれる面白い子だ。

遊び疲れて、セントラルパークのベンチに座って、のんびりと休んでいるときのことだ。

「私ね。お父さんとお母さんってとても似ていると思うの。ほんとうは兄妹なんじゃない?」とニコは言った。

ニコはときおり、こんなふうにポツリと意味深なことを言い出すことがあった。

「どうしてそんなふうに思うの? 何が似ているのかな?」

「だって、お父さんもおかあさんも、時々、遠くを見ている目をしているよ。それが似てるのよ」

「遠くを見ている目?」

「うん、そう。さっきもそうしていたよ」

常々、子どもの観察力というのは鋭いものがあると思っているが、ニコが僕とアシャのことをそんなふうに見ていたのかとびっくりした。

夫婦というのは、だんだんと似てくるという話を聞いたことがある。それは二人の関係がよい証拠らしいが、僕とアシャがふと見せる、遠くを見つめる目が似ているというのは、言われて納得するところがあった。

僕自身、アシャと一緒にいるとき、彼女がぼんやりと遠い目をしている姿を見て、その表情というか、横顔に美しさのような魅力を感じていたからだ。

そんな時、何を考えているの?と聞きたくなるのだが、何を思い出しているの?というのがきっと正しいのだ。しかし、ある種、時空を超えて、人がいつかの思い出に耽っているひとときの邪魔をするなんて僕にはできないししたくない。僕自身そんなひとときくらいしあわせを深く感じることはないからだ。

おやつのスナックを買いに行っていたアシャが戻ってきたのが遠くに見えた。その日のアシャはブルーのストライプのシャツドレスを着ていた。

その姿を見て、素直にすてきだなと思い、ブルーのストライプが好きだというのも、僕とアシャが似てることのひとつだと気づいた。

似ている二人 ストーリーイメージ

そして、僕とアシャがニューヨークで再会した日も、たしかアシャはこのワンピースを着ていたことを思い出した。

アシャは僕とニコに手を振りながら歩いている。

そうだ、あの日もアシャは僕に手を振りながら道の遠くから歩いてきたのだった。

エクストラファインコットンワンピース

今っぽさを詰め込んで

オーバーサイズシルエットでトレンド感ある着こなしが楽しめる、エクストラファインコットンAラインワンピースです。しっかりと厚みのある上質な生地は肌ざわり抜群のコットン100パーセント。生地加工によりシワになりにくいのがポイントです。

身長や体型は人によってさまざまですが、あらゆるお客様にとってパーフェクトなドレスを目指しました。中でもAラインのフォルムは、トップスとの対比を見ながらバランスを決定。前シーズンよりも丈を長くし、より幅広いお客様に楽しんでいただけるアイテムに仕上げました。

エクストラファインコットンワンピース
エクストラファインコットンワンピース

身長や体型は人によってさまざまですが、あらゆるお客様にとってパーフェクトなドレスを目指しました。中でもAラインのフォルムは、トップスとの対比を見ながらバランスを決定。前シーズンよりも丈を長くし、より幅広いお客様に楽しんでいただけるアイテムに仕上げました。

エクストラファインコットンワンピース

おそろいの服で

春の陽光がまぶしい朝、僕とアシャは、僕らが大好きだったニューヨーク近代美術館(MOMA)の入り口で待ち合わせをした。

アシャは照れくさそうな顔をしながら、手を振りながら駆け寄り、「久しぶり!」と言って僕に抱きついた。

「あらいやだ、私たち、示し合わせたようにおソロいね」とアシャは言った。

アシャはブルーストライプのシャツドレスを着て、僕は同じ柄のしかも同じコットン素材のボタンダウンシャツを着ていた。

「恥ずかしいな。どこかでシャツを買って、着替えようか」

「いいのよこれで。ずっと会っていなかった二人が五年ぶりに再会した時、同じ柄の服を着ていたっていうのは奇跡というか、すごいことよ。何事も照れない。これはあなたが昔教えてくれたことよ」

アシャはそう言って僕の手を引っ張って歩き出した。

「あらまあ、すてきなカップルね。ちょっと写真を撮らせてもらっていいかしら」

観光客のマダムがそんな僕らを見て声をかけてきた。

「もちろんいいですよ。きれいに撮ってください!」

アシャは僕の肩に手をまわしてポーズをとった。

「ほんとすてきね。おそろいの服を着て、まるで兄妹みたい」とマダムは言って、数枚シャッターを切った。

「私ひさしぶりにポロックを見たいわ。ね、見に行きましょう」

僕とアシャは、MOMAの四階ギャラリーに飾られていた、アクション・ペインティングのジャクソン・ポロックの絵が大好きで、よく見に行っていた。 MOMAは、ポロックの絵をどこの美術館よりも数多く所有しているから、ポロック好きの僕らにとって、MOMAは夢のような場所だった。

とはいえ、美術館がオープンする10時30分まで、まだ時間があった。

おそろいの服で ストーリーイメージ

「それまで、『あそこ』でドーナツとコーヒーにしよう」

「いいね、『あそこ』ね!」

僕とアシャが「あそこ」というのは、MOMAのすぐそばにある、よく二人で行った24時間営業のコーヒースタンドだった。「あそこ」でわかりあえる、二人だけのお気に入りの店があるという、忘れかけていたしあわせを僕は噛み締めた。

コーヒースタンドで僕とアシャは、いつものように甘いチョコレートドーナツひとつを半分ずつに分け、大きなマグカップに注がれた熱々のコーヒーを味わった。

横に座ったアシャを見ると、「帰ってきたわ……」とつぶやき、なんだかとっても落ち着いた様子で、ぼんやりと遠い目をしていた。

エクストラファインコットンワンピース

頼りになる存在

前立ての比翼仕立て、襟の大きさ、襟元の開き、肩幅など全てのバランスを考慮したデザインは、シーンを選ばない強い味方。狭めの肩幅はボディラインにきれいにフィットするので、女性らしく着こなせていただけます。

スニーカーと合わせてカジュアルに、バレーシューズと合わせてシックにも。忙しい朝でも1枚着ればサマになり、スキニーやレギンスとのレイヤードもおすすめです。エアリーでエレガント、ワードローブにスタンバイさせておきたい自慢のLifeWearです。

エクストラファインコットンワンピース
エクストラファインコットンワンピース

スニーカーと合わせてカジュアルに、バレーシューズと合わせてシックにも。忙しい朝でも1枚着ればサマになり、スキニーやレギンスとのレイヤードもおすすめです。エアリーでエレガント、ワードローブにスタンバイさせておきたい自慢のLifeWearです。

いつもの服を着て、
大好きな人に会いに行く。
すごくうれしい。

松浦弥太郎
エクストラファインコットンワンピース
080 WOMENエクストラファイン
コットンAライン
ワンピース
(ストライプ・7分袖・
丈標準103.5~113.5cm)
閉じる

LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

閉じる閉じる