100とは

フランネルパジャマ(長袖)

フランネルパジャマ(長袖)

大好きなパジャマ

僕とアシャは付き合いはじめて三カ月経っていた。

「日本の着物を着ている夢を見たわ……」

ある朝、ベッドの中で、真っ白なシーツにくるまれて、猫のように丸まっていたアシャが言った。

「着物を着たことあるの?」

「一度もないけど、夢の中で普通に着ている自分がいたの。きちんと帯をしていたわ。洋服を着ている人の中で、私だけ着物を着ているのよ。そんなおもしろい夢だった」

きらきらした朝陽が、風でふわふわと動くカーテンに模様をつくっていた。

「ねえ、昔の日本人って寝る時に何を着ていたの? 着物?」

ベッドから手を伸ばし、カーテンのはじっこを指でつまんで遊びながら、アシャは言った。

「昔の日本人は浴衣っていう、コットンの薄い生地で作った着物で寝てたと思う。着物は襦袢という下着を中に着るけれど、浴衣は肌に直接着るんだ。もともとはお風呂に入ったあとに着る部屋着だけど、今では夏の外出着として着られるようになってるよ」

「浴衣って知ってる! 写真で見たことあるわ。そっか、日本のパジャマは浴衣なのね。下には何も着ないんだ。気持ち良さそう!」

アシャはなんだか嬉しそうだった。

「まあ、でも、今、浴衣を着て寝ている人って少ないと思うよ」

「私、パジャマって大好き。パジャマを着るって、眠るためのおしゃれな気がするし、なんだかわくわくするの。さあ、これからぐっすり眠るよっていう、そのためのパジャマって、肌ざわりと着心地がとびきり良くて、一番らくちんな服だもの。日本人が浴衣で外出するのもわかる気がする。私もパジャマで出かけたいもの!」

「さすがにパジャマで歩いている人はいないよね。アハハ」

僕が笑いながらそう言うと、「確かに!」と言ってアシャも笑い転げた。

大好きなパジャマ ストーリーイメージ

「でも、外も歩けるパジャマってあったらほしいかも。おしゃれなセットアップとして。そう、たとえば夢の世界を旅する服とか」

そう言うと、アシャはベッドの横に置いてあったノートを開いて、ニコニコしながらアイデアらしきメモを書いた。

「眠るための服って、なんてすてきなんだろうと思うわ」

アシャはそう言って、大きな枕を抱き寄せてベッドの中でもう一度丸くなった。

フランネルパジャマ(長袖)

極上のリラックスタイムを

冬のリラックスタイムにぴったりなパジャマです。素材は柔らかなフランネル。コットン100パーセントで、ふんわりと起毛させた心地よい肌ざわりが自慢です。

眠っているときの動きを妨げないゆとりと、立体的なパターンでスッキリ見えるシルエットもポイント。また、襟のデザインは開襟とシャツ型どちらの襟の形にするのかをギリギリまで悩んで、首元の保温に適しているシャツ型を選んだエピソードは、ここだけのおはなし。

フランネルパジャマ(長袖)
フランネルパジャマ(長袖)

眠っているときの動きを妨げないゆとりと、立体的なパターンでスッキリ見えるシルエットもポイント。また、襟のデザインは開襟とシャツ型どちらの襟の形にするのかをギリギリまで悩んで、首元の保温に適しているシャツ型を選んだエピソードは、ここだけのおはなし。

フランネルパジャマ(長袖)

おそろいのパジャマ

「女性のナイトドレスっていうのもかわいいけれど、私はやっぱりパジャマがいいな。あなたの好みはどっち?」

アシャはいたずらな目をして僕に言った。

「ベッドの中だけならナイトドレスも悪くないけれど、どちらかというと、やっぱりパジャマのほうがいいかな。ナイトドレスって言葉の通り、夜のドレスだから……」

「アハハ、あなた正直ね!」

アシャはベッドの中で手足をバタバタさせて大笑いした。

「ねえ、パジャマを買いに行かない? 私、好きな人とおそろいのパジャマで眠るっていうのが夢なの。ね、いいでしょ?」

「二人で眠るときだけ、おそろいのパジャマを着ましょうよ。ね?」

嬉しいけれど、僕はなんだか照れくさい気持ちもあって返事に困った。

「嫌?」

「別にいいけど……」

「なんだか返事が曖昧ね。どっち?」

「イエスかノーかはっきり言って。別にいいけどっていうのは返事じゃないわ」

アシャは少し怒ったように言った。

「嫌じゃないからイエスだよ。ちょっと恥ずかしかっただけだよ」

「二人の間で照れてどうするの? 私はあなたが好き。あなたも私が好き。二人だけのプライベートな話をしているのに、まったくもう!」

へそを曲げたアシャは、ベッドの中で僕にくるっと背中を向けた。

おそろいのパジャマ ストーリーイメージ

「チェック柄とストライプ柄、無地、アシャはどういうのが好き? 僕はチェック柄が好き」

僕がそう言うと、アシャはくるっと向き直って、「私もチェック柄!」と言った。

「襟はあったほうがいい! これからの季節にはフランネルが絶対いい! サイズはちょっと大きめがいい! だって、そのほうが楽だし、ダボッとしてるほうがかわいいし、あとパイピングもあったほうがいいし……」

アシャは、そんなふうに、あれもこれもと自分の好きなパジャマの条件を並べて、「パジャマを買いに行きたいー!」と言った。

アシャが言うように、パジャマって、安らかに眠るという、ささやかなしあわせを大切にするための服なのかもしれない。そして、好きな人とおそろいのパジャマを着て眠るって、夢にように嬉しいことだと僕は思った。

「そろそろ起きよう」と僕が言うと、「もう少しベッドでお話したい」とアシャは言った。

僕はアシャを引き寄せて、額にキスをした。

フランネルパジャマ(長袖)

パジャマの新しい提案

今期はラウンジウェアとしてだけでなく、いつものコーディネートにお使いいただけるよう、細部のデザインまでこだわりました。

たとえばボタンホールの形状。第一ボタンはヨコ、第二ボタン以下をタテにすることでボタンがしっかり留まってズレにくく、あたたかく着用いただけます。ボトムスのウエストにはヒモを通してイージーパンツ仕様に。シャツ襟のパジャマトップスにはデニムやチノ、パジャマボトムスにはニットやスウェットなどを合わせてデイリーにも楽しんでいただけます。

フランネルパジャマ(長袖)

たとえばボタンホールの形状。第一ボタンはヨコ、第二ボタン以下をタテにすることでボタンがしっかり留まってズレにくく、あたたかく着用いただけます。ボトムスのウエストにはヒモを通してイージーパンツ仕様に。シャツ襟のパジャマトップスにはデニムやチノ、パジャマボトムスにはニットやスウェットなどを合わせてデイリーにも楽しんでいただけます。

眠るための、
おしゃれって、
すごくうれしい。

松浦弥太郎
フランネルパジャマ(長袖)
059 WOMENフランネル
パジャマ
(チェック・長袖)
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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