100とは

EZYスキニーフィットカラージーンズ

EZYスキニーフィットカラージーンズ

今どこに立っているのか

横になったまま窓を見上げると、朝の空はどこまでもきれいに澄みきっていた。

指の先が触れたので手をつなぐと、アシャは指と指をしっかりとからませて「おはよう」と言った。

「おはよう……。今日はいい天気だね」

「うん、暑くなりそうね。よく眠れた?」

「うん、眠れた。アシャは?」

アシャはつないだ手にぎゅっとちからをいれて「もちろん」と言って微笑んだ。アシャの甘い香りが鼻をくすぐった。

「リンカーンって好き?」

アシャは突然僕に聞いた。

「リンカーンって大統領の?」

「そう、エイブラハム・リンカーン。わたしニューヨークに来て、はじめてリンカーンの伝記を読んだの。そしてとても好きになった。『自分が今、どこに立っているかを知って、これからどの方向に向かおうとしているかを知ることができたら、何をどうやってするべきかのよい判断をきっと下せるはず』という彼の言葉に、はっとしたの。それからいつも考えたわ。自分は今どこに立っているのか、そして、どこの方向に向かおうとしているのかとね」

「リンカーンって、たしか木こりだったんだよね。その考えは森の中で気づいたのかな。深い言葉だね」

「そうよ、彼は木こりなのよ。そこがすごいところ。あと彼は、猫とりんごとイソップが大好きだったのよ。わたしも猫とりんごとイソップが大好き。あなたは?」

アシャは身体を起こし、僕の手を引いて顔を向き合わせた。

「猫とりんごとイソップかあ。僕も好きだな。『北風と太陽』って知っている?」

「知ってる! どんなことも、ちからまかせにやってもうまくいかないって話よね! 旅人の服を脱がすのに、ちからでは無理っていう教えね」

僕とアシャは、自分たちが知っているイソップの寓話をあれこれと話して楽しんだ。

今どこに立っているのか ストーリーイメージ

「リンカーンって、大切なことを人々に面白く話すのが得意だったから、それはきっとイソップから学んだのよね」

「すごいなあ。リンカーンって」

「ねえ、あなたは今どこに立っているの?そして、どの方向を向いているの?」

アシャは僕の腕の中でこう聞いた。

自分は、今どこに立って、どの方向を向いているのだろうか? 僕は窓から見える青い空を見つめてぼんやりと考えた。

「わたしとあなたは、きっと違った場所に立っているはず。だけど、向いている方向が同じでありたい。そうだったら嬉しいなと思って……」

アシャはそう言って、僕の腕に頬を乗せた。

EZYスキニーフィットカラージーンズ

新感覚の新素材

本格的な5ポケットジーンズのディテールと、新感覚の穿き心地を両立させたEZYカラージーンズ。表地はベルベットのような深い光沢が魅力。ストレッチ性のあるサテン素材を使用し、微起毛加工することで上質な表情が生まれました。

生地段階で横糸(肌面にあたる糸)にコットン/レーヨンの混紡糸が配置されるように設計し、肌面にあたる風合いにも拘りました。さらにウエスト内側にはゴムを、フロント内側にはウエストコードを配置。快適で絶妙なフィット感がポイントです。

EZYスキニーフィットカラージーンズ
EZYスキニーフィットカラージーンズ

生地段階で横糸(肌面にあたる糸)にコットン/レーヨンの混紡糸が配置されるように設計し、肌面にあたる風合いにも拘りました。さらにウエスト内側にはゴムを、フロント内側にはウエストコードを配置。快適で絶妙なフィット感がポイントです。

EZYスキニーフィットカラージーンズ

アシャのおしゃれ

「あなたが、こんなに服を持っていたなんて知らなかったわ! なんておしゃれさんなの!」

僕の部屋のクローゼットを開けて中を見て驚いたアシャは叫んだ。

「違うよ。これはこの部屋の持ち主のボーイフレンドの服で、僕の服ではないんだ。だけど、自由に着てもいいってことになっている。家具付き、服付きの部屋ってこと」

僕は、この部屋を借りたときの経緯や、服の持ち主であるジャックとの奇遇をアシャに話した。

「へー、そんな出会いがあったのね。アメリカントラッドな服はあなたに似合うからラッキーね。どれかわたしも借りようかしら…」

おしゃれで、服好きなアシャは、宝ものを発掘するようにクローゼットにしまわれている服を物色した。

「みいつけた!これ、わたしはいてみよう。きっとかわいいわ」

アシャは細身のカラーパンツを、自分の腰にあてて鏡に映した。

普段からおしゃれなアシャが、メンズの服をどんなふうにコーディネートして着こなすのか僕は興味津々になった。

「ほら、やっぱりかわいい! メンズの少し大きめをはいても大丈夫ね。ロールアップさせて足を見せればバランスいいし」とアシャは鏡の前ではしゃいだ。

「上は何を着るの?」

「そうね。上はシンプルにシャツがいいわ。これもメンズの少し大きめを着て、タックインするとか」

アシャは、パジャマ代わりに着ていたTシャツをぱっと脱いで裸になり、クローゼットの中から探しあてたチェック柄のシャツの袖に腕を通した。

「ほら、どう? この上にデニムジャケットでも羽織ればいいんじゃない?」

アシャは鏡の前でおどけてくるりと回った。

「ねえ、朝食を食べに行こうよ。わたしこの格好で出かけるわ。いいでしょ?」

アシャのおしゃれ ストーリーイメージ

無邪気な子どもみたいに飛び跳ねながら、アシャは言った。

「わたしは、こんなふうにメンズのシンプルな服をシックに着こなすのが好き。あとは靴とアクセサリーで女性らしさのバランスをとればいいし。さあ、出かけましょう。おなか空いたわ!」

二人にとってはじめての朝だった。

EZYスキニーフィットカラージーンズ

豊富なカラバリ

定番のブラックやネイビー、スモーキーなグレーなど、上品な素材感を活かしたカラーをご用意。今季のトレンドカラーであるレッドやブラウンカラーは、挿し色としてスタイリングのスパイスに、トータルでのワントーンコーデもおすすめです。

すっきりとしたテーパードシルエットの足元は、カジュアルなスニーカーはもちろん、革靴を合わせて落ち着かせながら、シャツやジャケットなどの組み合わせでキレイ目に仕上げるなど、幅広い着こなしをお楽しみいただけます。

EZYスキニーフィットカラージーンズ

すっきりとしたテーパードシルエットの足元は、カジュアルなスニーカーはもちろん、革靴を合わせて落ち着かせながら、シャツやジャケットなどの組み合わせでキレイ目に仕上げるなど、幅広い着こなしをお楽しみいただけます。

ずっと一緒に。
そんな気分にさせる、
恋人のようなパンツ。

松浦弥太郎
EZYスキニーフィットカラージーンズ
051 MENEZY
スキニーフィット
カラージーンズ
閉じる

LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

閉じる閉じる