100とは

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

母のお弁当

アシャとのデートの日。僕はいつもより早起きをした。

今日のデートは、自分を知ってもらうためのプランを互いに用意することが約束だった。

悩んだあげく、僕は、自分の夢をアシャに伝えたいと思った。夢を知ってもらえれば、きっと僕という人間のこともわかってくれるだろう。それ以外に考えられなかった。僕にとって夢とはいちばん大切な宝もの。

僕の夢は、親孝行だった。ほんとはもっとかっこいい夢もあるかもしれないが、なによりも先に思いついた夢が親孝行だ。

心配ばかりかけて、なにかあるたびに助けてくれて、いつだって自分の味方でいてくれる両親が、僕の宝ものだ。

父も母も、いたって普通の勤め人であるが、人一倍やさしく、いろいろなことに好奇心をもった勉強家で、苦労の多い人生に対して、しっかりと前を向いて生きている人生の先輩。

そんな両親を喜ばせたい。いつか安心させたい。とびきりしあわせになってもらいたい。それを自分のちからで叶えたい。

僕の夢は親孝行。なぜなら僕の両親はこんなに素晴らしい人なんだ、ということをアシャに知ってもらえたら嬉しい。

一番いいのは会ってもらうことだけど、遠い外国の地ではそれは無理だ。さて、どうしようか。

ふと思い出したことがある。幼い頃、休日になると、僕ら家族は、家から少し離れた大きな公園によく遊びにいったことだ。

その時に母が作ってくれるお弁当があった。それはおにぎりと少しのおかずという素朴なものであったけれど、芝生に座って家族全員で食べるお弁当の味は、今でも忘れることができないくらいのおいしさだった。

あの味は母の愛情であり、あの楽しさは父のやさしさだった。

僕はひらめいた。母のおいしいお弁当を作って、アシャに食べてもらえれば、きっと僕の両親がどんな人だったか伝わるかもしれない。そうだ、あの頃のように、お弁当を持って公園に行き、二人でお弁当を食べよう。食べながら、僕の大好きな父と母がどんな人なのかを話そう。

母のお弁当 ストーリーイメージ

プランは決定した。二人分のお弁当を作って、セントラルパークの芝生の上で一緒に食べる。

母の作るお弁当は、味の違ったおにぎりがいくつかと、おかずはウインナーと卵焼き、鳥の唐揚げと、デザートはいつもりんごだった。

僕は前の晩から鳥のからあげを仕込み、当日の朝にご飯を炊いておにぎりを握り、おかずを作ることにした。おにぎりに使う海苔は、ニューヨークでお世話になっているトーコさんから分けてもらおう。

母のお弁当を、アシャはおいしく食べてくれるだろうか。そう思うと、どきどきして眠れなかった。楽しみだ。

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

極上のとろみ素材

レーヨンのやわらかな風合いとしなやかな肌ざわりを残しながら、お洗濯後のシワも気にならない、ユニクロ自慢の上品ブラウスです。その秘密は東レと共同開発した生地。ソフトで艶のあるレーヨンと、洗濯に強いポリエステルを混用した特殊なハイブリッド紡績糸を採用。

生地づくりの段階で、肌にふれる面により多くのレーヨン成分がくるように設計しているので、レーヨン特有の肌ざわりはそのままに、洗濯後のイージーケアを実現しました。

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

生地づくりの段階で、肌にふれる面により多くのレーヨン成分がくるように設計しているので、レーヨン特有の肌ざわりはそのままに、洗濯後のイージーケアを実現しました。

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

いちばん好きな服

待ち合わせ時間の10分前、セントラルパークのストロベリー・フィールズに行くと、アシャがベンチに座って待っていた。

「おはよう、アシャ。早いね」

「おはよう、なんだか落ち着かなくって早く来ちゃった。あら、すてきなシャツを着てるね」

アシャは僕の着ていた麻のシャツの袖を指でつまんで言った。

「アシャのブラウスもとても似合ってるね」

僕もアシャを真似て、ピンク色のブラウスの裾を指でつまんで、そのなめらかなレーヨン生地を触った。

人の着ている服をほめるようになったのは、アシャの影響だ。それまでは照れくさくてできなかったことが、いつしか自然にできるようになった。

「いい天気ね。気持ちいいわ」

「うん、雨が降らなくてよかった。さあ、どうしようか?」

「お先にどうぞ」

アシャはおどけて言った。

「うん、少し歩こう。今日のランチは、我が家のお弁当を作ってきたから、あとでどこかに座って食べよう」

「え!?私も今日お弁当を作って持ってきたのよ!エチオピア料理のお弁当よ」

アシャは肩から下げたトートバッグをポンポンと叩きながら言った。

「わあ!じゃあ、一緒に食べよう。今日は日本料理とエチオピア料理のパーティーだね」

そう言うと、アシャは自分の手を僕の肩にのせて、「そうしましょう! 楽しみ!」と言った。

いちばん好きな服 ストーリーイメージ

僕とアシャはストロベリー・フィールズからザ・レイクのまわりを歩き、ベルヴェデーレ・キャッスルへと向かった。僕はアシャを意識してしまって、いつものようなおしゃべりが進まなかった。ときおり互いに無言になってしまうことにドキドキした。

「離れて歩くって、なんだかぎこちないから、腕組んでいい?」

アシャはそう言うと、すっと自分の腕を僕の腕にからませてきた。

「ほら、こうして歩くほうが自然よね。今日はデートだもんね」

アシャはにこにこと笑いながら言った。

「たしかにそうかも」と僕は照れながら答えた。その瞬間からスッと緊張が解けて、気持ちが楽になって、とりとめのない会話で和むことができた。

アシャの着ていたピンクのブラウスのやさしい肌ざわりが心地よかった。ネイビーのキュロットと真っ白なスニーカーの着こなしは、いつもより女性らしさを感じさせていた。

「いつも思うんだけど、アシャっておしゃれだね」

「今日は何を着ていこうかと迷ったんだけど、結局、自分がいちばん好きな服を着ていくのがいいと思ったの」

アシャは着ているブラウスのボタンを触りながら、小さな声でつぶやいた。

僕がアシャの手を握ると、アシャもぎゅっと握り返してきた。

レーヨンエアリーブラウス(半袖)

着まわし力抜群

着る人もシーンも選ばないベーシックなデザイン、シルエットを目指して開発したブラウス。今季は素材感を活かしたペールトーンを中心にご用意。もちろんコーディネートしやすいベーシックカラーもあります。

通勤や通学などのクリーンな着こなしにも、カジュアルなボトムとの合わせにも相性抜群。肌寒いときはレイヤリング用のブラウスとしても便利です。お手入れしやすいので、忙しい女性たちの時短にも活躍してくれること間違いなし。

レーヨンエアリーブラウス(半袖)
レーヨンエアリーブラウス(半袖)

通勤や通学などのクリーンな着こなしにも、カジュアルなボトムとの合わせにも相性抜群。肌寒いときはレイヤリング用のブラウスとしても便利です。お手入れしやすいので、忙しい女性たちの時短にも活躍してくれること間違いなし。

どんな服とも、
相性が良いから、
自由に着こなしを楽しんで。

松浦弥太郎
レーヨンエアリーブラウス(半袖)
046 WOMENレーヨンエアリー
ブラウス
(半袖)
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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