100とは

エアリズムポロシャツ(半袖)

エアリズムポロシャツ(半袖)

自分を知ってもらうために

デートについて、アシャからひとつの提案があった。

「デートのプランを、互いにひとつずつ考えましょうよ。私は、あなたに私を知らせるために何か考えるわ。だから、あなたも、あなたのことを私に知らせるために何か考えて」

「うん、そうしよう。いいアイデアだね」

僕とアシャは、1週間後にデートの約束をした。朝10時にセントラルパークのストロベリーフィールズで待ち合わせをした。

アシャはどんなふうにして、自分のことを僕に知らせてくれるのだろう。そう思うと、デートの日が待ち遠しくて仕方がなかった。

しかし、僕は困った。

好きな映画、好きな場所、好きな時間の過ごし方といった「自分の好き」を、誰かと一緒に楽しむことはできても、自分のことを相手に知ってもらうためのデートなんて、これまで一度も考えたことはなかったからだ。

自分を知ってもらうために ストーリーイメージ

「もちろん、いろいろと話をすることも大事だけど、私は、私のことをあなたにもっと知ってもらいたいの。私がどういう人間かということをね。それであなたは私にがっかりして、私を好きではなくなるかもしれない。でも、それはひとつも悪いことではないと思う。仕方ないことですもの。私は私をよく知ってもらったうえで、私を好きになってもらいたいの」

アシャは僕の目をまっすぐに見て、そう言った。普段は照れくさそうにして、ちらちらとしか目を合わせないアシャだったが、こんなふうに自分の考えを相手に伝えようとするときは、どきっとするくらいに僕の目を見つめてきた。「私の目をしっかり見て」というように。

「自分で言っておきながらだけど、どうしようかな、と悩むよね。本当の私を知ってもらうためにあなたをどこに連れていったらいいのか、とか、何を見せたらいいのか、とか、どんなふうに過ごしたらいいのか、とか。でも、それは自分が大切にしていることは何か。自分にとって、一番自分らしいことは何かを見つめるいい機会でもあると思うの」

アシャはそう言って、「来週ね」と言って、自分の手を差し出してきた。僕はアシャの手を握って、「うん、楽しみにしてる」と答えた。

アシャは僕の手を握ったまま、手をぐるぐると回してから、ぱっと手を離して、「そのポロシャツ、襟がきりっとしていて、すてきね。じゃあね」と言って、立ち去っていった。

着ていたポロシャツは、少しばかりドレスアップした、ボタンダウンのポロシャツだった。暑い日のシャツ代わりに着ると、快適だし、なにより大切な人に会う時の、きちんとした身だしなみに便利だった。

エアリズムポロシャツ(半袖)

シャツ仕立てのポロシャツ

ビジネスシーンで着用できるように、襟と前立てに布帛(シャツ)素材を用いたポロシャツです。こだわったのは、何度洗濯してもきちんとした印象と洗練さを失わないこと。そのため襟の芯地選びには時間をかけました。襟のバランス、色、柄、ボディとの組み合わせ、そしてジャケットの中でも1枚で着てもさまになるように、何度も試作を重ねてたどり着いたデザインです。

襟型はボタンダウンとセミワイドをご用意。ビジネス需要の高い定番カラーに加え、差し色も清潔感のあるクリーンなカラーを揃えました。

エアリズムポロシャツ(半袖)
エアリズムポロシャツ(半袖)

襟型はボタンダウンとセミワイドをご用意。ビジネス需要の高い定番カラーに加え、差し色も清潔感のあるクリーンなカラーを揃えました。

エアリズムポロシャツ(半袖)

なにものかの答え

自分は一体なにものなんだろう?

部屋の椅子に座って、窓の外の景色を見ながらそればかりを考えた。

頭の中がぐるぐると回って、出口のない迷路をひたすら歩きまわっているような気持ちになった。

なにものなのか?……、なにものなのか?……、と呪文のように言葉にしては、目を閉じて考え続けた。

そうしていたら、ふとこんなふうに気づいた。なにものであるかということは、なにをしたいのか、なにをしようとしているのか、ということの、ひとつの現れではないかと。

では、僕はなにをしたいのか。そうだ、それが自分そのものなんだろうと思った。それがなにものかの答えなのだと。

ヴィジョン。すなわち、自分の人生をかけて、なにをどうしたいのか。それを自分の言葉で語り、決意で切り拓き、情熱でチャレンジする。もしかしたらそれは夢かもしれない。いや、夢でもいい。人生をかけて必ず実現させるんだという僕の夢はなにか。

僕は素直に自問した。今自分が一番したいことは何か?と。

目を閉じて、それを静かに考えた。もっともらしいことではなく、かっこつけたものでもなく、自分の心の声に耳をすませた。

すると、ふわっと、そして、しっかりとある言葉が思い浮かんだ。

「親孝行」

今、僕が一番したいこと。今の僕の夢。したいけれど出来ていないこと。それは親孝行だった。我ながら、なんて小さな夢なんだと思った。しかも当たり前すぎて、他人に言うのも恥ずかしいことだ。

世界中の人の困っていることを、自分の得意なことで助けたい。嘘ではなくそんな考えも浮かんだが、それはあまりに抽象的で、それよりも大きく、そしてくっきりと見えたのが、親孝行というヴィジョンであり夢だった。

なにものかの答え ストーリーイメージ

親孝行。生まれてからこれまで、両親から受けた愛情は図りしれず、どんな時でも僕を支えてくれて、なにがあろうと僕を信じてくれて、誰よりも僕の味方でいてくれた両親を喜ばせたい。安心させたい。しあわせにしたい。なぜなら、今だけでなくずっと、僕は心配ばかりをかけ続け、なにひとつしてあげることもなく、決して良い息子とは言えないからだ。

僕のヴィジョンは親孝行だ。

両親を思い切り喜ばせたい。もっとしあわせになってもらいたい。困っていることがあれば助けたい。たっぷりと愛情表現したい。そんなふうに心から思う自分がいた。

自分の夢、ヴィジョンは親孝行。なぜならば……。そういう自分をアシャにありのままに見せればいい。そう思った。

エアリズムポロシャツ(半袖)

クールビズへの提案として

湿気と熱気を放出するエアリズム機能を搭載したポロシャツ、ポイントは裏糸にあります。着た瞬間に感じる滑らかな肌ざわり、さらに汗をかいても乾きやすいドライ機能と、ひんやりと心地よい接触冷感機能をプラス。ジメジメした季節や暑い夏に、その効果を実感していただけるはずです。

月曜から金曜は仕事着として、週末はカジュアルなジャケットに合わせてタウンユースとして、またゴルフなどのライトスポーツにも。シャツのようなきちんと感と抜群の着心地をお楽しみください。

エアリズムポロシャツ(半袖)
エアリズムポロシャツ(半袖)

月曜から金曜は仕事着として、週末はカジュアルなジャケットに合わせてタウンユースとして、またゴルフなどのライトスポーツにも。シャツのようなきちんと感と抜群の着心地をお楽しみください。

夏の暑い日の、
身だしなみに重宝する、
ぴしっと襟のポロシャツ。

松浦弥太郎
エアリズムポロシャツ(半袖)
045 MENエアリズム
ポロシャツ
(半袖)
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LifeWear Story 100とは。

ユニクロには、
流行に左右されず、
けれども、決して古びることのない、
長い間、作り続けている普通の服がある。
品揃えの中では、
とても地味で目立たない存在である。
コマーシャルにもあまり出てこない。

それらは、ユニクロが、
もっと快適に、もっと丈夫に、
もっと上質であることを、
長年、愛情を込めて追求したものだ。

それらは、ユニクロの人格と姿勢が、
目に見えるかたちになったものであり、
丹精に育てているものだ。

昨日よりも今日を、今日よりも明日と。

手にとり、着てみると、
あたかも友だちのように、
その服は、私たちに、
こう問いかけてくる。

豊かで、上質な暮らしとは、
どんな暮らしなのか?
どんなふうに今日を過ごすのか?
あなたにとってのしあわせとは何か?と。

そんな服が、今までこの世界に、
あっただろうかと驚く自分がいる。

ユニクロのプリンシプル(きほん)とは何か?
ユニクロは、なぜ服を、
LifeWearと呼んでいるのだろう?
LifeWearとは、どんな服なのだろう?

ここでは、LifeWearの、
根っこを見る、知る、伝える。
そして、LifeWearと、自分にまつわる、
ストーリーを書いていきたい。

LifeWear Story 100は、
LifeWearと僕の、旅の物語になるだろう。

松浦弥太郎

松浦弥太郎
松浦弥太郎

エッセイスト、編集者。1965年東京生まれ。
2005年から15年3月まで、約9年間、創業者大橋鎭子のもとで『暮しの手帖』の編集長を務め、その後、ウェブメディア「くらしのきほん」を立ち上げる。現在は(株)おいしい健康の取締役に就任。数々のメディアで、高い審美眼による豊かで上質な暮らし提案に努めている。新聞、雑誌の連載の他、著書多数。ベストセラーに「今日もていねいに」「しごとのきほん くらしのきほん100」他多数。NHKラジオ第一「かれんスタイル」のパーソナリティとしても活躍。

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