街と洋服。
<森岡書店>店主、
森岡督行さんと歩く銀座の街。
街と洋服。
<森岡書店>店主、
森岡督行さんと歩く銀座の街。
Aug 23, 2018 MEN

今も昔も日本随一の繁華街としてにぎわう街、銀座。
その中心部から少し離れた、銀座一丁目の静かな路地で「一冊の本を売る本屋」というコンセプトの一風変わった本屋<森岡書店>を営んでいる森岡督行さん。この街に店を構えてから、銀座の街を歩くことがますます楽しくなったという森岡さんを案内役に、ぶらりと銀座の街にくり出そう。
古き良き趣が残る旧木挽町から昭和通りを超えて、人々で賑わう銀座中央通りへ。老舗をめぐる、粋な大人の銀ぶら散歩。
そして大人の街銀座には、シャツが似合う。




1週間で一冊の本を売る本屋<森岡書店>




織り模様が上品な淡いブルーのコットンシャツにタイを締め、薄いグレーのパンツを合わせて日課の窓拭きをスマートにこなす森岡督行さん。
「このシャツ、見た目はとても上品なうえに非常に着心地が良い。いつもの窓拭きがこんなにクールに決まったのは初めてですね(笑)。これも、大人の嗜みですかね」
<森岡書店>が店を構える鈴木ビルは昭和4年に建てられた近代建築。当時の面影を色濃く残しており、森岡さんはこのビルに惹かれて、この街に店を開くことを決めたと言います。




「かつてこのビルには、写真家・名取洋之助が主宰する「日本工房」が事務所を構えていたという歴史があるんです。そこでは、土門拳、藤本四八、河野鷹思、亀倉雄策など名だたるクリエイターたちが集い、日本の文化や近代化を海外に伝える『NIPPON』などの雑誌が制作されていました。言わばここは、戦後日本の出版の礎を築いたこの国における出版の聖地とも呼べる地。
週替わりで1冊の本を売り、作家と鑑賞者が直接会って対話をして、関係を育んでいくことができる出会いの場を作りたいと思っていましたので、この場所に店を構えることは、歴史的にもとても意義があると思えたのです」
わずか5坪の空間にアート作品のように1冊の本が並ぶ。その森岡さんの審美眼に惹かれ多くの人々が集い交流する書店は、まさにサロンのような空間だ。


【SHOP data】
森岡書店
東京都中央区銀座1-28-15 鈴木ビル1
☎︎03-3535-5020


【着用アイテム】
ファインクロスストレッチスリムフィットドビーシャツ(レギュラーカラー・長袖)
※その他、本人私物




近所の神社にごあいさつ。




<森岡書店>のある銀座1丁目の界隈は、かつては木挽町という地名で呼ばれていたエリア。銀座の華やかなイメージを象徴する中央通り周辺とは趣が異なり、路地裏の古い街並みや人々の生活の匂いが漂っている。駅から歩いて出勤する道すがら、近所の神社へお参りするのが森岡さんの日課。「ご利益というより、ごあいさつと思って、手を合わせていますね」
ハリとツヤのある軽やかなボタンダウンシャツは、普段遣いに最適。「きれいめにもカジュアルにも使えるので、銀座の街を散歩するにはぴったりですね」


【着用アイテム】
エクストラファインコットンブロードストライプシャツ(ボタンダウン・長袖)
※その他、本人私物




明治27年創業。あんみつ発祥の店<銀座若松>




<銀座若松>といえば、明治27年に創業した銀座で最初の汁粉屋さん。昭和5年。当時、まだ甘いものが御馳走だった時代に2代目森半次郎が考案したあんみつが大ヒットし、あんみつ発祥の店として多くの甘味好きに愛され続けている。店は創業当時と同じ場所で変わらぬ佇まいで営業している。
「あんみつ発祥の店として有名ですが、僕がいつも頼むのはお汁粉。シンプルなものが好きなので。しつこくない甘みの粒あんがいいですね。塩気がの効いた、付け合わせのしその実をちょいちょい挟むのがまた良い」



「実は銀座には銭湯が2軒あって。僕がよく行くのは京橋と銀座の境界線に立つ昭和50年開業の銀座湯。なんといってもここは湯が熱い! 僕はとてもじゃないけど一気に湯船に浸かることはできませんが、この熱さが江戸の湯なのでしょうね。早めの時間帯にひと風呂を浴びて、身だしなみを整えさっぱりした後にビールで天ぷらなんて最高じゃないですか。あ、鮨もいいですね。ですが、時には熱い湯上りにあったかい汁粉をすするというのも、なかなかオツですよ」


【SHOP data】
銀座若松
東京都中央区銀座5-8-20 コアビル1F
☎︎03-3571-0349
http://ginza-wakamatsu.co.jp




日本紳士の身だしなみを支え続けて100年!<理容米倉>



最後に森岡さんが訪れたのは、銀座が誇る名店。大正7年創業の<理容米倉 銀座本店>。多くの財界人・文化人が愛した銀座の名店は日本の紳士の身だしなみを整え続け、今年で創業100年を迎える。
「<米倉>は、すべての日本紳士の憧れの1軒といっても過言ではないと思います。料金は決して安くありません。一見敷居が高く感じます。けれど、一度ここのシェービングを体験してしまうと、ほかでは味わえない快楽を知ることになります。顔を剃られているという感覚は少しもなく、まるでマッサージをされているような心地よさ。あまりに気持ちが良くて眠ってしまったのが悔やまれるほど。そしてなんという滑らかな仕上がりでしょう!」



森岡さん、あまりの心地よさに「坊主頭で恐縮ですが……」と、シャンプーも追加。温めたオリーブオイルで頭皮をケアする米倉オリジナルのシャンプーマッサージで柔らかな頭皮を取り戻し、艶々の仕上がりに。
「頭にグロスを塗ってもらったようなツヤですね。なんだか孔雀になったような気分です。身だしなみが整うと、心もピシッとして背筋が伸びます。男の嗜みたる由縁を、まさに肌で感じることができますね」
<4711>の爽やかでスイートなトニックの香りをほんのりと漂わせ、身だしなみは完璧です。



「<米倉>さんの素晴らしい技術のように、理髪店にしても、お鮨屋さんにしても、バーにしても。銀座には素晴らし手業が息づいていると思います。所作の美しさ、サービスのきめ細やかさ。それらは決して安いものではありません。けれどそこに、きちんと高いお金を支払うだけの価値があるとを認め、通う人々がちゃんといる。それが素晴らしいと思うのです。銀座には、近代から現代へと時間を積み重ねてきた厚みのある場所がいくつかありますが、その重みは他の街にはない魅力の一つだと思います。銀座4丁目の交差点に立つ<和光>の時計台もその一つかもしれません。そしてシンボルの時計台が鳴らす午前零時の鐘の音を聴くと、あぁ、大人だなぁと感じるのです」


【SHOP data】
理容米倉 銀座本店
東京都中央区銀座 5-1 先 ギンザファイブ 2F
☎︎03-3571-1538
https://www.ginza-yonekura.com



森岡督行さん
1974年山形県生まれ。1998年に神田神保町の「一誠堂書店」に入社。2006年に独立し茅場町にて「森岡書店」を立ち上げる。2015年に「1冊の本を売る書店」をコンセプトに「森岡書店 銀座店」としてリニューアルオープン。 2017年には「森岡書店研究所」を開設し、「読みもの」を配信やツアーや行事の企画など多角的に活動の場を広げている。

森岡書店 総合研究所
https://soken.moriokashoten.com



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【Staff Credit】
Photo : Ayumi Yamamoto
Text&Edit : Chisa Nishinoiri