
着る服を選ぶことも、旅の大事な一部分だと思う。
でも、何を着てどこへ行くかは、あなたがどんな旅をしたいかによって変わってくるもの。
私たちユニクロは、ニューヨークに暮らす4人のエキスパートに、この街を楽しむ色々なコツをアドバイスしてもらいました。
ニューヨークへの旅を、よりいっそう楽しいものにしてほしいから。





ニューヨークは世界で最も影響力のあるファッション発信地の一つ。
ところで、街のスタイルがユニークなのはなぜでしょうか。
また、そのスタイルを体験するにはどこを訪ねればよいのでしょうか。
モデルでもあり、著名なファッションブロガーでもあるナタリー・スアレスさんは、ニューヨークのシックな面を見つける最良の方法を、ただ周囲を見回すことだけだと言います。
「街には簡単でシンプルな服装をしながら、文句なくゴージャスな人が大勢いるわ」
ニューヨークの人たちのような、さりげないスタイルを上手につくるには「個性的なデザイナーの服を着たり、型にハマったスタイルを真似る必要はありません」とナタリーは言います。
「自分ができる範囲でベーシックな服をクールに組み合わせること」から始めましょう。そこに自分の個性を表現できる強めのアクセントを1つか2つ加えて、完成させてみてはいかがでしょうか。
ナタリーなら「遊び心のあるつば広帽やダメージ加工のデニムのジャケット」をベーシックなスタイリングに加えることで、個性的なファッションにしてしまう。
また、たくさん歩くことになるので、歩きやすい靴も絶対に必要です。
しかし、偶然見つけたシックな雰囲気の場所に立ち寄ることも考え、
ドレッシーな靴も一足、そしてエレガントなブラウスとスタイリッシュなアクセサリーも数点バッグに忍ばせることも忘れないでください。
そうすれば、わざわざ着替えに戻る必要もありませんから。
「個性的なデザイナーの服を着たり、型にハマったスタイルを真似る必要はありません」

身だしなみを整えたなら、いざ出発。
ファッショナブルに楽しめる場所はいたる所にあります。5番街に並ぶフラッグシップの店舗は、世界有数のショッピングとウィンドウディスプレイが楽しめる一方で、
「ノリータではLove Adornedのようなユニークなお店があり、まるで隠された宝石を探し当てるような楽しみがある」とのこと。
ミートパッキング地区はシックなナイトライフの中心地。スタンダードホテルの最上階にあるLe Bainはナタリーのお気に入りのクラブです。
またローワー・イーストサイドにあるPianosにもよく出かけます。そこは大胆なファッションとロックンロールの演奏を楽しめるバーです。
スタイリッシュで控え目な夜のお出かけにナタリーがすすめるのは、アルファベット・シティーにあるNubluでライブジャズを聴き、Antique Garageでシャンデリアの下でディナーを楽しむコースです。
ニューヨークの一番スタイリッシュな場所で現地に馴染むためのアドバイスは「シンプルに装うこと。努力しすぎないで自分らしく、大好きな服を着ること」





観光バスや地下鉄を使わずにニューヨークシティーを観光するのは、かなりの運動量が必要です。
マラソンランナーでソーシャルメディアのディレクターをつとめるスティーブン・ロハスに聞いてみましょう。
彼は社交会、仕事、そしてエクササイズと、つねにスケジュールが一杯ですが、ニューヨークをまるで自分の運動場にしてしまったかのようなアクティブ派です。
アクティブな観光をするためにジムに行くような格好をする必要はありません。その代りにスティーブンがすすめるのは、長い散歩を想定したラクな着心地、そしてニューヨークならどこにでもあるレンタル自転車に乗ることも考えた伸縮性のある素材。
この2つの条件を満たすカジュアルな服装です。肌着も通気性と吸収性のあるものを ― これは寒い日にもおすすめです― そして足元を軽くするランニングシューズ。スティーブンはメッセンジャーバッグに着替えを一式持ち歩き、アクティブな昼間の活動から、アクティブなナイトライフへと、いつでも変身できるようにしています。
そして天気が急変したら「ニューヨークの最高に便利なことは、5ドルでどこでも安い傘が買えること」だと語るスティーブン。
「道に迷うために、おしゃれして出かける。街を探索するのにこれ以上の方法はない」

街の名所を楽しむには、歩きか自転車が一番でしょう。
マンハッタン島の最南端にあるバッテリーパークから出発するのがおすすめ。
ワンワールド・トレードセンターの絶景が楽しめます。そこから北へ向かい、島のウェストサイド・ハイウェイ沿いの自転車およびランニングロードを走行しましょう。もっと短時間でと言うのなら、「ビジネスマンやドブネズミにぶつからないようにミッドタウンを駆け抜けるのもいい」とスティーブンは笑いながら提案します。
「あるいはセントラルパークで一周6マイルのコースを走るか、少し長めにタートルポンド(亀の池)まで行くというコースもおすすめ」。週末にはブルックリン・ボルダーズ・ロッククライミング・クラブでロッククライミングを楽しむスティーブン。一日の活動で喉が乾いたら、メトロポリタン博物館の屋上にあるバーで飲むのが、スティーブンのお気に入りのスタイル。一日中走り回った後のくつろぎのひと時です。
すぐにお目当ての場所が見つからなかった時は、かえって良かったと思ってください。「道に迷うために、おしゃれして出かける。街を探索するのにこれ以上の方法はないですからね」





ほとんどの人がニューヨークと聞いて連想するもの。
それは、ネオンが点滅するビルボード、人混み、駆け抜けるタクシーなど、あまりゆったりとした光景ではありません。
街のゆったりした面を体験するにはどこへ行ったらよいのでしょうか。ニューヨークに住む振付師のルアム・ケフレズギーに聞きます。
大切なのは心地いい服装でいること。そして街のクールな場所を探索し、あとは流れに身を委ねること。
「どんなスタイルでもいいから、心地いいものを着ること。
ニューヨークは常に躍動しているから」と説明するルアム。
「どんなことに遭遇するかわかりませんから、服装はリラックスできるものを選んで下さい」。リラックスといっても、だらしない服装とは違います。ニューヨークの最もリラックスした場所は最も“イケてる”場所でもあります。
ルアムが提案する服装は、スタイリッシュでたっぷりストレッチする良質な素材に「楽しいサプライズを織り交ぜること ― 色鮮やかなジャケットや派手なバッグなどがおすすめです」。履き心地とスタイルを兼ね備えたシューズが理想的。
ルアムが履いているウェッジスニーカーがまさにその一例です。
ゆっくりとした面をニューヨークで味わうルアムとアシスタントのジュメル
「どんなスタイルでもいいから、心地いいものを着ること。ニューヨークは常に躍動しているから」
さあ、イーストリバーを渡り、ブルックリンへと向かいましょう。「ここはいたる所でイベントやストリートフェアに出くわします」とルアムは語ります。現地で作られた製品やサンプルを買ったり、屋台の食べものを試食したりするには最高の場所です。ただ寒い時期には屋内で開催されることが多いので注意してください。
ウォーターフロントに沿って進み、ダンボを通ってブルックリンブリッジ・パークまで歩き、雄大な眺めを堪能するのは気軽にリラックスできるルートの一つです。
刺激を求めるなら、そこからマンハッタンへと戻り、ビレッジ・アンダーグラウンドでライブミュージックを聴くのもルアムのおすすめです。「いきなり立ち上がって歌い出す人もいたりして」とルアムは言います。また夜にはアップタウンまで足をのばし、ハーレムのRed Roosterでほっとできる食事を。その後Corner Socialでカクテルを楽しむのがルアムのお気に入りです。
「ニューヨークを訪れるのは、新しいダンスを習うようなものよ」と語るルアム。「失敗して、イライラしても大丈夫。かえってあとが楽しくなるはずだから」

「人とは異なった考えを持ち、異なった行動を取ることを半ば強制するのがニューヨーク」





ミックスメディアのアーティスト、デザイナー、新聞発行者という多才な顔を持つジェレミービルは、ひとつの創作活動にこだわる必要性を感じたことがありません。だからこそ、オーストラリア人でありながらニューヨークにすっかり溶け込んでいるのです。
「この街の魅力は、ストリートアートと芸術の境目がないことです」と語るジェレミービル。ここでのアートは、ミュージアムだけでなく、ストリート、小さなギャラリー、さらにビルに描かれた作品でもあるのです。すなわちニューヨークのアートをとことん体験するには屋内、屋外の両方で時間を過ごす覚悟が必要です。
暖房の効いたミュージアムと寒風にさらされた街路という温度変化にも快適に活動できるよう、脱着しやすい重ね着をおすすめします。
重ね着といっても着ぶくれする必要はありません。
「むしろかさの高いものを避け、スレンダーなシルエットを保つのがポイントです」とジェレミービル。
体温を逃がさず、スタイリッシュでいられる装いを心がけましょう。
快適な服装という以外に特にルールはありません。
例えばジェレミービルと同じようにオレンジ色のアビエータージャンプスーツを着て、ニューヨーク近代美術館に行きたいのなら、それでも大丈夫。
でもミュージアムやギャラリーの常連客は、どちらかというともう少し洗練された服装の人が多い。
だからその場に溶け込みたいと思うなら、ブラックやグレーの色合いのテイラードなどもおすすめです。

「この街の魅力は、ストリートアートと芸術の境目がないことです」
ジェレミービルがUNIQLOから影響をうけて書いた絵
一方、ブルックリンやクイーンズのアートスペースなどではロールアップ・ジーンズ、カジュアルシャツ、ラクに着られるセーターやスウェットシャツを合わせる。
すると、ジェレミービルが言う「意識的な無頓着さ」がにじみ出るはず。
ニューヨークの最も洗練された過去と現代の芸術作品を見るなら、アッパーイーストサイドにあるミュージアムマイルがおすすめです。
そしてその対極でありながら、同じように魅力的なアートを見たいなら、彼はコニーアイランドの色あせた板張りの遊歩道を歩きます。
アヴァンギャルドな雰囲気を味わうなら、ニューミュージアムもよいでしょう。カラフルなストリートアートは、ヒューストンとボワリーストリートにある常に新しく描かれる壁画(もとはキース・ヘリングが始めたことで有名)を見ながら散策してください。お腹が空きましたか?ブルックリンのスモルガスバーグは、屋台の食べものを食べられるアートへと昇華させました。
でもそこまでの道中でも目を凝らしてくださいね。
地下鉄にだって、どこにだってアートは隠れてますよ。
ほんとうに旅に合った服を着ると、旅は、もっと豊かなものになる。だからこそ、私たちはつくりたい。
パッキングをもっと便利にするために、軽く、持ちやすく、シワになりにくい服を。
もっと快適に観光を楽しむために、生地からシルエットにいたるまで、動きやすさをとことん追求した服を。
そして、どんな環境にも、どんな文化にも受け入れられるようなスタイルを。