

ドラえもん、ルーヴル美術館、UTによる唯一無二のコラボレーション。
May 29, 2025
UT
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ルーヴルピラミッド
1989年、イオ・ミン・ペイ設計によりガラスと金属で制作されたピラミッドは、ルーヴル美術館のナポレオン広場に設置され、美術館のメインエントランスとして使用されている。かつて王宮だった歴史的建造物と近未来的なデザインの調和はパリのシンボルとして親しまれている。

モナ・リザ
1503年頃からイタリア・フィレンツェでレオナルド・ダ・ヴィンチが制作。フィレンツェの織物職人フランチェスコ・デル・ジョコンドの妻、リザ・ゲラルディーニの肖像画と考えられているが、完成した絵はレオナルドからフランス王フランソワ1世に渡り、王室の収蔵作品となる。その後、ルーブル美術館にて常設展示されている美術史上重要かつ世界的に有名な絵画。

天文学者
レンブラントと並び17世紀オランダ美術を代表する画家であるヨハネス・フェルメールにより1668年に制作された代表作のひとつ。学者の肖像は17世紀のオランダ絵画で好まれたモチーフで「天文学者」の他に「地理学者」も残している。テーブルに置かれた天球儀や天文測定に関する書物などから、当時の研究の様子がうかがえる。

サモトラケのニケ
紀元前190年頃に制作された作者不明の大理石彫刻で、紀元前2世紀初頭にギリシャ・ロードス島の人々が海戦で勝利したことを記念して献上したものと思われる。サモトラキ島の偉大なる神々の神殿を見下ろす船の船首に立っていたというのが、この翼をつけた勝利の女神像。
『映画ドラえもんのび太の絵世界物語』寺本幸代監督インタビュー

今回のコレクションでは、ルーヴル美術館に所蔵されている名作絵画や彫刻がドラえもんとともに登場する。今春公開された『映画ドラえもんのび太の絵世界物語』も、絵の世界での冒険がテーマ。そこで寺本幸代監督に映画の見どころと、ドラえもんを通して伝えたいアートの素晴らしさや楽しさについて聞いた。
*上映期間は終了している場合がございます。
Q アート、絵の世界をテーマにしたきっかけを教えてください。
絵を主題にするというのはプロデューサーからの提案でした。シナリオ会議で脚本の伊藤公志さんたちと相談する中で出てきた、「絵が冒険の入り口になったら?」というアイデアと中世ヨーロッパの世界をつなげていきました。
Q 製作する上で心がけていたことは?
今回ドラえもんが行く世界は13世紀のヨーロッパです。「アートリア公国」という架空の国ですが、現実にありそうだと思える場所を作らないと、リアリティを感じてもらえません。なので「もしかしたら本当にあったかもしれない?」と思ってもらえるバランスを目指して作りました。街や城の様子はイタリア取材を行い、絵を描く手法などは東京藝術大学でも取材させていただき、できるだけ現実感が出るように心がけました。
Q 絵の世界の物語を表現する上で大変だったことは?
美術さんが特に大変だったと思います。例えば、油絵の中に入ったら背景を油絵のタッチにしたりなど、シーンによって背景の描き方が違うのでかなり手間だったはずです。
Q 絵から「いったいどんな人がこの絵を描いたんだろう」と想像をめぐらせたことはありますか。
アニメを作っていると、絵や文字には描いた人の性格がすごく出るなぁと思うんです。「どんな人が描いたんだろう」というよりは、「この絵と同じで優しい人なん「だろうなぁ」「真面目な人なんだろうなぁ」「意外に大雑把な人なんだなぁ」と、絵からいろいろなことが感じられて面白いです。
Q 映画を通してアートの魅力を伝えるためにこだわった点は?
舞台となる13世紀はまだ紙が一般的ではなくて、板などに絵を描いていました。油絵もまだなくて、石や植物などから作られた粉状の顔料に卵などを混ぜて描いていたそうです。のび太と友達になる13世紀の少年マイロが、顔料にいろいろな物を混ぜながら絵の具を作る様子は、こだわった描写の一つです。
Q 映画の見どころを教えてください。
「絵世界物語」は構想から数えると4年以上です。準備にこれだけの時間をかけたのは、私の過去の3作と比べても最長です。じっくりと作りあげたストーリーとビジュアルをじっくり楽しんでいただければ嬉しいです。
Q 監督にとって日常生活の中で、絵画を見ること、描くこと、アートとは?
絵を仕事にしてしまったので、苦しいことも多くて、学生の頃のように「描きたい」とか「楽しい」という気持ちだけで描けていた頃は幸せだったんだなぁと思います。でも今でも、苦しみながらも描き上げた後は嬉しい楽しい気持ちになるので、やっぱり好きなんだと思います。「好き」っていう気持ちが大事なんだということは、今回の映画のテーマにもなっています。
Q 映画では色が鍵を握っていますが、「色」とはどんな存在だと思いますか。
例えば、ルーヴル美術館から色が失われたら...?考えただけでも恐ろしくなりますが、今回の映画ドラえもんでは、世界から色がなくなってしまう危機が訪れます。色が溢れる鮮やかな世界がどんなに素晴らしいものか、映画を見て感じていただけたらと思います。
Q UTとルーヴル美術館のTシャツの中で、ドラえもんはレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、ヨハネス・フェルメールの『天文学者』、『サモトラケのニケ』といった名作の世界に入り込んでいます。これらからどんな物語を想像しますか。
ダ・ヴィンチもフェルメールも、後世でこんなコラボレーションをするなんて思ってもみなかったでしょうし、特にフェルメールは仰天するでしょうね(笑)。でも天文学者のドラちゃんはカワイイですね。『サモトラケのニケ』は、顔や腕が無いからこそあんなにも美しく、心惹かれると思うのですが、作った人はちゃんと顔や腕のある状態で見てほしいだろうなぁと想像します。二千年以上も後の人々を魅了していることを知ったら、作者はさぞ驚くだろうなぁとか、いろいろなことが想像できて楽しいですね。
Q 絵の世界に入れるとしたら、どんな絵の中でどんなことをしてみたいですか。
写実的でなく、デザイン的な絵に入ってみたいです。クリムトの『生命の樹』とか、歌川国芳の『宮本武蔵の鯨退治』とか。周りがどんなふうに見えるのか、自分がどんなふうになるのか......見てみたいです。
Q『映画ドラえもんのび太の絵世界物語』と、ユニクロ×ルーヴル美術館が考える“Art For All”というコンセプトとの共通点は何だと思いますか。
今回の映画はのび太のように絵を描くことがあまり好きじゃない子たちにも、ドラえもんを通してちょっとだけでも絵が好きになってもらえたら嬉しいなと思って作っています。アートをより身近に感じ、触れる機会を増やしたいという“Art For All”のコンセプトを聞いたときに、今回のドラえもんとの共通点を感じました。
Q 最後に『映画ドラえもんのび太の絵世界物語』を通して、現代の子供たちに伝えたいメッセージは?
映画では絵の中に入り込むことで、冒険の扉が開かれます。みなさんも、絵、マンガ、絵本、何でもいいので、自分の好きなアートの中に想像力という魔法を使って入って楽しんでみて下さい。そして『映画 ドラえもんのび太の絵世界物語』も是非ぜひ楽しんで下さいね!
『映画ドラえもんのび太の絵世界物語』
のび太の前に突然落ちてきた絵の切れ端。ひみつ道具「はいりこみライト」を使ってその絵の中に入ると、不思議な少女と出会う。彼女の探す<アートリア公国>を目指すが、そこは中世ヨーロッパの世界だった。幻の宝石をめぐり、ドラえもんたちの時空を超えた大冒険が始まる。
寺本幸代 | テラモト・ユキヨ
TVアニメ「ドラえもん」の演出を担当し、2007年『映画ドラえもん のび太の新魔界大 冒険〜7人の魔法使い〜』でシリーズ初となる女性監督に就任。2011年『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』 監督・絵コンテ、2013年『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』監督・絵コンテを手がけ、本作が『映画ドラえもん』シリーズ4作目となる。
のび太の前に突然落ちてきた絵の切れ端。ひみつ道具「はいりこみライト」を使ってその絵の中に入ると、不思議な少女と出会う。彼女の探す<アートリア公国>を目指すが、そこは中世ヨーロッパの世界だった。幻の宝石をめぐり、ドラえもんたちの時空を超えた大冒険が始まる。
寺本幸代 | テラモト・ユキヨ
TVアニメ「ドラえもん」の演出を担当し、2007年『映画ドラえもん のび太の新魔界大 冒険〜7人の魔法使い〜』でシリーズ初となる女性監督に就任。2011年『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』 監督・絵コンテ、2013年『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館』監督・絵コンテを手がけ、本作が『映画ドラえもん』シリーズ4作目となる。
©Fujiko-Pro, Shogakukan, TV-Asahi, Shin-ei, and ADK 2025
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