Selector
ファッションライター
いくら直幸さん
人気ブランドのPR職を経て、伝説のファッション誌『Boon』の編集者に。現在は『Begin』『OCEANS』をはじめ、ティーンからミドル世代までの多くの雑誌やウェブ、広告などで活躍中。
一着でウンと今どきに!
トレンド服 2018 春【後編】
確かな審美眼をもつファッションのプロが、バラエティ豊かなユニクロから “ コレは! ” な逸品をセレクト。今回はアウターを特集した前編に続き、いつもの格好に一点投入するだけで旬度がUPする、春のトレンドアイテムをお届け。後編では注目のトップス&パンツ、オシャレのカギとなる流行カラーに加え、より手軽に今どき感を添えられるバッグもご紹介します。
トレンド服 2018 春【前編】はこちら
「気張って見えないリラックスムードの装い、ラフなストリートスタイルなど、どこかヌケ感のある着こなしが時代の中心となっている昨今。そうしたなか1年ほど前から目立ち始めたロングスリーブTシャツの人気は、今季ますます加速しています。
モードファッションの世界で名を馳せるデザイナー、クリストフ・ルメール率いる〈Uniqlo U〉のそれは、身幅の広い大きめのシルエットに加え、肉厚の生地や胸ポケット付きのデザインなど、今どきのツボがしっかりと押さえられており、さらっと1枚で着てもサマになります。着回し力を重視するなら男の定番色であるモノトーンやネイビーを、一方、さらなるトレンド感を求めるなら後述するようなカラーを取り入れたスタイルに効くレッドも見逃せません」
旬のバランスに仕上がる大きめシルエット
「アンダーウェアではなく、コーディネートの主役として1枚で着ることを前提としており、さらにトップスにボリュームをもたせる旬のバランスも意識して、身幅は広めで、全体的にもゆったりとしたシルエットになっています。スタイリングはアクセサリーなどで飾ることなく、さらっとシンプルに合わせるだけでもOK。このヌケ感、ゆるさが今の気分です」
肉厚ボディ&胸ポケ付きで1枚着がキマる
「ボディは近年のトレンドであり、白でも肌が透けにくいヘビーウェイトタイプ。また左胸には、さりげないアクセントになるポケットが配されています。大きめのシルエットと併せ、こうした厚手の生地やディテールもロンT特有のアンダーウェア感を抑えるポイントとなっており、1枚で着てもキマるんです」
「ここ数年のワイドパンツの人気ぶりは、もはや説明不要でしょう。トレンドが長く続いていることで、より幅広い層に浸透しており、一段と取り入れやすいアイテムになりました。同じく流行継続のビッグサイズのトップスにも共通しますが、こうしたボリュームシルエットのボトムスは細いパンツと違って窮屈感がなく、また生地と脚の間を風が通り抜けるので暑い季節でも蒸れにくい。そのうえ気になるレッグラインを隠せるといった嬉しい副次効果も望めます。
今シーズン〈Uniqlo U〉からは、シルエットや生地の異なる数種類のワイドパンツが販売され、早々から購入者が殺到しています。なかでも2タック入りのこちらは、いっそう旬度の高い一本です。ひと昔までタックパンツと言えば、古臭くオジサンっぽいというイメージもありましたが、時代は巡って再び流行のド真ん中に。特に紹介のベージュは、親しみあるチノパンの延長ではけるため、入門編にも打ってつけです」
ビギナーでも合わせやすいテーパード&くるぶし丈
「シルエットは股上が深く、腰回り&太股にたっぷりとゆとりがあり、裾へと緩やかに細くなるワイドテーパード。スッキリ軽快感のあるくるぶし丈なので、今年らしいボリュームがありながらも重厚に見えず、野暮ったい印象を与えません。裾までズドンと太いバギータイプも今どき感があって人気ですが、ワイドパンツ初心者でもトライしやすいのは断然こちらです。
合わせるトップスは、ややタイトからジャストフィットが基本。スッキリと見えるショートブルゾン、またシャツやTシャツの裾をタックインするなどコンパクトにまとめると、ビギナーでも簡単にバランス良く。一方、ワンランク上の着こなしを目指すなら、先に紹介したロンTのように、ビッグシルエットのゆったりサイズをコーディネートするのもオススメです」
こなれ感のある、洗いざらしのコットンツイル
「生地にはコットンツイルが使われています。ウォッシュ加工で柔らかく、こなれた風合いに仕上げられているので、普通のチノパンと同じ感覚で楽しめます」
①ストレッチ スキニーフィット テーパード カラージーンズ
②スウェット プルパーカ(長袖)
③リブビーニー
④ウォッシャブル クルーネックセーター(長袖)
⑤スリムフィット ノータックチノ
⑥ウォッシャブル Vネックセーター(長袖)
⑦スーピマコットン クルーネックT(長袖)
⑧プレミアムリネンシャツ(長袖)
「アイテムのデザインや着こなし自体はこれまでどおりでも、春らしい彩りを取り入れることでウンと今年らしく、フレッシュな印象へとアップデートできます。なかでも鮮やかなビビッドカラーと淡いペールトーンは、旬度の高い注目のカラーパレットです。
例えば、いつものグレースウェットやブルーデニムといった定番的なアイテムを、こうした季節感のある色にチェンジするだけで効果絶大。メインでもサブでも、洋服でも小物でも、どこかに一点でOKのため、カラービギナーでも難なく実践できます。ユニクロは豊富な色のバリエーションも自慢だけに、お好みのアイテムで彩りを挿し込んでみてください」
メインでもサブでも、どこかに一点取り入れるだけ
「カラーアイテムはハードルが高いと気後れするビギナーは、まず複数や多色使いでなく、どこかに一点投入するところからトライを。また写真のようにダークトーンと組み合わせると、より取り入れやすく、彩りも一段と映えます。それでもメインで着ることに物怖じしてしまう方は、インナーや小物などでスパイス的に色を挿すだけでも効果は十二分です」
「街行く人たちの背中を見ていると、ティアドロップ型やカマボコ型と呼ばれる、オーセンティックなデイパックが非常に多いことに気づきます。装飾のないシンプルでニュートラルなデザインは、合わせるスタイルを選ばないのも人気の理由と言えるでしょう。
ユニクロのこちらは見た目こそクラシカルですが、ショルダーストラップの裏&背面に通気性を考えたメッシュ張りのクッションパッドが配されていたり、現代人に欠かせないノートパソコン対応の収納などポケットが充実するなど、実に気が利いています。と、人気のカタチというだけでなく、かゆいところに手が届いた使い勝手の良さも大きな魅力。汎用性の高い落ち着いたカラーをはじめ、グリーンやレッドは今年らしさを添える挿し色アイテムとしても有効です」
シンプルなデザインなので合わせる洋服を問わない
「とてもオーセンティックでミニマルなデザインは、あらゆるスタイルにマッチします。なので、その日のコーディネートに合わせていちいちバッグを持ち替えずに済み、そんな気楽さもいいところです」
軽量&丈夫なコーデュラ生地に、撥水加工をプラス
※画像はイメージです。
「ボディには、名だたるアウトドアメーカーやバッグブランドなどにファブリックを供給する、米国・インビスタ社の機能素材である軽量かつタフなコーデュラを採用。なかでも、マットでナチュラルな風合いのコットンナイロンのキャンバス地が使われています。軽撥水加工が施されており、小雨程度なら水が浸み込まないので、中の荷物が濡れる心配もありません」
アチコチにポケットがあり、スマートに収納できる
「この手のクラシックタイプのデイパックは、細かな収納がないものが大半です。しかしこちらは、主室内にノートパソコンやタブレット端末を収められる2段式のクッション入りスリーブ、またバッグの中で迷子になりがちな小物を入れるのに役立つメッシュポケットが。さらに両サイドにはドリンクボトルや折り畳み傘が収まるアウトポケット、前面のジップポケットにも2室のインナーポケットが配備されています」
【Staff Credit】
撮影:杉田裕一(POLYVALENT)
構成・スタイリング・文:いくら直幸
確かな審美眼をもつファッションのプロが、バラエティ豊かなユニクロから “ コレは! ” な逸品をセレクト。今回はアウターを特集した前編に続き、いつもの格好に一点投入するだけで旬度がUPする、春のトレンドアイテムをお届け。後編では注目のトップス&パンツ、オシャレのカギとなる流行カラーに加え、より手軽に今どき感を添えられるバッグもご紹介します。
トレンド服 2018 春【前編】はこちら
Selector
ファッションライター
いくら直幸さん
人気ブランドのPR職を経て、伝説のファッション誌『Boon』の編集者に。現在は『Begin』『OCEANS』をはじめ、ティーンからミドル世代までの多くの雑誌やウェブ、広告などで活躍中。
「気張って見えないリラックスムードの装い、ラフなストリートスタイルなど、どこかヌケ感のある着こなしが時代の中心となっている昨今。そうしたなか1年ほど前から目立ち始めたロングスリーブTシャツの人気は、今季ますます加速しています。
モードファッションの世界で名を馳せるデザイナー、クリストフ・ルメール率いる〈Uniqlo U〉のそれは、身幅の広い大きめのシルエットに加え、肉厚の生地や胸ポケット付きのデザインなど、今どきのツボがしっかりと押さえられており、さらっと1枚で着てもサマになります。着回し力を重視するなら男の定番色であるモノトーンやネイビーを、一方、さらなるトレンド感を求めるなら後述するようなカラーを取り入れたスタイルに効くレッドも見逃せません」
旬のバランスに仕上がる大きめシルエット
「アンダーウェアではなく、コーディネートの主役として1枚で着ることを前提としており、さらにトップスにボリュームをもたせる旬のバランスも意識して、身幅は広めで、全体的にもゆったりとしたシルエットになっています。スタイリングはアクセサリーなどで飾ることなく、さらっとシンプルに合わせるだけでもOK。このヌケ感、ゆるさが今の気分です」
肉厚ボディ&胸ポケ付きで1枚着がキマる
「ボディは近年のトレンドであり、白でも肌が透けにくいヘビーウェイトタイプ。また左胸には、さりげないアクセントになるポケットが配されています。大きめのシルエットと併せ、こうした厚手の生地やディテールもロンT特有のアンダーウェア感を抑えるポイントとなっており、1枚で着てもキマるんです」
「ここ数年のワイドパンツの人気ぶりは、もはや説明不要でしょう。トレンドが長く続いていることで、より幅広い層に浸透しており、一段と取り入れやすいアイテムになりました。同じく流行継続のビッグサイズのトップスにも共通しますが、こうしたボリュームシルエットのボトムスは細いパンツと違って窮屈感がなく、また生地と脚の間を風が通り抜けるので暑い季節でも蒸れにくい。そのうえ気になるレッグラインを隠せるといった嬉しい副次効果も望めます。
今シーズン〈Uniqlo U〉からは、シルエットや生地の異なる数種類のワイドパンツが販売され、早々から購入者が殺到しています。なかでも2タック入りのこちらは、いっそう旬度の高い一本です。ひと昔までタックパンツと言えば、古臭くオジサンっぽいというイメージもありましたが、時代は巡って再び流行のド真ん中に。特に紹介のベージュは、親しみあるチノパンの延長ではけるため、入門編にも打ってつけです」
ビギナーでも合わせやすいテーパード&くるぶし丈
「シルエットは股上が深く、腰回り&太股にたっぷりとゆとりがあり、裾へと緩やかに細くなるワイドテーパード。スッキリ軽快感のあるくるぶし丈なので、今年らしいボリュームがありながらも重厚に見えず、野暮ったい印象を与えません。裾までズドンと太いバギータイプも今どき感があって人気ですが、ワイドパンツ初心者でもトライしやすいのは断然こちらです。
合わせるトップスは、ややタイトからジャストフィットが基本。スッキリと見えるショートブルゾン、またシャツやTシャツの裾をタックインするなどコンパクトにまとめると、ビギナーでも簡単にバランス良く。一方、ワンランク上の着こなしを目指すなら、先に紹介したロンTのように、ビッグシルエットのゆったりサイズをコーディネートするのもオススメです」
こなれ感のある、洗いざらしのコットンツイル
「生地にはコットンツイルが使われています。ウォッシュ加工で柔らかく、こなれた風合いに仕上げられているので、普通のチノパンと同じ感覚で楽しめます」
①ストレッチ スキニーフィット テーパード カラージーンズ
②スウェット プルパーカ(長袖)
③リブビーニー
④ウォッシャブル クルーネックセーター(長袖)
⑤スリムフィット ノータックチノ
⑥ウォッシャブル Vネックセーター(長袖)
⑦スーピマコットン クルーネックT(長袖)
⑧プレミアムリネンシャツ(長袖)
「アイテムのデザインや着こなし自体はこれまでどおりでも、春らしい彩りを取り入れることでウンと今年らしく、フレッシュな印象へとアップデートできます。なかでも鮮やかなビビッドカラーと淡いペールトーンは、旬度の高い注目のカラーパレットです。
例えば、いつものグレースウェットやブルーデニムといった定番的なアイテムを、こうした季節感のある色にチェンジするだけで効果絶大。メインでもサブでも、洋服でも小物でも、どこかに一点でOKのため、カラービギナーでも難なく実践できます。ユニクロは豊富な色のバリエーションも自慢だけに、お好みのアイテムで彩りを挿し込んでみてください」
メインでもサブでも、どこかに一点取り入れるだけ
「カラーアイテムはハードルが高いと気後れするビギナーは、まず複数や多色使いでなく、どこかに一点投入するところからトライを。また写真のようにダークトーンと組み合わせると、より取り入れやすく、彩りも一段と映えます。それでもメインで着ることに物怖じしてしまう方は、インナーや小物などでスパイス的に色を挿すだけでも効果は十二分です」
「街行く人たちの背中を見ていると、ティアドロップ型やカマボコ型と呼ばれる、オーセンティックなデイパックが非常に多いことに気づきます。装飾のないシンプルでニュートラルなデザインは、合わせるスタイルを選ばないのも人気の理由と言えるでしょう。
ユニクロのこちらは見た目こそクラシカルですが、ショルダーストラップの裏&背面に通気性を考えたメッシュ張りのクッションパッドが配されていたり、現代人に欠かせないノートパソコン対応の収納などポケットが充実するなど、実に気が利いています。と、人気のカタチというだけでなく、かゆいところに手が届いた使い勝手の良さも大きな魅力。汎用性の高い落ち着いたカラーをはじめ、グリーンやレッドは今年らしさを添える挿し色アイテムとしても有効です」
シンプルなデザインなので合わせる洋服を問わない
「とてもオーセンティックでミニマルなデザインは、あらゆるスタイルにマッチします。なので、その日のコーディネートに合わせていちいちバッグを持ち替えずに済み、そんな気楽さもいいところです」
軽量&丈夫なコーデュラ生地に、撥水加工をプラス
※画像はイメージです。
「ボディには、名だたるアウトドアメーカーやバッグブランドなどにファブリックを供給する、米国・インビスタ社の機能素材である軽量かつタフなコーデュラを採用。なかでも、マットでナチュラルな風合いのコットンナイロンのキャンバス地が使われています。軽撥水加工が施されており、小雨程度なら水が浸み込まないので、中の荷物が濡れる心配もありません」
アチコチにポケットがあり、スマートに収納できる
「この手のクラシックタイプのデイパックは、細かな収納がないものが大半です。しかしこちらは、主室内にノートパソコンやタブレット端末を収められる2段式のクッション入りスリーブ、またバッグの中で迷子になりがちな小物を入れるのに役立つメッシュポケットが。さらに両サイドにはドリンクボトルや折り畳み傘が収まるアウトポケット、前面のジップポケットにも2室のインナーポケットが配備されています」
【Staff Credit】
撮影:杉田裕一(POLYVALENT)
構成・スタイリング・文:いくら直幸