Haruka Ayase

As Time Goes By

  • Photography by Natsumi Ito Styling by Naoko Shiina Hair by ASASHI
  • Makeup by UDA Text by Eri Ishida

ゆっくりと時を刻みながら層をなしてゆく美しさ。
私たちを惹きつけてやまない女優・綾瀬はるかについて。

As Time Goes By

時を重ねていくこと

「毎日、朝目が覚めたら窓を開けて陽の光を浴びて、初めにトイレの掃除をします。水回りが常に整っていると、気持ちがいいなと思って。実は、祖母の真似をして始めたことなんですけどね」

日課にしていることは? という問いかけに、彼女の生い立ちが窺えるような答えが返ってきた。10代で女優となり、生まれ育った広島を離れて以来、長期で帰省したのは昨年が初めて。ともに暮らしていた頃には気に留めていなかった祖母の暮らしぶりに、今となって強く感心させられたのだという。

「起きたら、まず開脚しながらメイクをするんです。そして、トイレを初めに家中をくまなく掃除したら、太極拳が始まって、夜寝る前にもラジオ体操と掃除をして……。そんなルーティンを、祖母はこれまで1日も欠かすことなく続けてきたと言うんです。そうして毎日コツコツと磨きながら何十年と積み上げられてきた生活というのは、無駄がなくて美しくて、味わい深い。そう、改めて感じた時間でした」

かつての日本では、珍しい光景ではなかった折り目正しく慎ましやかな生活。それが、たった数十年で、生活様式も、女性の生き方も、当時からは想像もつかないほどに多様化してきた。女優として、これまでの20年というキャリアの中で、幕末から現代に至るまで、時代を象徴するさまざまな女性像を演じてきた綾瀬さんは、今“女性らしさ”をどう捉えているのだろう。

「それこそ祖母からは、よく『女性は一歩下がって慎ましく、賢くいないといけないよ』と言われてきました。でも、今では女性の輝きも人それぞれにたくさんの色があって、ひと口に“女性らしさ”を定義するのは難しいですよね……。しいて言うなら、その人のありのままでいられる愛のあふれた状態。その人らしさが違和感なく表現できていることが、女性らしさであり、男性らしさなのではないかなと思います」

定義づけされた“女性らしさ”よりも、自分らしくいられているだろうかと、自身の内側を見つめ、問いかけること。干物女や真面目すぎるキャリアウーマンといった、いわゆるセクシーとは言い難い役どころも、観ているうちに不思議と魅力的な女性像へと変化していくのは、綾瀬さんが役に対しても同じように内側を見つめ、問いかけてきたからなのだろう。そして、この問いかけの積み重ねが、綾瀬さんの人生観に紐づいていったのかもしれない。

「10代、20代の頃は、たくさんの情報の中で影響を受けすぎて、ブレてしまうようなこともありました。でも、振り返ってみると大事に思うことも、好きなものも、結局はずっと変わっていないんだなと思うんです。何かに悩んだり迷ったりする時こそ、誰かと比べたり情報に左右されるのではなく、自分が求めているものは何なのだろうと自分に問いかけながら、いい意味で流れに身を委ねたい。年齢を重ねていくうえでも、そうして内側を深めていきたいと思っています」

Haruka Ayase

Actor

綾瀬 はるか/女優

1985年、広島県生まれ。2000年デビュー。2004年のテレビドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』のヒロインに抜擢される。その後、NHK大河ドラマ『八重の桜』や、『義母と娘のブルース』『天国と地獄~サイコな2人』、映画『今夜、ロマンス劇場で』『海街diary』などで主演を務める。バラエティ、CMなどでも広く活躍。2021年2月、ユニクロLifeWearのスペシャルアンバサダーに就任。TVCMの出演からサステナビリティ活動まで、精力的に取り組んでいる。

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