Hello, Ayumu

平野歩夢に20の質問

スノーボードと、スケートボード。「二刀流」での頂点を目指す道を
歩み続ける21歳のストイックなアスリートが、
「ホーム」である新潟県村上市のスケートパークに戻って見せた顔は、
リラックスして穏やかだった。

BDのオックスフォードシャツに合わせたのは、平野選手と共同開発した「ミラクルエアー3Dジーンズ」。軽量化した特殊繊維と3D裁断で抜群に動きやすく、軽い着用感。

Q1. スケートボードとスノーボード、違いはどんなところですか。

似ているようで、実際やってみると「共通点なんてあるのかな?」というくらい違うスポーツですね。スノーボードは足が固定されている中で、全身を使った技術を極めていく。スケートは足と板が離れていて、下半身中心の動き。その分、自由さがあってスタイルもいろいろで、人によって同じ技をやっても見え方が変わります。

Q2. 試合の直前や最中にはどんなことを考えていますか。

試合のときは何も考えないんです。集中するための音楽があればいい。試合までの長い日々の中でやってきたことがそのまま出るだけだから。むしろ余計なことを考え過ぎないために、普段の練習があるという感じです。

Q3. 強いプレッシャーを感じた時、どう対処しますか。

これも日頃の練習や生活が大事ですね。成績が一時的に良かったときでも、今まで以上に練習を濃くしていったりとか、そうすることでプレッシャーを自分の中で大きくしていかないようにすることが重要だと思います。

Q4. ソチ・オリンピック以後の5年間で、精神的な面で変化はありますか。

ソチまでは何も考えず、若さの勢いだけで突っ走れるような身体の状況があって。でも、銀メダルで終わったことで悔しさを感じると同時に、自分の中でやっていかなきゃいけないことを、私生活も含めて考えながら追求していく姿勢になった。意識がガラッと変わった気がします。

Q5. オリンピックは自分にとってはどんな存在ですか。

注目度で言えばどんな大会よりも大きくて、スノーボードやスケートボードを一般の社会に大きくアピールできる場ですね。個人のこだわりよりも国の代表としてのプレッシャーもありますが、その分、大きいものを得られるというか。結果だけじゃない部分が大きいと思います。

Murakami City Skate Park
新潟県村上市に2019年4月にオープンした、延べ床面積約2,669㎡に及ぶ日本国内最大規模の屋内スケートボード施設。オリンピック種目の「パーク」「ストリート」のセクションを設置し、他にボルダリング、スラックライン、トレーニングコーナー、ランニングコースも併設している。

Q6. 日々の練習で最も大事にしていることは何ですか。

子供の頃みたいに5時間も6時間も滑り続けることはできないので、頭を使って、身体に気を使いながら、練習している時間以外も含めてやるべきことを考えること。

Q7. 現在、ロサンゼルスでの生活はいかがですか。

気候も暖かくて人もフレンドリーで、環境がいい。スケートパークに行けば40歳以上の人でもガンガン滑ってたり、自由な空気があります。

Q8. 一方で、地元・村上に帰って来られて感じることは。

スケートパークに毎日通って練習している地元の子たちがいて、自分が海外から帰ってきたとき、彼らの技術が成長していたりするのを見ると嬉しい。ここに帰ってこないと見られない景色がある、初心に戻れる場所です。

Q9. 家族での一番の思い出は?

小学生の頃、両親が7~8時間かけてドライブして、雪山に練習に連れて行ってくれたりして、家族みんなで夢に向かって強い思いを持ち続けてきたことですかね。それが今につながっているので。弱い気持ちになりそうなとき、そういうことを思い出します。

Q10. 競技以外で得意なこと、苦手なことは何ですか。

何かあったっけ?……寝ることかな(笑)。10時間くらい寝られます。苦手なことは暗記ですかね。

Nihonkai Skate Park (CLOSED)
約16年前、まだ地元に練習施設がなかった時代に、平野歩夢の父・英功さんが携わる団体で村上市瀬波温泉街の旧市民体育館を借りて改修し、オープンしたスケートパーク。2013年には、日本最大級を誇る高さ4.7mの巨大バーチカルが追加された。このパークに、幼い頃から家族と共に毎日通い、何時間もスケートの練習をして過ごした。2019年、新たに「村上市スケートパーク」が建設されたことで閉館。

Q11. 日々の中で、一番リラックスできる時間はいつですか。

毎晩、寝る前の1時間くらい。特に何をするわけじゃないんですけど、ストレッチしながらスケートの動画を見たりして、ゆっくり過ごします。

Q12. 退屈なときは何をしてやり過ごしますか。

退屈なときも結局、「あーもうスケート行くか」って感じですね(笑)。

Q13. ファッションについて。普段、どんなスタイルが好みですか。

昔からルーズなファッションが癖みたいになっていて、練習のときも普段もずっと同じですね。古着屋で90年代ぽいスタイルのウエアを探したりするのも好きです。

Q14. 感銘を受けた本や映画などはありますか。

映画『ロッキー』は好き。最初は父から勧められて観たのかな。DVDでときどき観返して、気合いをもらっています。

Q15. インターネットはどれくらい観ますか。

朝起きて、ちょっと見るくらい。あんまり見ないようにしているところもありますね。ずっとスマホをいじってると、癖みたいになっちゃうから。

Q16. 他人の目が気になる時がありますか。

うーん、ありますね。他人に見られながらご飯を食べたりするのは好きじゃないので。

Q17. 最近、最も嬉しかったことは?

苦しい練習がずっと続いて、何週間もやり続けた後に、新たな技を習得して、自分の武器が一つ増えたというとき。そういう瞬間が、ここ2~3週間の間だけでもあるんです。未だにその達成感が自分を進めてくれています。

Q18. 気を遣ってしまったりして、自分をうまく表現できないときはありますか。

そうですね、性格的に思ったことをすぐに口に出す方ではなくて。もちろん言うべきことは言わなきゃいけない場面はあると思いますが、ただ自分を出すのではなくて、少し待って、引いて考えてみることも必要なのかな、と。

Q19. ユニクロの服で、気に入っているアイテムはありますか?

最近は自分好みのアイテムがすごく多くて嬉しいんです。色、サイズ感、スタイルなど、練習以外の時間でも納得できるものを着られていることで、モチベーションを上げられています。

Q20. 20年後の自分を想像してみると、何をしていると思いますか。

うーん、どうなってるんでしょう……まだ想像がつかないですけど、競技をやってきた自分だからできること——大会を開催したり、学校やブランドを作って、キッズたちが目標を持てる環境を作るなど、自分の培ってきた土台に何かを乗せられたらいいなと思いますね。

平野歩夢 / プロスノーボーダー・プロスケーター
1998年、新潟県生まれ。4歳のときに兄の影響でスケートボードとスノーボードをはじめる。2011年、2012年に全米オープンのジュニアジャムで連覇を果たすと、14歳で出場した2012/2013シーズンWinter X Gamesでは史上最年少で銀メダルを獲得。同シーズン2月に行われたLAAX OPEN、2013年8月のワールドカップで優勝を果たす。2014年ソチオリンピックで銀メダルを獲得。冬季オリンピック日本人選手史上最年少メダリストに 輝く。2017/2018シーズンにはWinter X Gamesで99点のスコアで優勝。2018年平昌オリンピックでは二大会連続銀メダルを獲得。2019年スケートボード日本選手権パーク男子の部で初優勝。2018年、グローバルブランドアンバサダーに就任。ユニクロと共に更に進化し、世界の頂点を目指す。

Photography by Seishi Shirakawa
Styling by Akio Hasegawa
Hair Making by Kenichi Yaguchi
Interview by Kosuke Ide

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