デザイナーインタビュー

デザイナーインタビュー

2022年秋冬コレクションのインスピレーションやコンセプトへの想いについてジョナサン・アンダーソンにインタビューしました。

今季の2022年秋冬コレクションで「UNIQLO and JW ANDERSON」のコラボレーションは5周年を迎えました。この間、印象的だったエピソードがあれば教えてください。

何年にもわたるコレクションを経て、ユニクロと素晴らしい協力関係を発展させることができました。この進化はとても興味深いものです。優れたコラボレーションには、ほどよい緊張感を伴ったブランド間のコードとマインドの調和が欠かせません。チャレンジングでしたが、2つのチームが協力して取り組み、JW Andersonの要素がユニクロの骨組みの中に生きていることがわかります。ユニクロは世界中へのアプローチを可能にしてくれる稀有な存在で、私はそのことを賞賛して止みません。柳井社長と、彼が持つビジョンはとても刺激的なのです。

今シーズンのキーワードである「ブリティッシュ・モダン」とそれにまつわる建築のインスピレーションはどこから得ましたか?心に思い浮かんだ特定の場所はありますか?

インスピレーションとなった、モダンな英国建築の素晴らしい例がいくつかありますね。主には、簡素化されたミニマリストの感性を備えたものです。デザインの根底はシンプルなものの、コレクションで伝えたいと思っていたディテールへのこだわりもあり、これはミニマリズム建築のデザインからヒントを得ました。

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前回のコレクションと比べて、全体的にとてもミニマルな印象を受けますが、その真意とは?

今回のシーズンでは特に、洋服へのアプローチを整理して洗練させたいと考えて臨みました。

コレクションの中で特に気に入っているアイテムは?

絶妙なタバコ色のパデッドコートですね。

ご自身のブランド「JW Anderson」「LOEWE」、そして「UNIQLO and JW ANDERSON」と、毎シーズンのデザインやクリエイションをどのようにマネジメントしていますか?最も難しいことは何でしょうか。

私は、プロジェクトやシーズンを1年の中にあるチャプターのように考える傾向があります。 異なるブランド間で仕事をこなすことは、市場の異なるエリア、異なるニーズにアクセスすることであり、差別化を考えるうえで役立っています。このプロセスによって、各ブランドのクリエイティブが棲み分けられています。そしてコラボレーションを通じて、さらに広範囲な幅広い層に向けてデザインすることができるというわけです。こうしたこと全てが、私にインスピレーションを与え続けてくれるのです。

2017年にコラボレーションを始めた時、あなたはこう明言しました。「私にとってこのコラボレーションを行う意義は、ファッションにおける民主主義を信じること。あらゆる年齢の方がこのコレクションを通じて、何かつながりを見つけてほしい」と。この「Democracy in Fashion(全ての人に向けたファッション)」という考え方は、あなたのデザインプロセスやクリエイションにどのような影響を与えましたか?また、5年が経過したいまの気持ちとは?

ユニクロと一緒に仕事をするということは、世界中の人に服を着てもらう絶好の機会なので、考え方を変えさせられるきっかけとなりました。本当にたくさんの人がユニクロというブランドと親密な関係を築くことができています。素晴らしいステープルズ=定番品がたくさんあるので、私自身いつも身に着けています。手に取りやすいデザインでありながら、細部にこだわり、それらを際立たせるクオリティも兼ね備えていると思います。